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ニュートンと贋金づくり の商品レビュー

3.6

14件のお客様レビュー

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2024/01/21

天才科学者として知られるアイザック・ニュートンの全く違う側面に光を当てたお話。 彼が造幣局監事として、イギリス経済を混乱に陥れた贋金作り達を取り締まっていたことを初めて知りました。 そんな中で、贋金作りの第一人者とも言える狡猾な悪党、チャロナーにだし抜かれたりもしつつ、追い詰めて...

天才科学者として知られるアイザック・ニュートンの全く違う側面に光を当てたお話。 彼が造幣局監事として、イギリス経済を混乱に陥れた贋金作り達を取り締まっていたことを初めて知りました。 そんな中で、贋金作りの第一人者とも言える狡猾な悪党、チャロナーにだし抜かれたりもしつつ、追い詰めていく様が生き生きと描かれています。 科学も犯罪捜査も(おまけに錬金術まで!)、緻密な準備を重ねながら、天才的な閃きで進めるニュートンのアプローチが印象的でした。 とても面白い本です。

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2019/06/24

☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです☆http://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB11033104

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2018/10/20

偉大な科学者のニュートンが造幣局の監事となって時の贋金つくりたちと戦ったとは!冷静緻密な科学者は有能果敢な官僚となり貨幣大改鋳を成功させる。そして名うての贋金つくりを捕まえる策略を練る。

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2015/12/29

偉大な科学者ニュートンの生い立ちや当時の世界の中心地であったロンドンの様子を知る事ができ、贋金つくりの犯罪者をニュートンがどう追い込んで行くか?興味が最後まで尽きないなかなかのノンフィクションです。

Posted byブクログ

2015/05/06

万有引力や物体の運動の法則を明らかにした『プリンキピア』で古典物理学の体系を確立したニュートン。 偉大な自然哲学者として「彼は我々と同じ人間ですか」といわれるほどの名声を手にした彼は、やがてその名声にふさわしい仕事と収入を求めるようになりました。 当時イギリスは長引くフランス...

万有引力や物体の運動の法則を明らかにした『プリンキピア』で古典物理学の体系を確立したニュートン。 偉大な自然哲学者として「彼は我々と同じ人間ですか」といわれるほどの名声を手にした彼は、やがてその名声にふさわしい仕事と収入を求めるようになりました。 当時イギリスは長引くフランスとの戦争で財政破たん寸前。しかもイギリスの銀貨は額面より地金の銀が海外で高く売れたため、銀貨を溶かし国外に持ち出し高値で売る者が続出し、銀貨不足でお金が流通せず大不況に陥っていました。 この苦境を脱するためには当代きっての頭脳が必要で、そこで白羽の矢が立ったのがニュートンでした。 造幣局監事に就任したニュートンは、持ち前の緻密さで、最も効率的かつ迅速に硬貨ができるよう製造工程を大幅に見直し、わずか2年で新硬貨を国中に流通させ、危機を乗り越えます。 そんな中、造幣局の硬貨鋳造の金型が紛失しているという情報が届きます。 その情報をもたらしたのはチェロナーという、これまで何度も捕まりながら証拠不十分で釈放されていた札付きの贋金作りでした。 造幣局監事の職務には治安判事の役目もあり、ニュートはさっそく事件の解明に乗りだします。 別件で拘束されていたチェロナーが怪しいと見て告発したものの、またも証拠不十分で釈放されただけでなく、彼から「善人を証拠もないまま逮捕した造幣局監事は悪党だ」と逆に告発されてしまいます。 告発は却下されますが、チェロナーはその後も造幣局を攻撃し悪事を重ねていきます。 何事にも緻密さと執念で取り組むニュートンは捜査官としても優秀で、あらゆる手段を用い、陪審員が有罪の評決を導き出せるよう周到に証拠集めをしていきます。 そしてついにチェロナーは「大逆罪につき有罪」となり処刑されました。 その後もニュートンの活躍は続き、57歳の誕生日に造幣局長官に就任しています。ちなみにケンブリッジ大学教授の俸給は100ポンドでしたが、造幣局長官は3500ポンド(なんと35倍)だったそうです。 ニュートンはケンブリッジでの研究生活のうち、20年を費やして万有引力をはじめとした古典運動力学について思いを巡らし、一冊の本にまとめるという、執念の人でもあったわけです。 この本を読むと、ニュートン先生は、あまり人づきあいが好きではなく、しかも執着心のある人で、これと決めたら最後まであきらめない性格だったようです。(きっとAB型だったに違いありません) こんな人が捜査官になって、悪者を追及していくのですから、よほどのことがない限り、彼から逃れることはできなかったのではないかと思うのであります。 贋金作りのチェロナーも相当したたかな悪党だったようですが、ニュートン先生は一枚も二枚も役者が上だったということですね。 この本を書いたのはマサチューセッツ工科大の教授で、サイエンスライターとしても有名なのだそうで、膨大な資料を使って書いている(原註だけで50ページも)だけあって読み応え充分でした。 ほかにもニュートンが錬金術に嵌っていた、なんていう意外な面があったこともこの本を読んで知りました。

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2014/08/03

ニュートンといえは、万有引力や光学を思いつくが、その後のニュートンの仕事(造幣局へ勤務し、贋金作りの犯罪者を捕まえる)にスポットをあて、また違う角度からニュートンを見れる内容である。それは科学者だからこそ解決に導いたといえる手法が明らかになっている。

Posted byブクログ

2014/06/29

物理学の歴史上のスーパースターといえば近代ではアルベルト・アインシュタインそしてそれ以前ではアイザック・ニュートンだろう。リンゴが落ちるのを見て引力を発見したと言うのは有名な逸話だがニュートン力学を確立し、プリスムの分光実験では太陽光が何種類もの色が混ざっていることを示し、ライプ...

物理学の歴史上のスーパースターといえば近代ではアルベルト・アインシュタインそしてそれ以前ではアイザック・ニュートンだろう。リンゴが落ちるのを見て引力を発見したと言うのは有名な逸話だがニュートン力学を確立し、プリスムの分光実験では太陽光が何種類もの色が混ざっていることを示し、ライプニッツとの先取権争いはあるが微分積分学を発明(発見?)した。また偉大な自然科学者というだけでなく、神学や錬金術にも情熱を注いでいる。そのニュートンのもう一つの知られざる大仕事を描いたのが本書で、それは大英帝国を蝕む贋金造りを取り締まる監事として銀貨の改鋳を実施し、刑事ドラマさながらに贋金造りの一味を検挙し有罪に導くことであった。 1661年にケンブリッジ大学のトリニティカレッジに入ったニュートンはペストが大流行した65年から66年にかけて田舎に戻り研究に没頭した。このころに生み出されたアイデアが微分積分学や万有引力やプリズム実験などだ。結局ニュートン力学の大書プリンキピアが完成するのは1687年、光学は1704年でありニュートンは発表を急ぐよりも理論の完成度を高めることを選んでいた。ニュートンが有名になったのはプリンピキア発刊後のことであり、カトリックを復活させようとある神父に学位の授与を迫る国王ジェームス2世に対しそれを拒否する代表団の一員に選ばれたニュートンは91年ころからケンブリッジを離れようと就職先を探し、そして94年に造幣局の監事に就任した。当初はそれまでのニュートンの生活スタイルを維持するに足る充分な報酬に比べ、比較的楽なはずの仕事だった。 ニュートンは万有引力や運動法則を発見しながらもその理論の中心には神が存在した。錬金術に没頭したのも神の業を確かめるためだったのだ。一方で造幣局の監事と改鋳に取り組み、犯罪捜査官として贋金造りと対決するニュートンのスタイルは緻密な実験科学者としてのそれだ。データーや証拠を調べ上げ障害を取り払い着々と成果を上げていく。贋金造りが流行する原因として英国と大陸での金銀の取引比率に差があり、さや取りが可能というのが大きな原因になっていた。贋金造りは銀貨を削り取り集めた銀を大陸で金と交換し、その金で英国の銀を買う。結局は大規模な改鋳をこれ以上なく上手く行ったニュートンにしても銀の切り下げを行わないことには、本質的には解決せずそしてそれがイングランド銀行や金本位制を生み出す元になっていった。切り下げができなかった原因は国王や大地主の地代収入が銀貨で決められていたからで、もし大陸と同様に金銀交換比率を決めれば実質的な減収となるからだった。 ニュートンの敵として現れるのがウイリアム・チャロナー、悪知恵が働き手仕事を覚えたチャロナーは贋金造りに手を染め、ジェームス2世を退陣させたウイリアムス3世が敵方の反逆に対しての密告をも資金源とした。反乱軍側の煽動文を印刷するように印刷業者に頼み込み、それを配達するところを密告して逮捕させるという自作自演の詐欺で「国王をからかって1000ポンドを手に入れた」。その後も何度も捕まりながらも決定的な証拠は見つからず釈放されている。ニュートンにたいしてもチャロナーは自分がニュートンを怒らせたので無実の罪を着せられると強弁し、証言者を遠くに逃がしてしっぽをつかませない。一方のニュートンは他の贋金造りの仲間を飴と鞭であやつり、同じ監獄に入れてチャロナーがぼろを出すのを密告させる。監事の仕事に犯罪捜査が含まれていると知った時のニュートンは不満たらたらでできればその任務ははずしてほしいと言っていたが、いざやり始めるとその仕事ぶりは徹底的で容赦がなく犯罪捜査人としても優秀だった。最終的にはニュートンははっきりとした証拠は見つけられなかったが証人を固めチャロナーを絞首台送りにする。 エピローグではこれだけ優秀なはずのニュートンが南海バブル事件では南海会社が最高値のときに投資しバブル崩壊とともに大損した様子が描かれている。当時世界最高レベルの数学者であったのだからバブルは予想で来そうなものなのに失敗したのはブラック=ショールズのLTCMと少しかぶるものがある。とは言え監事から造幣局長官に昇進してからはシニョリッジが長官の懐に入るため死ぬまで金に困ることはなかった様だ。探偵ガリレオならぬ犯罪捜査間ニュートン、ただし「ありえない」という様な事件は出てこない。

Posted byブクログ

2014/02/02

ニュートンと言えば天才数学家・物理学者というイメージが定着しているが、それだけが彼の職業だったわけではない。 意外にも国家公務員として、贋金作りの摘発に情熱を注いでいたのである。 天才科学者といえば俗世間から隔離されて自分の研究に没頭しているイメージであり、実際にニュートンも教授...

ニュートンと言えば天才数学家・物理学者というイメージが定着しているが、それだけが彼の職業だったわけではない。 意外にも国家公務員として、贋金作りの摘発に情熱を注いでいたのである。 天才科学者といえば俗世間から隔離されて自分の研究に没頭しているイメージであり、実際にニュートンも教授職を全うしながらそのような生活をしていた事もあったが、その後は造幣局の役人として世間から離れるどころか生活に密着した仕事を生業としていた。 物理学だけでなく、経済学・金融にこれほどまで深入りしていたとは知らなかったし、何人もの犯罪者を処刑台に送っていたとは! 教科書には載らない偉人ニュートンの伝記としてとても面白かった。 何より、17世紀の書類がこれだけ鮮明に当時を描写できる程沢山残されていることに驚いた。 日本の江戸時代初期の文献もこれだけ残っているのだろうか? ニュートンと言えばかなり昔の歴史上の人物という印象でしたが、意外と最近(?)の人なんだと感じるようになりましたw 当時のイギリスが近代国家の先駆けとして発展して行ってた様子がまじまじと伝わって来ました。

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2013/09/03

歴史で中で有名な人は、その業績で有名になる。んで、それ以外は?となると、知らんがな。となる。 かのニュートンも、大学教授から造幣局の役人になり、その頭脳をフル回転させて、時に出し抜かれ、贋金つくりをどんどん絞首台に送り出していく。そして、時の大物、チャロナーを堕とす。  伝記の形...

歴史で中で有名な人は、その業績で有名になる。んで、それ以外は?となると、知らんがな。となる。 かのニュートンも、大学教授から造幣局の役人になり、その頭脳をフル回転させて、時に出し抜かれ、贋金つくりをどんどん絞首台に送り出していく。そして、時の大物、チャロナーを堕とす。  伝記の形式通り、ニュートンとチャロナー二人の幼少時代から最期までを記す。 ファンマンさんのような、エンタメ感はないけど、偉人の別顔を知る良書である。

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2013/07/28

 意外や意外。あのニュートンが贋金づくりを追っていたとは。  なんというか、ニュートンの心情にまったく触れず、追われる側の視点が多いので……ニュートンは主役と言うか敵役っぽい扱いに見える。  犯人も偉大なる大ぼら吹きといったところで、ミステリ的観点を求めるとあれってなりそう。そ...

 意外や意外。あのニュートンが贋金づくりを追っていたとは。  なんというか、ニュートンの心情にまったく触れず、追われる側の視点が多いので……ニュートンは主役と言うか敵役っぽい扱いに見える。  犯人も偉大なる大ぼら吹きといったところで、ミステリ的観点を求めるとあれってなりそう。それでも面白かった。

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