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艶笑滑稽譚 明日なき恋の一夜 他(第二輯) の商品レビュー

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2013/11/03

450頁程度の中に、序跋除いて十篇収録だけど、第九話め『淫夢魔裁判録』だけで約100頁。これがなかなか楽しく読ませる構成。ただし内容が解ってくるにしたがって苦さに笑えなくなる。まったく人の世に、神も仏もねぇッ! 第一輯の最初の頃は、訳の読みにくさ(ただし、意図がある訳なので致し方...

450頁程度の中に、序跋除いて十篇収録だけど、第九話め『淫夢魔裁判録』だけで約100頁。これがなかなか楽しく読ませる構成。ただし内容が解ってくるにしたがって苦さに笑えなくなる。まったく人の世に、神も仏もねぇッ! 第一輯の最初の頃は、訳の読みにくさ(ただし、意図がある訳なので致し方ないが)・不必要なまでのルビの多さと格闘していたけれども、いつの間にか慣れたのか、普通に読んでる自分にふと気がついたり。

Posted byブクログ

2013/01/22

R17指定岩波ワンダーポルノ文庫 パート2に入ってバルザック選手のエロ噺のおもしろさといかがわしさはますます快調なり。 第八話の「ムードンの司祭の最後のお説教」もかのフランソワ・ラブレー師に仮託した文豪の筆が異常なまでに冴えわたり、当時の権力者たちを徹底的にパロった皮肉な諷刺...

R17指定岩波ワンダーポルノ文庫 パート2に入ってバルザック選手のエロ噺のおもしろさといかがわしさはますます快調なり。 第八話の「ムードンの司祭の最後のお説教」もかのフランソワ・ラブレー師に仮託した文豪の筆が異常なまでに冴えわたり、当時の権力者たちを徹底的にパロった皮肉な諷刺が見事であるが、もっと凄まじいのは第九話の魔女裁判の顛末じゃ。 ムーア人の超絶的美女が次々にお固いカトリック司祭や王侯貴族たちを色香をおとりに血迷わせて陥落させ、もうもう天国も極楽もどうでもよい、お前様とまぐわうことさへ出来れば地獄の底までついていく、ああ、いくいく、いくう、と、それこそ神も仏もない邪教淫魔伏魔殿の酒池肉林濡れ蒸れ肉布団の狂乱アモラル疾風怒濤の人間本質暴露の原風景が繰り広げられていく。 そこでは「すべての者がありとある悦びの叫び声を発しあいながら、お互いに一体化し、楔の如くしっかり嵌まりあいつつ、重なり合う」のみならず、「あらゆる女の天体と男の天体が身を交え、そこから流れ出す精液の星の群れも垣間見えている」そうな。 どうだ、参ったか。とバルザックが言うた言わなかったかは、誰も知らないけれど、どうしてローマ教会が発禁処分にしなかったのか分からないR17指定岩波ワンダーポルノ文庫であります。 ああいくいくいくうこれがいちばんいいのよなぞとおめきつつ昇天したり 蝶人

Posted byブクログ