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笑うハーレキン の商品レビュー

3.5

136件のお客様レビュー

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2013/01/14

(107) 消せない過去、消せない自分の軌跡とどう向き合うか、 生きていく上での課題です。 時には蓋をし、時には何かに置き換え、そうやっていかないと現実に耐えられない。 いつだって笑っていたい。そのための自分を守るために築き上げるものが誰にだってあると思う。 人は誰だって孤独や...

(107) 消せない過去、消せない自分の軌跡とどう向き合うか、 生きていく上での課題です。 時には蓋をし、時には何かに置き換え、そうやっていかないと現実に耐えられない。 いつだって笑っていたい。そのための自分を守るために築き上げるものが誰にだってあると思う。 人は誰だって孤独や闇、例えようのない感情を抱えている。 道尾氏の作品は毎回楽しませていただいていて、 時には温かく、時には晴れやかで、時にはしこりが残る。 今回はどんな気持ちを与えてくれるのだろう?と読み進めましたが、涙ぐんだのは初めてかもしれません。 だけど、これからの人生を今までよりも前向きに、澄んだ心で歩いていきたいと思える。 そんな作品でした。

Posted byブクログ

2013/01/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

道尾秀介の新刊で、読売新聞夕刊に連載されていたモノ。 連載時から評判は良く、単行本で読むのを楽しみにしていた作品だったのだけど・・・。 全てを失ってホームレスになった男と、その周囲の人間たちの物語。 文章は非常に軽快、道尾秀介らしい表現も多く、本来ならば凄く読みやすい作品な筈。 ただこの作品に関しては、取り扱っている世界があまりにリアル過ぎて、読むのが辛い。 自分がいつ、主人公と同じ目に遭うか・・・。そして、この主人公のような若干希望のある世界に 辿り着けるのか・・・。とか考えると、もう非常に萎えてしまう。 そういう心持ちを除いて考えても、少し展開が弱い感じ否めず。 大事件に発展しそうな魅力的な伏線が多々あるのだが、その拾い方がちょっと勿体ない気が。 佳作であることは間違い無いが、そのあたりがもっとドラマチックになっていれば尚良かった。 だがやっぱり素材が厳しいなぁ(^^;)・・・。 頑張ろう、いろいろ。

Posted byブクログ

2013/01/13

主人公がホームレスの家具職人という設定だけでも興味をそそられる。さらに、ホームレス仲間たち、突然弟子入りしたいと転がり込む女の子など、キャラクターが魅力的でよく描かれている。 彼らが目を背けてきた過去ときちんと向き合って前に進むお話、というと単純すぎるけれど、その過程を道尾さん...

主人公がホームレスの家具職人という設定だけでも興味をそそられる。さらに、ホームレス仲間たち、突然弟子入りしたいと転がり込む女の子など、キャラクターが魅力的でよく描かれている。 彼らが目を背けてきた過去ときちんと向き合って前に進むお話、というと単純すぎるけれど、その過程を道尾さんが書くと、驚きと悲しみと希望を往き来するエンターテイメントです。映画でも観てみたい!

Posted byブクログ

2013/01/09

無くしてしまうまでは、その大切さに気づかない、気づけない。それが人間の性なのか。それでも、どん底から這い上がり、光を見出すこともできる強さも持ち合わせている。哀しみを仮面で隠し、笑い、そして、それでも前へと進もうとするのだ。人生棄てたものじゃない、そう思わせてくれる小説でした。

Posted byブクログ

2013/01/09

道尾さんの小説って、「擬似家族」がテーマになることが多いと思う。 この『ハーレキン』も同じ場所でそれぞれ「孤独」の中でも「孤立」せずに一緒に暮らす仲間(家族)の物語で。 人として最低限のつつましい暮らしをしている彼らが、それでもお互いのことを尊重しあい思いあう姿に、人として忘れて...

道尾さんの小説って、「擬似家族」がテーマになることが多いと思う。 この『ハーレキン』も同じ場所でそれぞれ「孤独」の中でも「孤立」せずに一緒に暮らす仲間(家族)の物語で。 人として最低限のつつましい暮らしをしている彼らが、それでもお互いのことを尊重しあい思いあう姿に、人として忘れてはならない大切なものを見た気がする。 1人では乗り越えられない大きなものを抱えて、あえて下を向いて生きているとき、そばに誰かがいてくれたら。その同じように下を向いて生きている誰かが、何かを変えるため少し顔を上げようとしていたとしたら。 あきらめていた「光」に向かって、もう一度、新たな一歩を踏み出す決心がつくかもしれない。 寂しさと悲しさを隠すために笑顔を貼り付けているたくさんの人に、素顔で生きていく強さを、この小説は教えてくれる

Posted byブクログ

2012/12/18

タイトルの意味が種明かしされたあたりからクライマックスまでのスピード感は道尾作品の中でもトップクラスだと思います!素直に面白い。

Posted byブクログ