国の死に方 の商品レビュー
これが2013年の「この国のかたち」なんだろうと思う。 今思えば大げさだが、大震災の津波の映像や原発爆発の映像をリアルタイムで見たとき、身近な社会に対して感じる自分の中の常識が吹き飛んだように感じた。 放射能を含めた震災に関するマスコミ報道やネット上の誤報やデマで社会の混沌を感じ...
これが2013年の「この国のかたち」なんだろうと思う。 今思えば大げさだが、大震災の津波の映像や原発爆発の映像をリアルタイムで見たとき、身近な社会に対して感じる自分の中の常識が吹き飛んだように感じた。 放射能を含めた震災に関するマスコミ報道やネット上の誤報やデマで社会の混沌を感じた。 身近な社会に対する不安は、それを取り巻くコミュニティーに対して同心円状に広がって行き、 最終的には国家というシステムそのものに対する不安になる。 そんなことを思い出しながら読んだ。 ゴジラのところは読み飛ばしたけど、 戦前日本の組織論的なところは未完のファシズムを読んでいたので大変素直に読むことができた。
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歴史を知ることで、色んなことが腑に落ちた。 韓国でお米を食べても日本と同じ味がするのは1920年からの「朝鮮産米増殖十五か年計画」のお陰かと思う。 しかし、裏ではたくさんの血が流されており、現代において最低限ご飯が美味しく食べられていることはとっても幸せなことだ。 冒頭から『...
歴史を知ることで、色んなことが腑に落ちた。 韓国でお米を食べても日本と同じ味がするのは1920年からの「朝鮮産米増殖十五か年計画」のお陰かと思う。 しかし、裏ではたくさんの血が流されており、現代において最低限ご飯が美味しく食べられていることはとっても幸せなことだ。 冒頭から『ゴジラ』と東日本大震災〜原発問題を絡めて論じているのにもなるほどと思わされたし、 そんな前から予告されていたのに、この国では何も学んでいなかったのか……とがっくりきた。 また繰り返すか、今度こそ挽回するのか。 自分を含めた日本の人たちのこれからを見守っていきたいと思う。 バックミュージックは伊福部昭の曲で。 科学研究に携わっていた時に被曝し、戦後は 「科学よりも芸術に、産業よりも文化に、文明生活の追求よりも土俗的なものの復権に」と『ゴジラ』にもメッセージわ込めたようだ。
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大日本帝国、ナチス、ソ連の死に方、日本が死にかけた関東大震災、大恐慌とゴジラに象徴される現代をエッセイ形式で描いている。「未完のファシスト」と同様な意外な材料により説かれており何れの章も興味深かった。特に、昭和初期の東北農村の疲弊が、朝鮮産の米の導入によるとの話は、初めて聞いた。
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政治思想史が専門である筆者は、武家政権における執権、明治政府の元老、ヒトラー、ソビエト指導部などの例を引きながら政治権力の源泉について読者に考えさせる。 そして、豊富なエピソードをもとに、大正時代以降の権力が分断されてリーダーシップを発揮出来ない政府、普通選挙がもたらしたポピュリ...
政治思想史が専門である筆者は、武家政権における執権、明治政府の元老、ヒトラー、ソビエト指導部などの例を引きながら政治権力の源泉について読者に考えさせる。 そして、豊富なエピソードをもとに、大正時代以降の権力が分断されてリーダーシップを発揮出来ない政府、普通選挙がもたらしたポピュリズム、関東大震災や米騒動、戦争でやり場のない大衆の怒りと諦観を浮き彫りにし、これらの事象、構造は平成の今とまさに繋がっているとリアルに感じさせるのだ。 この国はまた死ぬのではないかと3.11を契機に書かれたこの本の読後感は重厚な交響曲を聴いた後のように重い。
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ナチス、ソ連、大日本帝国、近代日本をひとつひとつ挙げていき、国が滅んでいく原因・過程と、それを防ごうとした(あるいはしなかった)指導者の思考・行動をとても分かりやすく描いている。大変面白い。
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