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近代秀歌 の商品レビュー

4.4

23件のお客様レビュー

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2024/06/13

100の短歌が素晴らしい。解説と鑑賞も歌の理解を深め、その文章からは短歌への愛情と理解の深さがひしひしと伝わる。

Posted byブクログ

2024/06/10

最初は解説が冗長だなと思いながら読み進んだが、膨大な文化的財産を後世に継承するための、現代の若者たちに向けての著者の熱きメッセージであると感じるに至った。 教養とは人間関係の基盤であり、その共有は喜びであり、何なら礼儀でさえあると説く。その継続こそが文化の継承であると。実に痛み入...

最初は解説が冗長だなと思いながら読み進んだが、膨大な文化的財産を後世に継承するための、現代の若者たちに向けての著者の熱きメッセージであると感じるに至った。 教養とは人間関係の基盤であり、その共有は喜びであり、何なら礼儀でさえあると説く。その継続こそが文化の継承であると。実に痛み入ります。

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2024/02/29

永田和宏さんの『現代秀歌』がとてもよかったので、こちらは私にはたぶん難しいのではないかと思いましたが拝読しました。 思ったほど難しさは感じられずとてもわかりやすい解説でした。 本書で著者の永田和宏さんは近代以降に作られた歌の中から100首を選んで解説と鑑賞をつけるという作業を行...

永田和宏さんの『現代秀歌』がとてもよかったので、こちらは私にはたぶん難しいのではないかと思いましたが拝読しました。 思ったほど難しさは感じられずとてもわかりやすい解説でした。 本書で著者の永田和宏さんは近代以降に作られた歌の中から100首を選んで解説と鑑賞をつけるという作業を行ったそうです。落合直文から土屋文明までの歌を取り上げたそうです。 第一章恋・愛 与謝野晶子、与謝野鉄幹、晶子の元恋人の河野鉄南、鉄幹と三角関係だった山川登美子などの関係がわかりました。 プロの歌人たちにとったアンケートで相聞歌の一番と二番は <木に花咲き君わが妻とならむ日の四月なかなか遠くもあるかな> 前田夕暮『収穫』 <君かへす朝の敷石さくさくと雪よ林檎の香のごとくふれ> 北原白秋『桐の花』 第二章青春 <不来方のお城の草に寝ころびて  空に吸はれし  十五の心> 石川啄木『一握の砂』 が、私も盛岡市に以前住んでいて岩手公園のこの石碑のあるところを何度も歩いたことがあり懐かしかったです。 近代歌人の中で最も愛唱歌の多い歌人は啄木だそうです。 そして愛唱性のある歌人で啄木と双璧をなすのが若山牧水。 第五章日常 <白玉の歯にしみとほる秋の夜の酒はしづかに飲むべかりけり> 若山牧水『路上』 第六章社会と文化 <はたらけど  はたらけど猶わが生活楽にならざり  ぢっと手を見る> 石川啄木『一握の砂』 第七章旅 <幾山河越えさり行かば寂しさの終てなむ国ぞ今日も旅ゆく> 若山牧水『海の声』 <ゆく秋の大和の国の薬師寺の塔の上なる一ひらの雲>  佐佐木信綱『新月』 第九章孤の思い <白鳥は哀しからずや空の青海のあをにも染まずただよふ> 若山牧水『海の声』 第十章死 <のど赤き玄鳥ふたつ屋りにゐて足乳根の母は死にたまふなり> 斎藤茂吉『赤光』 愛唱歌の多いという啄木と牧水ばかり取り上げてしまったような感がありますが、近いうちに啄木と牧水の歌集を読んでみたいと思っています。

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2024/02/03

"歌における自然詠とは、決して自然そのものを写すことではなく、自らの心のありようを、自然の中に映すことでもある"

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2024/02/02

前田夕暮 木に花咲き君が我が妻とならむ日の四月なかなか遠くもあるかな 北原白秋 君かへす朝の敷石さくさくと雪よ林檎の香のごとくふれ 石川啄木 友がみなわれより偉く見ゆる日よ花を買ひ来て妻としたしむ 窪田空穂 老いふたり互いに空気となり合ひて有るには忘れ無きを思はず

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2020/10/10

日本人として是だけは、知っておいてほしいという歌ばかり。という前触れに遜色ない。 共通の知の前提として、そこから対話を楽しむために。テレビのお笑いや芸能、スポーツでは、会話。意見を聞いて自分の意見を述べて、展開するのが必要だろう。 対話できなくても生きていけるが、パンのみにいくる...

日本人として是だけは、知っておいてほしいという歌ばかり。という前触れに遜色ない。 共通の知の前提として、そこから対話を楽しむために。テレビのお笑いや芸能、スポーツでは、会話。意見を聞いて自分の意見を述べて、展開するのが必要だろう。 対話できなくても生きていけるが、パンのみにいくるにあらず。

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2020/05/06

近代の秀歌を百首選んで、歌の解釈とそれに関わるいろいろな著者の考えや参考歌が書いてあり、懇切丁寧である。人口に膾炙した歌も漏れなく選んであって遺漏はない。歌人の写真が載っていて、ほほうこういう面構えだったんだねと分かって面白い。読み終わって堪能した。同じ著者の「現代秀歌」も読んで...

近代の秀歌を百首選んで、歌の解釈とそれに関わるいろいろな著者の考えや参考歌が書いてあり、懇切丁寧である。人口に膾炙した歌も漏れなく選んであって遺漏はない。歌人の写真が載っていて、ほほうこういう面構えだったんだねと分かって面白い。読み終わって堪能した。同じ著者の「現代秀歌」も読んでみたい。でも、近代の歌ほど分かりやすくはないだろうな。永田氏の解説に期待しよう。永田氏は、河野裕子氏(故人)の旦那さんである。彼女の「たっぷりと真水を抱きてしづもれる昏き器を近江と言えり」はいい歌だ。

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2019/03/31

日本人ならこれだけは知っておいてほしい百首を選んだ、という著者の挑戦的な本。短歌もさることながら、はしばしにある著者の歌論にも感銘を受けた。「私たちが花を美しいと思うのは、花を読んだ名歌を知っているからだ」「写生とは、目にした事象の中からただ一点を除いて消し去る作業だ」などである...

日本人ならこれだけは知っておいてほしい百首を選んだ、という著者の挑戦的な本。短歌もさることながら、はしばしにある著者の歌論にも感銘を受けた。「私たちが花を美しいと思うのは、花を読んだ名歌を知っているからだ」「写生とは、目にした事象の中からただ一点を除いて消し去る作業だ」などである。

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2017/05/03

話題になっている(?)ということで、読んでみました。 最近,和歌に興味があって、西行とか、新古今和歌集とか、そういう中世の日本のものを読んでいて、そ の繊細さ、洗練に文化としての完成度というか、爛熟度というかに圧倒されているところ。 というセンスでいるところで、この本を読むと...

話題になっている(?)ということで、読んでみました。 最近,和歌に興味があって、西行とか、新古今和歌集とか、そういう中世の日本のものを読んでいて、そ の繊細さ、洗練に文化としての完成度というか、爛熟度というかに圧倒されているところ。 というセンスでいるところで、この本を読むと、なんか、すごく重いというか、が〜んと直球で勝負されて、圧倒されたというか。 ここには、まさに近代人がいて、考えていることが、かなりリアルに想像できるところで、彼らが、人生と正面から戦っている感じですね。 彼らの感性との連続性が強く感じられる一方、人生の条件というものが今と比べるととてもきびしいのに驚く。100年まえはこんな感じだったのか?病気で早死にする人、子どもをなくす人、戦争で死ぬ人などなど、死がいつも身の回りにある感じ。そういうなかで、自分が生きること、愛することを求めつづける人たち。真摯であるがゆえに、世間と対立し、孤立し、困窮する人、などなど。 いや〜、本気で生きるのって、こんなことだったんだね。

Posted byブクログ

2015/03/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

20150216-0304. 教科書に出ている有名な短歌から、名前は知っている程度だった歌人の歌まで掲載。まえがきとあとがきから、著者の”教養”に対する思いが伝わってくる。

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