デフレ化するセックス の商品レビュー
2005~6年頃からカラダを売る女性たちの人種が変わり、2008年からは一般女性ばかりに。女子大生、学費と生活費の捻出にはカラダを売るしかない。性風俗は女性たちの副業として一般化。求人サイト、メール一本でコンタクトできる。2010年代、AV女優はセックス市場の中で人気職種だがほん...
2005~6年頃からカラダを売る女性たちの人種が変わり、2008年からは一般女性ばかりに。女子大生、学費と生活費の捻出にはカラダを売るしかない。性風俗は女性たちの副業として一般化。求人サイト、メール一本でコンタクトできる。2010年代、AV女優はセックス市場の中で人気職種だがほんの一握り、応募女性の7割は不採用。女性の大量流入は継続しセックス価格は下落の一途。草食化男性は女性の裸にお金を使わず、一方、女性の性へのライト感覚化は顕著に。一人暮らしの女性の貧困、大きな問題です。非正規雇用、何とかならないものか
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風俗関連の雑誌ライターによる、風俗業に携わる女性について記した本。AV女優やソープ、デリヘル、イメクラ、ピンサロなどで働く女性、また個人売春をする女性について、多くのインタビューを基に調査結果をまとめている。著者は、1998年から同種の調査をしており、時代の変化を克明に記録してい...
風俗関連の雑誌ライターによる、風俗業に携わる女性について記した本。AV女優やソープ、デリヘル、イメクラ、ピンサロなどで働く女性、また個人売春をする女性について、多くのインタビューを基に調査結果をまとめている。著者は、1998年から同種の調査をしており、時代の変化を克明に記録している。客観的なデータは少ないものの、調査の難しい裏の分野について、その一面がよく理解できた。 「私の感覚だと慶応でさえ、在学中の地方出身の女の子の7、8人に1人は確実に風俗をしていると思う。外見的な能力も必要だから、それなりにかわいい子に限定すれば3人に1人くらいかもしれない。地方から勉強しに来ている子は本当にお金がかかるから、真面目に勉強したい、将来はちゃんと就職したいって子ほど風俗を選択する」p26 「風俗をやっている女の子ほど本気で(就職)活動する。このときのために頑張ってお金を貯めてきたって。吉原の店には早稲田、明治、青山学院の同じ年の友達がいて、みんな良いところに就職しましたね。自宅から通っている学生と比べると、風俗やってる子の方がバイタリティーがある。親に頼ってないし、実家に帰れない、後に引けないって追い詰められた環境なので、本気で決めたいって思うんです。意識が違います。風俗やってる子の方が普通に優れている、これは事実じゃないですか。だから就職の結果もいい」p29 「(AV女優)シビアな競争がされているので顔は可愛い、もしくは美人でさらにバストがCカップ以上と外見的なスペックが求められる上、社会性の薄いだらしない女性や仕事を甘く考えているモラトリアム層は排除される」p81 「各種風俗採用の難易度(偏差値): 80 単体AV女優(給与 1本40~100万円) 72 企画単体AV女優(給与 1本12~25万円) 69 高級デリバリーヘルス(給与 60分1万8000円以上) 66 高級ソープランド(給与120分2万5000円以上) 62 イメクラ(給与 60分1万円以上) 61 企画AV女優(給与 日当3~5万円以上) 59 都市部デリヘル人気店(給与 60分9000円以上) 55 大衆ソープランド(給与 60分1万円、120分2万円程度) 53 ファッションヘルス(給与 30分4000円、40分6000円程度) 52 都市部人気ピンクサロン(給与 時給2500円~3000円) 51 地方都市デリヘル(給与 60分7000円程度) 50 地方都市ヘルス(給与 40分5000円程度) 49 地方都市ピンサロ(給与 時給2000円~2500円)」p101 「セックス市場関係者が口をそろえて言うのは「病んでいる女性はダメ」ということ。繰り返しお客さんに来てもらわないと経営が成り立たないリピート型サービス業だからである。風俗は身体のすべてを使う究極のサービス業であり、精神的肉体的に健康状態にない人にはまったく向いてない。よほどのスペックがあっても断るのが普通である。対人関係で問題を起こす、自分本位の接客で客を怒らせたり、店側に空気を読まずに理不尽な要求をしてきたり、スタッフの目を引くために自傷行為、自殺騒動を起こしたりと、なにかしらトラブルが勃発する」p116 「風俗店は運営スタッフを5年もやっていればあらゆるトラブルを経験しているため、採用は当然、採用後も女性たちに目を光らせて危機管理をしている」p117 「面接ではまずリストカット、注射痕、刺青を見ますね。1つでも確認した段階で断ります」p117 「①精神疾患、人格障害のある女性、②容姿、スタイルが平均より劣っている女性、③決まった日に数時間働くことができない、時間に融通が利かない女性。この3つのどれかに該当する女性は風俗店勤務をあきらめて、個人売春に流れざるを得ない」p131 「採用偏差値66となった月収170万円を超える高級ソープになると容姿的スペックは当然のことで、腹をくくって仕事に取り組んで技術を磨く姿勢が必要となる。プロフェッショナルな仕事が求められ、気軽に稼ごうという意識では到底つとまらない。性格は真面目で素直、勤勉でないと無理という条件の厳しい仕事である」p210 「AV女優の仕事は育ちや学歴は関係ないと思われがちだが、高学歴、高偏差値で育ちがいい女性ほど人気を集めやすく、“稼ぐ”という結果を残している。お金に困っていない女性にお金が集まっているのだ」p215
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一種裏稼業のミクロ経済学的解説書な側面もある。貧困と精神不安定とが複雑に交錯している様子はよく分かった。
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身体をゼニに変える最終奥義も現代では大金にならない無常さ。全盛期に6000万円稼いだ話とかは脱帽する。 出会い系での女性の売春料金の詳細もあり調査の苦労が伺える。
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読みやすい本です。おもしろかったです。人生を真面目に考えず、道を踏み外すと大変なことになります。誤字脱字はありませんでした。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
○ノンフィクション作家、ライターである、中村淳彦氏の著作。 ○風俗関係のフィールドワークを経て得た情報や経験を元に、最底辺産業と思われがちな「風俗産業」の実態に迫る作品。 ○数々のインタビューにより、具体的な情報が豊富で、著者の考察ともども、大変興味深い。 ○自分の生活の近くに、こんな世界が広がっているということに初めて気がつくとともに、自分もいつまでも無関心でいられる訳ではないということを感じた。
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当たり前のことだが性業界は現実の社会を色濃く反映する。 貧困、バブルの後処理など。 風俗やAVにいく人は一昔前みたいに貧困や家庭問題を抱えた人だけではなく、一選択しとして選ばれている。 その反面、この業界にもスペック、偏差値という判断基準が用いられ、最初から勝負がついた上で...
当たり前のことだが性業界は現実の社会を色濃く反映する。 貧困、バブルの後処理など。 風俗やAVにいく人は一昔前みたいに貧困や家庭問題を抱えた人だけではなく、一選択しとして選ばれている。 その反面、この業界にもスペック、偏差値という判断基準が用いられ、最初から勝負がついた上で始めなければいけない息苦しさはある。 世の中は金だけじゃないという人は信じられないが、ここに出てる様な人は修羅場はというか現実を見てるから軽はずみに言葉を発しない。 そんな言葉の重みを知ってる人が増えればいいな。
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本書の根底にあるものは昨今また顕在化してきた『女性の貧困』というテーマであり、『経済のグローバル化』により、更に「持つもの」と「持たざるもの」の差が国や個人にも明白に出てきたからではないでしょうか? 衝撃的な書でした。柳井正氏の本と同時進行で読んでいた同じテーマを持つ本の1つで...
本書の根底にあるものは昨今また顕在化してきた『女性の貧困』というテーマであり、『経済のグローバル化』により、更に「持つもの」と「持たざるもの」の差が国や個人にも明白に出てきたからではないでしょうか? 衝撃的な書でした。柳井正氏の本と同時進行で読んでいた同じテーマを持つ本の1つで、資本主義社会においては、交換によって価値が生まれ、数値化できるものは換金できるということが如実にわかったような気がして、それが本来そういった尺度で測るべきところではないところにまで侵入しているような思いを読後にして、憂鬱な気分で1日をすごしたことを覚えております。きっと、『経済のグローバル化』とここで提示されている問題はどこかで『地続き』なのでしょう。 ここで紹介されている『事実』は一人暮らしする独身女性の3人に1人が貧困状態(年間の可処分所得112万円以下)にある現代の日本において、「性風俗」や「援助交際」いわゆる「春を鬻ぐ」ということは、非正規雇用で低収入のまま働く女性たちの「副業」として一般化している。ということでした。僕はこの問題について、名前は伏せますがとある作家と激論を交わしたことがありまして、『こちら側』と『あちら側』を隔てるものがかつてないくらいに『あいまい』になっていることを話し、結論は出なかったのですが、本書を読んで役に立ったことのひとつといえば、ひとつだったのかもしれません。 最初に紹介されてある某一流大学を卒業して有名企業に勤めている女性が大学時代に高級風俗店で働いていたときの体験談でまず度肝を抜かれ、昨今では『売り手市場』から『買い手市場』へと変化し、女性の著しい供給過多により、風俗店では応募女性の7割が不採用となる話。僕も最近、レンタルビデオ店のアダルトコーナーに行ってDVDをとると、彼女たちのクオリティの高さに驚くことがあり、しかし、その裏には「ルックスもよくてスタイルもよく、さらには知性や教養、もしくはそれに類する難関資格を持った女性じゃ売れない」という露骨なまでの現実でした。若さだけが武器という20~30代女性の半分は「最後の武器」ともいえる体を売っても得られる対価は1万円以下というとんでもない世界が水面下で進行しているということを知って、ただただ、愕然とする想いでありました。 かつては腹をくくってカラダを売る道を選んでも、それなりに(一時的にせよ)それなりの退化があったものですが、現在では安く買い叩かれ、もしくは買い手がつかず、貧困から抜け出せない現実がある。ということを本書は是が非にでも突きつけてくるのです。「女性の貧困」というのは男性の貧困と比べて顕在化しにくく、現在でも『なかったこと』にされている節がありましたが、これを読んでいると、そういったことはいえなくなったんだなとつくづく思ってしまいました。 僕は聖人君子ではないのでいつかまた『彼女たち』に『お世話』になる可能性ももしかしたら『ありうる』のであまり大上段からの発言は差し控えたいところではありますが、彼女たちを取り巻く『環境』そのものが激変したことはいうまでもなく、かつて、『一線』を越えることがかなりの障壁だった時代に比べ、軽い『ノリ』で簡単に『あちら側』にいってしまう…。その『事象』の裏にはいったい何があるのだろうかとこの記事を書きながらそんなことを考え続けております…。
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よく調査されていると思う。 私も短い社会人時代の中で何名か風俗に墜ちていった(本書に登場する女性のように決して能動的ではなく)女性を見てきた。 その人たちは本書で関連付けられる“貧困”が起因してではなかった。あくまで昔タイプの“飛んでる”女性たちだった。色々思い出した本だった。
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