冷血(上) の商品レビュー
文体変わった?今作は(行ったことがある、という意味で)知ってる地名がいっぱい出てきて、そういう意味でちょっとわくわく。
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カポーティは読んで無いのでどこ迄なぞってるか分かりませんが、一家四人惨殺事件を背景にした合田警部もの。合田が出てくるまでの前半はひたすら鬱。読んでて鬱になりかけました。 川崎の中1殺害事件の犯人像と井上の姿が二重写しになる既視感というか残像感(もちろん世田谷の方がより近いのだが)...
カポーティは読んで無いのでどこ迄なぞってるか分かりませんが、一家四人惨殺事件を背景にした合田警部もの。合田が出てくるまでの前半はひたすら鬱。読んでて鬱になりかけました。 川崎の中1殺害事件の犯人像と井上の姿が二重写しになる既視感というか残像感(もちろん世田谷の方がより近いのだが)。作家の想像力ではなく、最近は少なくなったけど昔はこういう意味の無い凶悪な殺人が多かったのだろうなと。
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時期が時期だけにしんみりと読んだ。警察の捜査の描写の細かさは相変わらずだ。私、合田は好きなキャラクターではないんだが、今回は意外と嫌いじゃない。
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私の評価基準 ☆☆☆☆☆ 最高 すごくおもしろい ぜひおすすめ 保存版 ☆☆☆☆ すごくおもしろい おすすめ 再読するかも ☆☆☆ おもしろい 気が向いたらどうぞ ☆☆ 普通 時間があれば ☆ ...
私の評価基準 ☆☆☆☆☆ 最高 すごくおもしろい ぜひおすすめ 保存版 ☆☆☆☆ すごくおもしろい おすすめ 再読するかも ☆☆☆ おもしろい 気が向いたらどうぞ ☆☆ 普通 時間があれば ☆ つまらない もしくは趣味が合わない 2014.8.29読了 うーん、高村薫、わりとファンだったんだけどね〜。 まず、文体が以前からの、べったりと貼り付くように細かく丁寧に記述されるスタイルに加え、最近の風潮を取り入れようとしたのか、妙な書き方が混じっているように思えるものになり、読みにくいし見苦しく、そして、今の感じからはズレているのが、余計目立ってしまっている。 やはり、高村さんには以前のままのスタイルで、少し昔のことを深く掘り下げて書く、というのが良いと思います。 内容も、上巻では強盗殺人事件の犯人側からの状況や心象を書き、上巻の途中からと下巻には、前の小説から既出の合田雄一郎、特捜の係長になったようだが、からの視点で事件と犯人を書いているのだけれど、とにかく長いです。 作者はミステリーを書いているつもりはないと言われているようですが、あまりにも平板な、平板というのは小説としてだけど、事件とその犯人を、作者の特徴で良質な点でもあるのだけれど、丁寧に、言い方を変えればネチネチと書いて行くので、本当に読むのが辛い。 読んで行くといろいろなことを考えさせられる中身のある小説なのだけれど、読むことが楽しくないのだ。 そして、犯罪と刑罰、特に死刑について、取調べの調書や裁判での言葉のやり取りで、その本質を捉えられるのか、極刑で裁けるのか?というのも、なかなか難しいところだけれど、そもそも、実際には、こんなに丁寧に捜査してるんでしょうか?と思うだけになってしまう。 作者の最近の作品は、ちょっと面白くないと思ってしまうかな。でも、人物や心象の記述では素晴らしい作家さんなので、次回作にも期待したいな。合田がズック靴を洗っているところなんかは、今でも印象に残っているぐらいなので。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
死刑制度について議論するのに欠かせないというツイ友の勧めで読み始めたものの、殺人事件の加害者と被害者の日常を淡々と描写する最初の50ページで一旦挫折。というのも、一見幸せな歯科医一家の家族が惨殺される筋書きが読め、そのシーンを見たくなかったから、ジェットコースターが坂の頂上に上りきる前に下りようと思ったんです。僕、因みにホラー映画は嫌いです。 それでも社会学者としての「義務感」で読み直し、殺人もそのプロセスはぼかしてあったので、何とかクリア。 ただし、死刑廃止論者で知られる著者のポイントは下巻にあるので、この時点でレビューを書くのはとても難しい。犯人2人と被害者の生い立ち、警察内部の確執などがてんこ盛りの印象。 面白かったのは、犯人が首都圏をぐるっと回る国道16号線に沿って移動し、沿線のコンビニ、ファミレス、スロット店、温泉ランドを利用する様子が、この間読んだ「ファスト風土化する日本―郊外化とその病理」の描写と重なること。地名で言うと、町田、相模原、八王子、福生、入間、川越、春日部、柏、千葉あたり。本の中でも、町田はのっぺらぼうな、個性のない街として描かれている。 たぶん加速度がつく下巻に期待。
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医者夫婦、素直で賢い子どもたち そんな幸せを絵に描いたような家庭。 そして気分で犯罪をおかすふたりの男たち こんな2組が運命のいたずらでひとつになったとき 凄惨な事件が起こる・・ 感想は下巻で
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初 高村薫でスリルを期待して読み始めたものの、後半に進むにつれなかなかページが進まず間延びした感じになってしまった。 幸せな家庭の代表のような高梨家の日常の風景から始まり、その温かな描写に感情移入していただけに、惨殺事件の被害者となった展開には気持ちがついていけなくなってしまった...
初 高村薫でスリルを期待して読み始めたものの、後半に進むにつれなかなかページが進まず間延びした感じになってしまった。 幸せな家庭の代表のような高梨家の日常の風景から始まり、その温かな描写に感情移入していただけに、惨殺事件の被害者となった展開には気持ちがついていけなくなってしまった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
読書でこれほど感慨深い、重い感情が残ったのは、本当に久しぶりだった。 事件が発生するまで、被害者家族について女の子の視線を通して語られ、エリート一家でありながら、そのへんにありふれた、温かい一家の模様が描かれるため、惨殺が発覚したシーンは鳥肌が立つほど衝撃だった。警察は地道な捜査を積み重ね、犯人は逮捕され、読者は犯人たちには厳罰が下されるべきだし、死刑になればいいと思う。 普通の映画やドラマはここで終わる。また、実際に起こった事件の報道もだいたいはここで終わる。でもこの小説はそここからが本当の始まりと言ってもよいと思う。 合田刑事は犯人二人の取り調べに地道に付き合い、警察の手を離れてからも、静かに寄り添い続ける。そんな合田の目を通して、不思議と、気付いたら自分も二人に寄り添っている。冷酷な犯罪を起こした犯人に対して、不思議と愛着のようなものが湧いてくる。 合田がこつこつと二人の過去を追い求め、地道なやりとりを続けて、二人の人間は読者の手の中で確かな重みを持ってくる。そして、二人の死をそっと見届けたところで物語が終わる。 私は単純な性格なので、死刑は別に反対じゃない。冷酷な犯罪をして反省のない人間など死刑になって当然と思ったりする。けれど、この物語を読んで、ただ単に死刑を反対とか賛成とかそういう問題ではなく、死刑囚の命にも確かな重みがあるのだということを、初めて理解したような気がする。 私は、戸田にも井上にも、死んでほしくなかった。二人に再会してほしかったし、井上が葉書を出したということを、戸田に知ってほしかった。 「子どもを二人も殺した私ですが、生きよ、生きよという声が聞こえるのです」 命とは何なんだろうか?刑事と、死刑囚とその相棒によって、そんな問いが深く深く突きつけられた、不思議な読書体験だった。また読みたい。
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「ミステリーを描いているつもりはない」という筆者のコメントを読んだ事がありますが。 これはミステリーだと思います。 理屈の通らない、有象無象が蠢く心の闇を解き明かすミステリー。 冷酷な強盗殺人を犯したにしては、哀れささえ催すような卑小な存在である犯人2人。何が彼らを犯罪へと駆り立...
「ミステリーを描いているつもりはない」という筆者のコメントを読んだ事がありますが。 これはミステリーだと思います。 理屈の通らない、有象無象が蠢く心の闇を解き明かすミステリー。 冷酷な強盗殺人を犯したにしては、哀れささえ催すような卑小な存在である犯人2人。何が彼らを犯罪へと駆り立てたのか? 終盤に全てを解明する推理ショーが用意されているとは思えません。 でも問い続けること、理解できない底辺の人間だと彼らを切り捨てないこと、そこらへんに意味があるのかなと思います。 管理職になって、少し枯れた感のある合田さんも見所です。
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事件は2002年12月24日の朝、発覚した。 東京都北区西が丘に住む歯科医師一家4人が殺害された。13歳の長女と6歳の長男がいて、クリスマスにはディズニーシーへお泊りで出かけるのが恒例行事という、幸せな一家だった。 犯人は誰だ? 事件を調べる合田雄一郎は、歯科医院の患者や現場付近...
事件は2002年12月24日の朝、発覚した。 東京都北区西が丘に住む歯科医師一家4人が殺害された。13歳の長女と6歳の長男がいて、クリスマスにはディズニーシーへお泊りで出かけるのが恒例行事という、幸せな一家だった。 犯人は誰だ? 事件を調べる合田雄一郎は、歯科医院の患者や現場付近からの不審車両から、井上と戸田という二人の容疑者をわりだした。 第一章・事件、第二章・警察と、二つの章からなっている、高村さんお得意の、残酷な殺人事件を追う刑事ものの小説だ。 一章では、事件が起こるまでの間の被害者の歯科医師一家や犯人たちの動向、二章では、事件が起こってからの警察の調べによって浮かび上がる犯人の生い立ちと、それぞれ、視点を変えて書かれている。 犯人と被害者家族、犯人と警察。 両方の思惑と行動が交錯して読み手に伝わり、登場人物の心理が手に取るようにわかる作品になっている。 警察ドラマの作品としても、 高村さんが書くと、どうしてこう男性っぽく、硬質な文章になるのだろう。 まるで金属のような硬い印象の文章なのだが、 さっと読み始めれば、サッパリとしたキレのよい読後感に魅かれてしまう。 甘いスイーツも好きだけど、堅い辛めのおせんべいも捨てがたい。 それが私のおやつ趣向だが、 読書の傾向もそうだったのかと、改めて悟った次第だ。
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