ニグロと疲れないでセックスする方法 の商品レビュー
タイトルに惹きつけられて手に取り、読み出した本。 中身はまあ読んでください。 なんというか、気怠いBluesのような本。 新刊本として手にとったけど、カナダ他の国では1985年に出版され、作者は相当な有名人みたい。 この本も映画化され、書名とはぜんぜん違う邦題で日本でも公開されて...
タイトルに惹きつけられて手に取り、読み出した本。 中身はまあ読んでください。 なんというか、気怠いBluesのような本。 新刊本として手にとったけど、カナダ他の国では1985年に出版され、作者は相当な有名人みたい。 この本も映画化され、書名とはぜんぜん違う邦題で日本でも公開されてる。
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ハイチからカナダに亡命した作家の自伝的小説。 モントリオールの狭い小汚い部屋で、ひたすらジャズを聴いて本を読んでセックスして思索しているだけの話。 このタイトルだけどポルノじゃない。ポルノなら他にいくらでもあるからそっちへ行け、と書いてある。 ダラダラしてるだけなのに、面白い。 ...
ハイチからカナダに亡命した作家の自伝的小説。 モントリオールの狭い小汚い部屋で、ひたすらジャズを聴いて本を読んでセックスして思索しているだけの話。 このタイトルだけどポルノじゃない。ポルノなら他にいくらでもあるからそっちへ行け、と書いてある。 ダラダラしてるだけなのに、面白い。 気候の違う場所から奪ってきたペンギンを真夏にお散歩させてみせびらかすような、白人女とニグロの悪趣味な関係。 白人女はニグロなんかと付き合える自分に酔っているのだと、主人公は気づいている。 だけどニグロの目に写る女の子は「薔薇色の頬の金髪娘」でしかない。 どちらも属性だけを見ている。互いに貶めて等価。 王様(白人男)と奴隷(黒人女)がいないから、この関係のバランスが成立する。 見方がたいら。平板とは違う。 立場も感情も明確だけど、そう感じる自分を冷静に見ているような書き方。 自意識のサイズが身の丈にぴったりあってる。 縮こまってはいない。過不足なく理解している。 誰が上で誰が下でって話をずっとしているけど、本当にその価値観を信じ込んでるわけじゃない。 『一冊で知るポルノ』のなかにあったアメリカ南部で売れるAV(黒人にやられる白人女という背徳感を楽しむ白人男向け)とやってることは同じだけど、気持悪くないのは、やっぱりたいらだからだ。 読んで思うことはいろいろあったんだけど、この本の書評は難しい。 26章の妄想インタビューが完璧な批評過ぎてもうこれ以上なにも言えない。 冷めてるとか斜に構えてるとか本気じゃないとか、そういうのとは違うんだけど、自分を含めたすべてを見る目がこなれてる。 (「客観的」っていうのが近いけど、それもなんか違う気がする) ジャズもセックスも出てくる文化も、私の興味関心からはだいぶ外れているし理解もできてない。 それでもこの人のかく言葉と世界は好きだ。 評価は星4か5か迷う。
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