ヒトラーの秘密図書館 の商品レビュー
ユダヤ人絶滅計画の原点は、アメリカ人科学者の書にあった。人種偏見の少ない家庭に育った彼は、いかにして「導かれ」ていったのか?戦争に明け暮れた総統が、ドイツ軍参謀たちよりも頼りにしていた書とは?米議会図書館ほか世界中に散らばり遺された一三〇〇冊に及ぶ蔵書から人間ヒトラーを炙り出す。...
ユダヤ人絶滅計画の原点は、アメリカ人科学者の書にあった。人種偏見の少ない家庭に育った彼は、いかにして「導かれ」ていったのか?戦争に明け暮れた総統が、ドイツ軍参謀たちよりも頼りにしていた書とは?米議会図書館ほか世界中に散らばり遺された一三〇〇冊に及ぶ蔵書から人間ヒトラーを炙り出す。 目次 1 芸術家の夢の名残―マックス・オスボルン『ベルリン』 2 反ユダヤ思想との邂逅―ディートリヒ・エッカート『戯曲ペール・ギュント』 3 封印された『我が闘争』第三巻―アドルフ・ヒトラー『我が闘争』第三巻 4 ユダヤ人絶滅計画の原点―マディソン・グラント『偉大な人種の消滅』 5 総統の座右の思想書―ポール・ド・ラガルド『ドイツ論』 6 ヴァチカンのナチス分断工作の書―アロイス・フーダル『国家社会主義の基礎』 7 オカルト本にのめりこむ―マクシミリアン・リーデル『世界の法則』 8 参謀は、将軍よりも軍事年鑑―フーゴ・ロクス『シュリーフェン』 9 老冒険家との親密な交友―スヴェン・ヘディン『大陸の戦争におけるアメリカ』 10 奇跡は起きなかった―トマス・カーライル『フリードリヒ大王』
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アメリカ議会図書館など世界中に散らばり遺された1300冊近くあるヒトラーの蔵書を通して、ヒトラーの人物像に迫った本。 第一次世界大戦で伝令兵を務めた頃から最期の時まで、ヒトラーがどのように「導かれていった」のかを、ヒトラーの読書歴を中心に読み解いています。 人は読んできた本で...
アメリカ議会図書館など世界中に散らばり遺された1300冊近くあるヒトラーの蔵書を通して、ヒトラーの人物像に迫った本。 第一次世界大戦で伝令兵を務めた頃から最期の時まで、ヒトラーがどのように「導かれていった」のかを、ヒトラーの読書歴を中心に読み解いています。 人は読んできた本で形作られることを、ヒトラーの人生を通して理解できます。
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ヒトラーの読んでいた(持っていた)本の本という題材が面白かった。教科書的なヒトラーしか知らなかったが、当初はアメリカを礼賛していた事や、キリスト教徒と対立していた事など知らなかったヒトラーの側面や、オカルト的な物に走り、そしてそれを信じなくなった過程で自死した事などが興味深かった。
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ヒトラーの本というと、極端な讃美か極端な批判(憎悪を込めた)が多いイメージがあって、2冊くらいしか持ってない。 そのうちの一冊がこれ。 ヒトラーの読書に焦点を当てているので、賛美もなければ批判もない(若干あるか) たくさんの本を読んでいるんだけれど、自分が求めている本をたくさんの本の中から選んでいるだけで、そのほかの情報を生かしていない印象があった。 文中にもあるのだけれど、どんな分野も総合的に体系化したような蔵書がないというところが、地味に自分にも跳ね返ってきて、反省。 好きな本や、参考にしたい分野の本を読むことはいいことだけれど、自分の意見とは違う情報を目にした時、それをどう自分の血肉にするが、その技術はきっと読書だけでは培われないのだろう…。
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蔵書数1万6千冊。私ではない。かのアドルフ・ヒトラーである。 その蔵書の一部がアメリカ議会図書館の片隅に眠っていた。 著者は保管されていたヒトラーの蔵書と、ページの所々に 残された書き込み、手紙や記録などを照合しながら、歴史 に名を留める独裁者が如何にして誕生したかを追っている...
蔵書数1万6千冊。私ではない。かのアドルフ・ヒトラーである。 その蔵書の一部がアメリカ議会図書館の片隅に眠っていた。 著者は保管されていたヒトラーの蔵書と、ページの所々に 残された書き込み、手紙や記録などを照合しながら、歴史 に名を留める独裁者が如何にして誕生したかを追っている。 1万6千冊と聞いてびっくりしたのだが、どうやらヒトラーも 全部読んだ訳ではないらしい。読むより積読本の方が多い だなんて、自分のことを言われているようで耳が痛いよ。 「若いころ、私には十分な教育を受けるために必要な資金も 機会もありませんでした。だから毎晩本を1冊ないし、2冊 読みました。ベッドに入るのがひどく遅くなった晩もそうでした」 無学だったことへの学歴コンプレックスがヒトラーを読書へと 向かわせた。そうして、本に書いてあることに感化されやすい 性質が後の独裁者としてのヒトラーを誕生させた。 これが独学を続けることの怖さなのか。軍事関連本から得た 知識を武器に、自分は将校たちよりも優れた才能を持ってい ると勘違いしちゃうんだよな。 本から得ることの大きさは否定しない。学ぶことも多い。だが、 それだけを信じることに危うさってあるな。 尚、知識欲に燃える若きヒトラーも晩年はオカルト本に嵌って いくのが少々哀しい。 読書遍歴からヒトラー像を読み解くという本書の試みは面白い。 ヒトラーに限らず、読書好きなら他人の本棚に興味があるもの だものね。
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2012(底本2010)年刊。◆「その本棚を見れば、その為人が判る」。よく耳にする格言だが、本書はその意味で面白い。これほど食指の動かされない書ばかり読んでいるのは兎も角、サイエンス本は「優生学」関連本以外皆無。軍事「戦術」本への偏頗に加え、傾倒したオカルト本からポーランド侵攻を決定。部下の直言を無視し仏戦線での部隊の戦術展開を自らの読破歴ある「書籍」をもとに強要。◆サイエンス本や反対派の関連書の未読が、人の判断能力を如何ほど減殺するか。本書からでも良く判りそう(勿論、思索を鍛える哲学書もほぼ皆無)。 本書はヒトラー蔵書やそれへの書き込みから彼の人物像を時代毎に分け解説。もっとも、ユダヤ虐殺・インテリへのルサンチマンを除き、本書からは独ソ不可侵条約締結、独ソ開戦など重要な岐路におけるヒトラーの決断の在り様とその経緯、読破書籍による影響は明確には見えてこない。ただこの切り口は面白いので、他の政治家(子ブッシュ、オバマ、鄧小平や周恩来、安倍晋三他国内歴代総理、スターリン等)のも見たい。褒めておだてれば実現可能(嘘)。PS.米の詳細分析に驚く一方、ソが接収したヒトラー蔵書の情報開示ない点も興味深い。 公開情報や著作から為政者の政策・志向・思考を推理し、今後の政策を予想する。外交の基本・要諦らしいが、仮にヒトラーの読破歴ある書籍を知らなくとも、「我が闘争」からその前提なる著作・著者を知ることはそれほど難しいことではなさげ。さらには、彼が白人・北欧の人種のみ人間と看做していた点も予想しえた可能性もある。独裁者であり、複雑に思考を巡らせていたわけではないヒトラーに対してなら、かかる地道かつ知的な分析がなされれば、日独同盟が如何に脆弱な基盤にしか成り立ちえないことも知り得たのではないか、という疑問も。
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ヒトラーの蔵書、読んだ形跡、書き込みなどからヒトラーの人物を探る1冊。 ヒトラーの読書は、自分の思考の根拠を求めたり補強をするための読書。 読んだ量には敬服するけど、彼の読書は未知との出会いや学問の為ではない読書、自分の世界に耽溺するための読書だったのだなと思います。
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エッカートは史上最も有名な反ユダヤ主義者としてのヒトラーのおぜん立てをした。 ヒトラーは学歴がないことを強く意識していたので、すごく読書、勉強した。 フィヒテは断固たる反ユダヤ主義者でもあった。 ドイツ至上主義者だった。彼はユダヤ人は永久に国家の中の国家であり、ゆえに統一ドイツを...
エッカートは史上最も有名な反ユダヤ主義者としてのヒトラーのおぜん立てをした。 ヒトラーは学歴がないことを強く意識していたので、すごく読書、勉強した。 フィヒテは断固たる反ユダヤ主義者でもあった。 ドイツ至上主義者だった。彼はユダヤ人は永久に国家の中の国家であり、ゆえに統一ドイツを脅かす存在であると信じていた。
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ヒトラーが本好きと聞いて興味をもって購入。彼の読書への熱意は尊敬するが、選ぶ本がちょっとねえ… ヒトラーが偉くなるにつれてだんだん異常になってきたように感じられて、読むの疲れた。
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人は知識や情報、ものの考え方を学ぼうとして、時には楽しみのために本を読む。その時本は単なる情報源や楽しみの道具を超えてその人の人格や思想、そして運命にまで介入する。 本書はアドルフ・ヒトラーというひとりの人間の運命に数々の本がどのように関わったかが主題であるが、「ヒトラーの蔵書...
人は知識や情報、ものの考え方を学ぼうとして、時には楽しみのために本を読む。その時本は単なる情報源や楽しみの道具を超えてその人の人格や思想、そして運命にまで介入する。 本書はアドルフ・ヒトラーというひとりの人間の運命に数々の本がどのように関わったかが主題であるが、「ヒトラーの蔵書」であるが故のその後の数奇な運命があとがきに記され、人と本との宿命的な出会いと別れの物語のようなたたずまいを思わせる。 本書を読みながら深夜までひとり鉛筆を片手に、まさに食い入るように本を読むヒトラーの姿を想像すると、なぜか痛々しく切ない感覚をおぼえてしまう。
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