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冷血(上) の商品レビュー

3.6

82件のお客様レビュー

  1. 5つ

    15

  2. 4つ

    25

  3. 3つ

    27

  4. 2つ

    9

  5. 1つ

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2024/10/31

かなりシンプルで読みやすい。現時点ではちょっと読みやすすぎ、あんまり取っ掛かりがない。犯人の(ある種誇張された)軽薄さにも影響されてるが。下巻でどう展開していくか。 大晦日、合田も含めてボブサップvs高山善廣戦見てるシーンめちゃくちゃ平和。

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2021/09/29

久しぶりの高村薫先生。 1章で普通の人の幸せな暮らしと、対極にいる利己的で暴力的な人間が交わりそうな気配を見せつつ、2章に入るところはワクワクしたなぁ。しかし2章に入ると、書きぶりが合田の目線はかなり少なめで、捜査報告書のように淡々と状況を描写するようになったので、動かされないん...

久しぶりの高村薫先生。 1章で普通の人の幸せな暮らしと、対極にいる利己的で暴力的な人間が交わりそうな気配を見せつつ、2章に入るところはワクワクしたなぁ。しかし2章に入ると、書きぶりが合田の目線はかなり少なめで、捜査報告書のように淡々と状況を描写するようになったので、動かされないんだよなぁ。これ、状況描写だから読み飛ばそー、と言うところが多かった。前編でここまで片付いて残があまり無いようだけど、後編に新たな何が出てくるのかしら?

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2021/09/19

この上巻だけでは、このところドストエフスキーや埴谷雄高を凌駕せんとしているようにも見える高村薫先生が、思弁的で難解で長舌な「太陽を曳く馬」に続いての、そこでは何かしら宗教者か哲学者になってしまったような合田雄一郎を主役に据えての本作はどのような意味を持つかは分からない。 被害者と...

この上巻だけでは、このところドストエフスキーや埴谷雄高を凌駕せんとしているようにも見える高村薫先生が、思弁的で難解で長舌な「太陽を曳く馬」に続いての、そこでは何かしら宗教者か哲学者になってしまったような合田雄一郎を主役に据えての本作はどのような意味を持つかは分からない。 被害者と犯人たちを事細かに追っていく第一部は、それでも非常に読みやすく、プロローグとしては申し分はない。第2部での合田雄一郎もあまりに事件捜査のドキュメンタリーでもあろうかと思われるような細かい記述の変態性を除けば、物語としておかしくはない。 しかし話をここまで進めてしまって下巻はどう展開していくのであろう。おそらくこの構成にこそ作者の意図が明快にあるいは分かりづらく難解に記されていくのだろう。 ここまでは意図が分からないため非常に不気味だ。

Posted byブクログ

2019/11/03

第一部は三者の視点で語られる。 多感な少女と、何かが麻痺している若い男二人。 どちらも互いの人生が交錯することなど想像もしていない。いや、上流家庭の少女にとって「不良」とはせいぜい大人ぶった同級生くらいで、本当に刑務所を出た男のことなど認識の外だろうし、底辺の男たちにとっても実...

第一部は三者の視点で語られる。 多感な少女と、何かが麻痺している若い男二人。 どちらも互いの人生が交錯することなど想像もしていない。いや、上流家庭の少女にとって「不良」とはせいぜい大人ぶった同級生くらいで、本当に刑務所を出た男のことなど認識の外だろうし、底辺の男たちにとっても実際の上流家庭は「階層が違う」世界の話である。 読者には両者が事件の「被害者」と「加害者」として遭遇するとすぐにわかるのだが、初めは何も考えていなかった加害者が「偶然」被害者を認識し、不幸な結末へのカウントダウンが刻々と進んでいく緊張感が息苦しい。 事件は第二部で決着したように見えるが、下巻がある。 何が出てくるのか、事件に対してぼんやりと抱いている安堵感が根底から崩壊させられる不安感しかないのだが、読みたくないのに読まざるを得ない気持ちになっている。

Posted byブクログ

2019/09/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

虫歯のこととか、暴走族、パチスロ、健康ランド、コンビニ、躁鬱、もちろん警察の捜査の仕方とか組織。あいかわらず細かく取材や調査をしている。 第一章 事件 前科者の二人が出会い、衝動的にATM強盗(失敗)、コンビニ強盗(成功したがはした金)、空き巣(失敗)を繰り返していく様が時系列に。 最終的に皆殺しにされる一家の日常が13歳の長女の視点で書かれる。13歳少女、所詮たいしたことないと思いつつ、未来への希望と恐れ。まだまだ子供な弟。親にも気を遣う(私は使ってなかったが)。 ここで一家惨殺の詳細が書かれるのかと、びくびくしながら読み進めたが、そんな作家さんではない。 第二章 警察 時間になっても出勤しない歯医者を不審に思い、関係者が自宅まで。事件発覚。合田さん登場。野菜作ってて朝4時起きの毎日らしい。野菜すか。 夫妻はダイニングあたりで待ち伏せされて鈍器で殴られ(音はしなかった模様)、子供たちは寝ているところを鈍器で殴られ、電気毛布にくるまれ。警察が見た事実のみ語られる。 緻密な捜査により、犯人にたどり着く。で軽く自供する二人。 読む前は冷血ってさ、この二人のことなんだと思ってたのよ。そんなタイトルをつける作家さんではない。 恐ろし気な下巻を読み進める。

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2019/06/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「むしゃくしゃしてやった。誰でもよかった」という言い回しを、近ごろ犯罪報道などで時々耳にする。 これはある程度(警察側の)決まり文句で、被疑者がその通りの単語をしゃべったとも思えないのだが、犯行の動機としてわかるような、わからないような、宙ぶらりんな印象を受ける。 この小説は、その辺の曖昧さをえぐろうとする。 ネットを通じて相方となった見知らぬ同士の2人組が、歯科医夫婦と子供の4人を強殺する。 (最初は犯人像そのものがつかめない、ネット社会の闇を描くのかと思ったら違った) 2人は、犯行およびその後のずさんな行動のゆえほどなく逮捕されることになるが、調べが進んでも動機や殺意が一向に明らかにならないのだ。 小説は、調べの様子や調書をたんねんに描き出して行くが(その特異な文体を思う存分書こうというのが、例によって作者のもう一つの動機かも)、犯人の答えは「わからない」とか「なにも考えていなかった」に終始する。はぐらかしたり嘘を言っているのではなく、そうとしか説明しようがないらしかった。 犯罪(起訴事実)を構成するためには、明確な動機や殺意の有無が必要だという。確かに我々も、なにか事件報道があった時にそういうストーリーがあれば安心する面がある。 しかし、言語がそもそも意志や感情のごくわずかの部分をシミュレートしたものにすぎない以上、それが動機や殺意すべてを表せるはずがない。 ある動機があったとして、それをたとえば「α」とする。 だが言語に引き写した時点で、それは「α」辺縁のもやもやしたものが削り落とされ、結果的に「a」や「A」という、少し違った形しか表していないかも知れない。 「α」を「α」と表しうる、外形的な明確さというものが果たして存在するのか? その辺をあぶり出そうというのが小説の主題のようである。 これは例の合田雄一郎シリーズの最新刊。 犯人に相対する主人公は、例によって「考え過ぎの虫」のキライはあるが(刑事には向いていないのでは、と思われる(笑))、突き詰めて考え過ぎると答えがなくなる、ある意味人間存在の不如意をよく表現していると思う。 後半は地味な問答が続くが、面白かった。

Posted byブクログ

2019/02/25

他の作家さんの長い話は割と好きな方なのだけれどこれはダメでした ストーリーとは直接関係なくても物語が膨らむような人物の内面とかはいつもは面白く読むんだけど今回に関してはこの部分必要?っと考えてしまって入り込めなかったです

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2018/12/09

予約していた本が届くまでのつなぎに借りた本。 のっけから死亡フラグ満載の中学生が出てきて気が滅入る。 (これ、胸糞じゃね?)と思ったら案の定一家皆殺しになったし・・・。 読むのやめようかなーと思ったら、合田が出てきたのでしぶしぶ読む進めている。 合田といえば、義理の兄とホ...

予約していた本が届くまでのつなぎに借りた本。 のっけから死亡フラグ満載の中学生が出てきて気が滅入る。 (これ、胸糞じゃね?)と思ったら案の定一家皆殺しになったし・・・。 読むのやめようかなーと思ったら、合田が出てきたのでしぶしぶ読む進めている。 合田といえば、義理の兄とホモの人だよね?(違 ここまで2014-04-20 「とまれ」「一寸」「隠微」「捨象」 気になった用語言い回し。一般的にあまり使わない言葉遣いだなあと思った。特に、「一寸」を中学生に使わせたのには興ざめだった。そんな中学生はいないよ・・・。 合田にも、不惑を超えたとはいえ、おばあさんみたいな言い回しをさせると歳より老けて感じる。現在下巻半分くらい。合田が中間管理職やってて、大変だなあと思う。 ここまで2014-04-23

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2017/05/31
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

久しぶりに女史の小説を読みましたが、高村節は健在でした。合田刑事も齢を重ねるにつれ、暴発することなく中年の渋さが滲み出てきたようです。個人的には「照柿」のころの合田刑事が好きでした。この作品に2カ所ほどふれている『パリテキサス』もライクーダーの音楽とともにとても印象的な大好きな映画でした。また観たくなってきました。そう、このように女史は私のこころをくすぐって来るのです。だから、女史の小説は時々読まないと。

Posted byブクログ

2017/12/17

動機のない犯罪の不気味さと死刑制度についても考えさせられた。以下に詳しい感想があります。http://takeshi3017.chu.jp/file6/naiyou6705.html

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