湯女の櫛 の商品レビュー
つまらんほんまの話より、面白い嘘がええ。 天女と言われるほどの美貌を持ち、歌に舞等の芸事、そしてあらゆる教養の豊かさ。才色兼備の権化のような主人公お藤さんと、その周囲に集まる人間が語る怪異譚。 深い因果を感じさせる摩訶不思議で、悍ましい怪談の数々は嘘か誠か。…なんてそんな野暮...
つまらんほんまの話より、面白い嘘がええ。 天女と言われるほどの美貌を持ち、歌に舞等の芸事、そしてあらゆる教養の豊かさ。才色兼備の権化のような主人公お藤さんと、その周囲に集まる人間が語る怪異譚。 深い因果を感じさせる摩訶不思議で、悍ましい怪談の数々は嘘か誠か。…なんてそんな野暮な問い掛け、そっと心の中に閉まっておいてつかぁさい。とお藤さんに、叱られそうではあるが、彼女のその絶妙な語り口は、文字を介しても伝わってくるようで、どんどん虚実の測れぬ物語の世界へと引き込まれてしまう。
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面白かったです。 湯女のお藤の語る、不思議なお話の数々。 怪異の怖さも、人の心の怖さもとりどりでした。 「当人らには大いなる不幸でも、他人からはありふれた悲しみだ」という視点、冷たいようで、でもそうだよな、と思いました。その人にしかわからないし、外からいろいろ言われるのが、助けに...
面白かったです。 湯女のお藤の語る、不思議なお話の数々。 怪異の怖さも、人の心の怖さもとりどりでした。 「当人らには大いなる不幸でも、他人からはありふれた悲しみだ」という視点、冷たいようで、でもそうだよな、と思いました。その人にしかわからないし、外からいろいろ言われるのが、助けにもなるし辛いときもあります。 全てを包み込むお藤が魅力的でした。
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ミステリアスな湯女のお藤が客と様々な話を語り、また語られる話。 何が本当で何が嘘なのか、はたまたどれも本当でどれも嘘なのか。 お藤が食えない女だなーという印象が強い。
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昔話の短編集を読むような書き出しの説明の繰り返しが、単調だからこそすんなり入り込み、差異に敏感になる。 真ん中である湯女は、感情や記憶の集合体であり、そのためどこよりも違うものになる。 もし登場人物達に印象を聞けば、みな大まかには同じ印象をいい、気にする細部は同じてばないだろうか...
昔話の短編集を読むような書き出しの説明の繰り返しが、単調だからこそすんなり入り込み、差異に敏感になる。 真ん中である湯女は、感情や記憶の集合体であり、そのためどこよりも違うものになる。 もし登場人物達に印象を聞けば、みな大まかには同じ印象をいい、気にする細部は同じてばないだろうか。例えば櫛の意味とか。だが、細かい部分を尋ねれば、皆あやふやで違うことをいうのではないか。 それがこの湯女である。 誰に向かっての話かわからないが、中の二人だけがわかっている会話。だからこそ滓のようにのこって恐れるのではと思う。
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