冷血(上) の商品レビュー
世田谷一家四人惨殺+名古屋闇サイト事件、といった趣。 あの事件も色々なミステリーの要素など関係なく、ただの暴走した人間がやっちゃった事件、というのが著者の推理だろうか(自分もかなり似た考え)。 それにしても、この”やっちゃった”感だけの犯人像、動機だ何だといった小説的要素を一切表...
世田谷一家四人惨殺+名古屋闇サイト事件、といった趣。 あの事件も色々なミステリーの要素など関係なく、ただの暴走した人間がやっちゃった事件、というのが著者の推理だろうか(自分もかなり似た考え)。 それにしても、この”やっちゃった”感だけの犯人像、動機だ何だといった小説的要素を一切表に出してこない描写。 これが下巻につながっていく。 もちろん、高村薫らしく・・・、かなり読みにくい。
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2013.1.5読了。 歯医者の高梨一家殺害の話。 被害者家族、加害者の二人の話を交互にし、上巻では事件前と後は犯行自体は飛んで、警察の捜査で犯人が捕まったところまで。
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上巻は関係者の紹介と事件が発生し犯人を追う様子が描かれている。13歳の女の子、出所したばかりの男性の主観は違和感があるが、警察サイドに移ってからの文体の美しさ、安定感は流石。
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久々の高村女史でした。 合田シリーズは「レディ・ジョーカー」で止まっていたのですが、年末に本屋で新刊が出ているのを見つけ、「太陽を曳く馬」(3部作全部)を飛ばして読むことに。 前半はテンポよく、勢いで読めました!面白い~
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大きな理由や背景がなくても、人は殺人を犯すことがある。しかしこれまで、こうしたテーマで物語を書いた作家はいなかったと思う(寡聞にして知らない。読んだことがない)。リアリズム小説だと思う。読後感は、荒野にばらばらにされて取り残された感じ。生には大きな意味も無いし、あるがまま、流れ...
大きな理由や背景がなくても、人は殺人を犯すことがある。しかしこれまで、こうしたテーマで物語を書いた作家はいなかったと思う(寡聞にして知らない。読んだことがない)。リアリズム小説だと思う。読後感は、荒野にばらばらにされて取り残された感じ。生には大きな意味も無いし、あるがまま、流れていくしかないどうしようもない生の形。
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「太陽を曳く馬」で苦悩して、高村薫はもうやめようと思っていたのだが、合田雄一郎の新作、かつ福澤ファミリーが出ないと聞いて読んでしまった。 裏サイトで知り合い、空き巣に入った家に家族と出くわし、「何となく・深い意味もなしに」殺人に及んでしまう犯人ふたりと、殺人の責を負わすために「...
「太陽を曳く馬」で苦悩して、高村薫はもうやめようと思っていたのだが、合田雄一郎の新作、かつ福澤ファミリーが出ないと聞いて読んでしまった。 裏サイトで知り合い、空き巣に入った家に家族と出くわし、「何となく・深い意味もなしに」殺人に及んでしまう犯人ふたりと、殺人の責を負わすために「故意」を見出そうとする刑事と検察。犯人は冷血なのか、単に何も考えていないのか。。 こういう加害者に殺される幸せな家族を思うと、空しさばかりが残る。 面白いけど、マークスやレディ・ジョーカーの合田を期待すると、ちょっと裏切られます。次もまた期待してしまう。
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久々の高村さんの新刊で飛びついてみたら、合田シリーズですと!「マークスの山」以降読んでないし~!しかし、読み始めちゃったので、ここは一気にw 第一章は読みやすいんだけど、事件が起こらないので、なんとなくダラダラと読む。第二章になり、ちょっとスピードアップするも、第一章のありようが...
久々の高村さんの新刊で飛びついてみたら、合田シリーズですと!「マークスの山」以降読んでないし~!しかし、読み始めちゃったので、ここは一気にw 第一章は読みやすいんだけど、事件が起こらないので、なんとなくダラダラと読む。第二章になり、ちょっとスピードアップするも、第一章のありようが不透明でモヤモヤ気分。あいかわらずの緻密さが素晴らし過ぎる。気力が充実していないと読めない・・・けど、ちょっと停滞気味。下巻に期待を繋ぐ!
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上巻では犯人、被害者、警察それぞれの視点から物語が紡がれるので、誰か特定の人物に特別な感情移入せずに読めた。事件が起こり、犯人が捕まるまでテンポよく進み、面白かった。
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2002年が舞台。1家4人の強盗殺人が起こる。 犯人2名の動機と人物像がとらえどころなく、 薄気味悪く、居心地の悪さを感じさせられます。 2002年の出来事がところどころ挿入されているので、 ストーリーをより立体的に感じることができます。 さくさくと展開を楽しむというよりは、 ...
2002年が舞台。1家4人の強盗殺人が起こる。 犯人2名の動機と人物像がとらえどころなく、 薄気味悪く、居心地の悪さを感じさせられます。 2002年の出来事がところどころ挿入されているので、 ストーリーをより立体的に感じることができます。 さくさくと展開を楽しむというよりは、 しっかり描写された登場人物をじっくり読み込んでいくような本です。 考え方や捉え方は、人によって異なるもので共有できるとは限らない。 強い動機が犯罪を引き起こすが、思いつきだけでも犯罪につながっていくこともある。 それでも生い立ちや動機を調べていくのはなんのためか? もちろん、計画性や殺意の有無といった量刑の判断に関係するためなのだが、 ワイドショーや週刊誌をみていると、いかに特殊で自分たちと関係のない世界の住人かを 確認する作業のように考えてしまう。 それでも処罰をまつ犯人と合田とのやりとりは、 理解できない、分かり合えない相手とも言葉をかけあい、触れ合うことはできるのではないかと 思わせます。 カポーティーのほうも読んでみようかな。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「晴子情歌」からちょっと離れていたが、合田さんシリーズということで読んでみることに。「レディージョーカー」から時間は流れ、携帯が「働け、働け、働け」と鳴る時代で合田さんも管理職に。 この圧倒的な情報量、そして執拗に書き込まれる描写、まごうことなき高村先生の作品だ。一言一句、かみ締めて楽しめる作品。下巻も楽しみ。「太陽を曳く馬」など、「晴子情歌」以降にも再度挑戦しようかと思いました。 文句なし、★5つ。
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