おもかげ橋 の商品レビュー
お家騒動で上役に裏切られ、藩を追放された二人が、再度騒動に巻き込まれる。 喜平次と弥市、今更またなぜ藩に巻き込まれなくてはならないのか、と言いつつも、昔憧れた女性・萩乃のためには一肌脱いでしまう。 前半は萩乃のいやーな女らしさと、それに振り回される喜平次と弥市にイラっとし(笑)、...
お家騒動で上役に裏切られ、藩を追放された二人が、再度騒動に巻き込まれる。 喜平次と弥市、今更またなぜ藩に巻き込まれなくてはならないのか、と言いつつも、昔憧れた女性・萩乃のためには一肌脱いでしまう。 前半は萩乃のいやーな女らしさと、それに振り回される喜平次と弥市にイラっとし(笑)、つまんないなーと読んでいたのだけど、後半は喜平次と弥市それぞれの良いところが出て、物語が単なる男女の鞘当てじゃなくなり面白くなった。 そうじゃないと葉室麟じゃないよね。 でも、恋愛モノ・人情モノとしてはイマイチ盛り上がらず、お家騒動もあっさり決着した感じで、うーん、中途半端。 その中では、喜平次の妻のお長と、弥市の見合い相手の弥生の二人が良かったかな。 後はヒール役の山崎屋がありがちなキャラながらも、リアルという意味では良かったかな。
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なかなか話に入っていけなかったけど途中から一気読みだった。違うタイプの男がそれぞれ実に男臭くてかっこよかったな
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「剣は一流、されど暮らしぶりは不器用にて五流」と評される弥市と、武士から商人に転じ才覚を発揮する喜平次。藩の策略により国許を追われた幼馴染みの二人が、かつて共に思いを寄せた萩乃をめぐり、邂逅する。 物語終盤に露見する弥市と喜平次の「無垢の信頼心」があまりに熱く美しく清らかで、少々...
「剣は一流、されど暮らしぶりは不器用にて五流」と評される弥市と、武士から商人に転じ才覚を発揮する喜平次。藩の策略により国許を追われた幼馴染みの二人が、かつて共に思いを寄せた萩乃をめぐり、邂逅する。 物語終盤に露見する弥市と喜平次の「無垢の信頼心」があまりに熱く美しく清らかで、少々強引なストーリー展開もあまり気にならず読み通すことが出来た。 あと、無骨な弥市の意外な思弁性を引き出す大福餅こと弥生の存在は大きい。
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剣は一流だが道場は閑古鳥の鳴く貧乏侍・弥市と、幼馴染みで武士の身分を捨てて商家に婿入りした喜平次。二人は、彼らを裏切り国許から追放の憂き目に合わせた勘定奉行の娘で、初恋の女・萩乃の用心棒を引き受ける。16年ぶりに再会した萩乃の変わらない美しさに心乱されるなか、父・民部から夫への密書を携えた萩乃の身に危険が迫る。一方、国許では、かつて化け物と呼ばれた男が藩政に返り咲き、藩を二分する政争の余波が、二人にも及ぼうとしていた…… 弥市と喜平次ふたりで思いを寄せた初恋の女性・萩乃、部下を将棋の駒のように扱い、自分の出世のために切り捨て裏切った上役の娘を、16年後に用心棒として守ろうとするかなぁ……武家世界の忠義とは違い忘れたはずの初恋の女に翻弄される男二人、目の前の幸せから目を背けさせる、萩乃のふわふわした風見鶏のような言動が不愉快だった。タイトルの「おもかげ橋」最終場面で喜平次が惑う橋の上……おもかげは思うもの、追いかけてはいけない。 武家の世界、宿縁で結ばれた三人の男女の生き様・お家騒動を絡めてちょっぴりミステリー。貧乏侍・弥市の道場に押しかける?「大福餅」弥生に好感を持った、他の作品に登場する健気な女性。新聞連載の作品からか葉室さんらしさの無い作品。
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おもかげ橋はあの面影橋~貧乏道場主である草波弥市は同郷で飛脚屋の主人に収まった小池喜平次の訪問を受け,国許から夫を追ってやってきた萩乃を高田の寮に匿っているので用心棒をやるように依頼される。出擬古は三千石の旗本・笠井家に出掛けるだけで,支障はない。しかし,萩乃の父・猪口は二人が藩...
おもかげ橋はあの面影橋~貧乏道場主である草波弥市は同郷で飛脚屋の主人に収まった小池喜平次の訪問を受け,国許から夫を追ってやってきた萩乃を高田の寮に匿っているので用心棒をやるように依頼される。出擬古は三千石の旗本・笠井家に出掛けるだけで,支障はない。しかし,萩乃の父・猪口は二人が藩を放逐される裏切りを演じた元上司だ。肥前・蓮城寺藩には妾腹の左京亮が不正を働いており,これを糾弾しようとしたが,老中の安藤壱岐守を頼るために藩を出ようとした所を斬りつけ,他藩に預けとなったが,二人は致仕し江戸へ出たのだった。その左京亮が本藩に戻って権勢を取り戻そうとしている。萩乃の夫が江戸に来たが行方が知れなくなって妻が父の伝言を託したのだ。虚無僧姿の萩乃の夫・椎原亨は隠密に命を狙われていると北上軍兵衛は云うのだ。萩乃と会っている内に二人は昔の事を思い出す。亨が手傷を負って寮に現れ,弥市が出入りの旗本からの縁談で留守にしている隙を狙われた。飛脚屋の喜平次も問屋仲間が集まっている席で老中に賄を渡している大商人に痛めつけられる。危機を感じて駆けつけた弥市の手で撃退したが,一時実家に帰っていた萩乃を誘惑した中田も襲撃者に加わっていた。髷を切り飛ばされた中田は左京亮の槍に掛かって絶命し,左京亮は軍兵衛に不義の萩乃を成敗すると高田馬場に呼び出し,顔に傷を付けた弥市と喜平次も始末するつもりだ。猪口も江戸入り間近だと伝えられる~持てない冴えない無骨者が実は愛嬌があり腕も立ち,女人に人気があった・・・と,似たような中年男性には嬉しくなる話だね。しかも愛嬌たっぷりの女性が押しかけ女房になってくれるしネ
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武士とは命懸けで人を信じるもの――。 剣は一流だが貧乏侍の草場弥市と、幼馴染みで商家に婿入りした小池喜平次。二人は、彼らを裏切り国許から追放の憂き目に合わせた勘定奉行の娘で、初恋の女・萩乃の用心棒を引き受ける。 二度と戻れぬ故郷、忘れたはずの初恋の女、信じる友との絆……。
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ニッカン現代に連載したものの単行本化。 初出紙の読者を意識してか、葉室燐らしくない中年男 のなよなよした恋愛話。 藩内の権力抗争の一端をになって、政敵を追い落とす 一撃を加えたのに、藩を追われれ、江戸へ出て浪人の まま流行らない道場主となった弥市と、武士を捨てて 飛脚問屋の婿...
ニッカン現代に連載したものの単行本化。 初出紙の読者を意識してか、葉室燐らしくない中年男 のなよなよした恋愛話。 藩内の権力抗争の一端をになって、政敵を追い落とす 一撃を加えたのに、藩を追われれ、江戸へ出て浪人の まま流行らない道場主となった弥市と、武士を捨てて 飛脚問屋の婿になった喜平次は、かつての上司の娘で あこがれていた萩乃が、行方不明となった夫を探しに 江戸へ出て来たのを匿い、用心棒を努める。 二人は、それぞれに彼女の心を推し量り、互いを牽制 し、思いを募らせていくのだが、彼女は行方不明の夫 とは不仲で、喜平次にも弥市にも思わせぶりな言葉を かける。 しかし、彼女は「餌」だった。復権したかつての政敵 が、彼ら二人に復讐するために彼らをおびき出そうと する計略だった。(ちょっと無理があるが) 老中に取り入って、喜平次の商売の妨害を画策したり、 隠密を使って暗殺しようとしたり、大がかりに追い詰 め、最後は高田馬場で始末を付けようとするのだが。 葉室燐らしい骨太な武士の描写がないのが残念。
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藩の騒動に巻き込まれて致仕した2人。江戸で1人は商人となり、1人は道場をひらく。2人がひそかに心を寄せていた萩乃を守る役目をおおせつかる。 これまでの葉室作品とはひと味違う、ユーモラスでひょうひょうとしたストーリー展開。特に無骨な弥市が見合い相手の弥生に「大福餅が好き」と言うあた...
藩の騒動に巻き込まれて致仕した2人。江戸で1人は商人となり、1人は道場をひらく。2人がひそかに心を寄せていた萩乃を守る役目をおおせつかる。 これまでの葉室作品とはひと味違う、ユーモラスでひょうひょうとしたストーリー展開。特に無骨な弥市が見合い相手の弥生に「大福餅が好き」と言うあたり、楽しめた。
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「武士とは命懸けで人を信じるもの」。生きることのほろ苦さが詰まった時代小説。葉室麟としては珍しく軽やかな小説で、ある意味、らしくなく、多少ばらつき感もある。 16年前に国を追放され、剣は一流だが道場は閑古鳥の鳴く貧乏侍「弥市」、武士を捨て商家に婿入りした「喜平次」、彼らを裏切り国...
「武士とは命懸けで人を信じるもの」。生きることのほろ苦さが詰まった時代小説。葉室麟としては珍しく軽やかな小説で、ある意味、らしくなく、多少ばらつき感もある。 16年前に国を追放され、剣は一流だが道場は閑古鳥の鳴く貧乏侍「弥市」、武士を捨て商家に婿入りした「喜平次」、彼らを裏切り国を追放した勘定奉行の娘で初恋の女「萩乃」。忘れたはずの恋に決着を付ける物語。 今回の歌は「紅のはつ花ぞめの色深く思ひし心われ忘れめや」。 凛とした女性を描くのがうまい葉室麟にしては、萩乃の描き方が多少微妙だが、夫に二度死に別れ、弥一と見合いをする「弥生」に読者の好感がとってかわる。 「私はこのように太っておりますゆえ、見目麗しゅうはございませぬが、好きな女人と大切に思う友を救いに駆けつける殿方を好ましく思います。」という弥生がとてもよい。 葉室麟は「時代小説を読むことで一回傷つけられた日本人のDNAを再確認する」と言っているが、それはどうかは分からないが、時代小説を読むと心が落ち着くのは確か。
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