おもかげ橋 の商品レビュー
2021.07.29 以前から読みたいと思っていた本だった。予想通りで人を想う、友を想う世界が忘れていたのもを思い出させる様だった。
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藩内の勢力争いに巻き込まれて、放逐される。それでも武士道精神で、とある女性を守り抜く二人の男の物語 主人公が出来過ぎのように思える 誰かのために苦労もいとわず、自分の信念に忠実に生きた
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仇討ちストーリーでもあり、恋愛小説でもあり。友情話でもあるよなあ、深い味わいの読後感。 さいしょは冴えない未練がましいダメ男に見えていた弥市が、読み進めるうちに、惚れてまうやろ、、とじわじわ染み込んできた。萩乃も、思わせぶりな匂わせ迷惑女かとおもいきゃ。喜平次も、男として、いざと...
仇討ちストーリーでもあり、恋愛小説でもあり。友情話でもあるよなあ、深い味わいの読後感。 さいしょは冴えない未練がましいダメ男に見えていた弥市が、読み進めるうちに、惚れてまうやろ、、とじわじわ染み込んできた。萩乃も、思わせぶりな匂わせ迷惑女かとおもいきゃ。喜平次も、男として、いざというときに腹が据わっていて、かっこいいよ。 ラストでこんなドラマチックな勧善懲悪の見せ場もあり。神絵師さんたちにこの高田馬場の場面描いてほしい。悪玉はこのくらいの死に方をしてほしいよ。 ひとを想う気持ちにもいろいろあるよなあ、と、大人なら誰でもちょっと思い当たりながら読んでしまうんじゃないかな。惚れたひとには幸せでいてほしい、そこに自分が必要ないパターン、自分の気持ちを説明できないような想い、自分の心を騙すような抑え方をする、そういうの、じつは身近にある感情だものね。 人生紆余曲折あり、こんどこそ、自分の気持ちにまっすぐに向き合いたい、惚れたひとを幸せにするためには自分が役に立つはずだ!という選択をした弥生の存在がとても輝く。暮らし向きは大変だろうけどさ。後悔はないよね。 読んだあと思い出話をしたくなるような、せつないスカッとストーリー。映像化してほしい。
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大学3年目の春、それまで住んでいた県人寮を出て、目白区関口の下宿に引っ越した。 東京カテドラル聖マリア大聖堂のある関口教会の裏側に位置する場所であった。 数分歩けば講談社や光文社があり、その先には護国寺があった。 また関口教会前の目白通りを渡ると、そこは椿山荘であった。 その椿山...
大学3年目の春、それまで住んでいた県人寮を出て、目白区関口の下宿に引っ越した。 東京カテドラル聖マリア大聖堂のある関口教会の裏側に位置する場所であった。 数分歩けば講談社や光文社があり、その先には護国寺があった。 また関口教会前の目白通りを渡ると、そこは椿山荘であった。 その椿山荘の脇に小道があり、しばらく行くと胸突坂という坂道になる。 そこを下って神田川を渡ると早稲田大学の校舎が見えてくる。 当時良く歩いた散歩コースであった。 その神田川を少し上った所にあるのが、この小説の舞台になった「面影橋」である。 「面影橋」は昔、姿見橋とか俤(おもかげ)の橋などと呼ばれていた。 付近一帯は高田村で、近くには「南蔵院」や「氷川神社」があった。 また太田道灌にちなんだ、<山吹の里>もこのあたりである。 さらに堀部安兵衛の十八人斬りで有名な高田馬場があったのも、この高田村であった。 それらのことは小説でも詳しく書かれており、物語を彩る重要な要素になっている。 また「面影橋」は蛍の名所としても知られていた。 それを読んで思い出したのが、大学時代に胸突坂で出会った蛍のことである。 そのことは以前村上春樹の「ノルウェイの森」を読んだ時にも書いたが、ある日、いつものように胸突坂を歩いていると、突然蛍が飛んできた。 まさか都心のこのような場所で蛍に出会うとは。 思いがけない遭遇に驚いた。 後になって知ったが、それは椿山荘が夏の催しのために飼育していた蛍だったのだ。 その蛍が、たまたまそこまで飛んできたのであった。 そして今回この小説を読んで、さらにこのあたりが昔は蛍の名所だったということを知ったのである。 それが椿山荘の蛍となり、さらに自分のなかの記憶として残ることになったのである。 それがどうしたと言われればそうかもしれないが、それでもこうしたささやかな発見があることが、自分にとっての読書の醍醐味になっている。 今回そうした出会いがあったことで、より小説を身近に感じることができたのである。 物語はお家騒動の煽りをくって国を追われたふたりの武士が、再び持ち上がったお家騒動のなかで初恋の女性を匿うことになるという明朗青春活劇である。 恋と友情を軸に、ときにコミカルに、ときに叙情豊かに描かれることで、儘ならぬ人生の哀歓が浮かび上がってくる。 地元九州を舞台に書くことの多い葉室麟の小説だが、これは珍しく江戸が舞台である。
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萩乃さん、嫌~。 表紙絵に翻弄された感があります。 弥市さんが弥生さんと巡り会えたので良しとする。 喜平次さん、しっかりしろ!惑わされるな!と思った。
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L かなり軽快。 この作家さんで浪人が主役なのを読んだ記憶がなかったせいか、いつもと違う感で読み進めるとやっぱり藩のゴタゴタに巻き込まれる話だった。 今回は恋愛が全面に出ている。 いいまわしに含みがありすぎて右往左往させられた感じもあるけれど、要は悪人以外みんな常識あるいい人だ...
L かなり軽快。 この作家さんで浪人が主役なのを読んだ記憶がなかったせいか、いつもと違う感で読み進めるとやっぱり藩のゴタゴタに巻き込まれる話だった。 今回は恋愛が全面に出ている。 いいまわしに含みがありすぎて右往左往させられた感じもあるけれど、要は悪人以外みんな常識あるいい人だったってことかな。 弥生さん、登場は後半なのに全部持ってったね。 萩乃は幸薄め。
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喜平次と弥市のお互いの思いやる心、信じる心が素晴らしい。 弥市を見初めた弥生さんがとても素敵な方で 幸せになってほしいと思えた。
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「想いは届けたいと思う相手のもとへ向かうもの」 大義遂行の為国を追われた糸瓜と牛蒡の侍の話。 自身の弱さを知る人はとても強く温かい。 それにしても男も女も初恋をこじらせるとめんどくさい。叶わぬ初恋ほど素敵な思い出。
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いいねえ。特に最後が良い。おもかげ橋。喜平次は俤を通る萩乃を眼に焼き付けることができたのだろうか?そして何にも増して弥市が良い味を出していました。さしずめ黒沢映画だったら、三船が演じる役の様。強くて、男っぽくて、優しい。良いキャラクターです。
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ひとりの女をめぐる男二人の友情に、藩のお家騒動がからみ、なんだか盛りだくさんな割には、なんともぐずっちい「忠孝」の心など、私は市井の江戸物は好きだけれど、お武家の話はピンとこないからかもしれません。 剣豪者と今は商人になった真面目男は魅力的なのに、双方のマドンナのなんともはっきり...
ひとりの女をめぐる男二人の友情に、藩のお家騒動がからみ、なんだか盛りだくさんな割には、なんともぐずっちい「忠孝」の心など、私は市井の江戸物は好きだけれど、お武家の話はピンとこないからかもしれません。 剣豪者と今は商人になった真面目男は魅力的なのに、双方のマドンナのなんともはっきりしないことが、私を苛立だせる理由でしょう。 男って、こんな女が好きなの?って感じでした。
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