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宿神(第4巻) の商品レビュー

4.5

12件のお客様レビュー

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2023/01/14

最後の巻は説明と宗教用語、和歌が中心で筆者の思いも書いて今までの言葉のやりとりとは作風が違うような気がする。宿神とは特定ではなく全てのモノに宿り何もせず信仰でもない。哲学に入るのかな??西行の逸脱した行動、女院を掘り起こし生き返らせようとしたり、1人で納得したり暴走??行動の連続...

最後の巻は説明と宗教用語、和歌が中心で筆者の思いも書いて今までの言葉のやりとりとは作風が違うような気がする。宿神とは特定ではなく全てのモノに宿り何もせず信仰でもない。哲学に入るのかな??西行の逸脱した行動、女院を掘り起こし生き返らせようとしたり、1人で納得したり暴走??行動の連続の気がした。

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2018/10/20

平治の乱が終わり、平氏がこの世の春を謳歌する。しかしその世も長くは続かず、清盛が亡くなるり、最後には平氏一門は壇ノ浦に消えていった。西行はそのような世の中をずっと見てきた。歌を杖として。

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2017/01/21

平治の乱、そして崇徳天皇(新院)が狂っていく件はかなり引き込まれる。1、2の前半巻にくらべ説明なども増えてストーリーよりも解釈にウエイトがかかっているようだが、それはそれでとても面白かった。西行の”レジェンド”話もそれなりに付け加えられていて、できたらそこらへんだけで伝奇小説にし...

平治の乱、そして崇徳天皇(新院)が狂っていく件はかなり引き込まれる。1、2の前半巻にくらべ説明なども増えてストーリーよりも解釈にウエイトがかかっているようだが、それはそれでとても面白かった。西行の”レジェンド”話もそれなりに付け加えられていて、できたらそこらへんだけで伝奇小説にしてほしいぐらいなんだが、結構あっさりさっくりとで少し物足りなかった。とにかく、面白かったです、文庫で買おうと思います。

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2013/12/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

全4巻。 大河「清盛」にハマりにハマっていたので、登場人物がほとんどそのキャスティングで浮かんでしまいましたが、描かれ方はだいぶ違います。 大河のほうはマツケン清盛の成長物語だったけど、主人公の西行から見たこちらの清盛は、最初からカリスマ性と知能を備えています。 タイトルの「宿神」とは、宗教以前の、原始的な自然神のような存在。 「蹴鞠」がそういう人ならぬモノとのひとつの交感の手段として描かれていて、前半の桜の降るなかでの蹴鞠のシーンは幻想的で圧巻の美しさ、夢枕さんの本領発揮。この印象的な場面が最後のほうでまた響いてきます。 前半は西行の璋子への激しい思慕や、清盛が時代に乗り出していく過程が描かれ、ふしぎな能力を持つ架空キャラの兄妹や、文覚や鎮西八郎為朝など、濃いキャラの活躍も楽しく、ぐいぐい読めます(とくに為朝を描いてるときはすごい筆が乗ってる感じで、たぶん作者は為朝めっちゃ好きなんだろうなあ)。 後半は「平家物語」やら「盛衰記」やらのさまざまな既存エピソードをつないでいくために、微妙に作者の見解が入ったりしてお話の世界から一瞬現実に戻ってしまったりするのですが、複雑な歴史の流れに沿っているのでこれはやむをえないのかな。 最終巻では、登場人物たちが老いたり死んだりしていく中で、無常観がぐぐっと増してきて。 平家が滅んでいくのを見届けた西行。 この世に生きるもの誰もが散る桜ではないか、というところにつながって、西行といや桜、桜といえば滅び。見事にこの長い物語を収めます。 大きな滅びの物語の中に、石や木など自然のものに宿る神の存在を織り込んでることで、人の命はおそろしいくらいに儚く短いものであるけれど、それはただあるがままの自然に戻っていくだけ、というテーマが救いとなってすとんと胸に落ちました。

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2013/07/14

こんなに大きなテーマをこんなに読みやすく書けるということが文章の巧さなのだと思います。 男二人が語り合うシーンがとても上手い!ドキドキしたりシミジミしたり。 男二人が語り合うシーンを書かせたら、今、右に出るものはいないのではないだろうか。 これまで、西行のことを多様な本で読んでき...

こんなに大きなテーマをこんなに読みやすく書けるということが文章の巧さなのだと思います。 男二人が語り合うシーンがとても上手い!ドキドキしたりシミジミしたり。 男二人が語り合うシーンを書かせたら、今、右に出るものはいないのではないだろうか。 これまで、西行のことを多様な本で読んできて、???と思っていた部分が、あぁ、こういう解釈ならスッキリするなあ、と感じ入りました。特に、反魂香。これなら、ありえる! ウ~ン、縄文の民か……。 長生きしてたくさん書いてください。少なくとも、あと30年は期待します。

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2013/03/29

平清盛と西行青春時代からその生涯 平安時代末期の院政から武家社会に移る大きく動いた時代において、清盛はトップに立ち西行は流れを見守る者となる 西行は宿神と呼ばれる物の怪を見ることの出来る人であり、類稀なる才能で本質を歌に詠み、遺す役割を担った人物であった 兎に角、完結して良かった

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2013/03/02

隆盛を誇った清盛も死ぬ。 彼の生き方を見届けると約束した西行は辞世の句も代作するほど。 西行の死の前にこの世を去った、彼と深い関わりのある者たちへの追悼。 シリーズ最終巻。

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2016/12/31

巻の三十六陸奥の桜までが「一冊の本」に、巻の三十七反魂香までが朝日新聞朝刊に連載されたもので、シリーズ全4巻のうち最終巻。 平治の乱から清盛の死までが中心。 権力の中心に昇りつめた清盛は、昔と変わらず西行と親交あり、死の前の日に見舞いに来た西行に、「生きて、我らが生きたこの時代...

巻の三十六陸奥の桜までが「一冊の本」に、巻の三十七反魂香までが朝日新聞朝刊に連載されたもので、シリーズ全4巻のうち最終巻。 平治の乱から清盛の死までが中心。 権力の中心に昇りつめた清盛は、昔と変わらず西行と親交あり、死の前の日に見舞いに来た西行に、「生きて、我らが生きたこの時代がどうなるのかを、おれに代わって見届けよ。」という。 この二人のつながりが史料的にも示されている。 「一冊の本」の連載は、平氏が焼いた東大寺復興の勧進に、清盛の菩提を弔うために西行が平泉へ行って義経に会うところで終わっていて、物語としては完結している。 --考えてみたら、この自分は、このきらびやかな巨大な桜が散ってゆくのを見届けるために、この世に生まれたのではないか。 その役目を担えと、天がこの自分をこの世に生ぜしめたのではないか。 そのために自分はあるのではないか。 考えてみれば、この世の生きとし生けるものは全てが散る桜ではないか。 この世に生じて、散らぬ花などない。 この自分も、頼朝も、秀衡も、義経も、その意味では、全て同じではないか。

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2013/02/07

宿神三部作の一つだそうで。なので、「源氏物語ー翁ー」とイメージ共有したのは、間違ってなかったわけですね。 どこにでもあるがままに、太古より自然のまま存在しているもの。それが宿神。 西行も、同じ存在になったんでしょうねぇ。 桜に対する、日本人の感情に、現れている。

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2013/01/27

完結が待ち遠しかった分読み終わって寂しさも心の内に湧いてきてしまう。しかしたまらない余韻の残るいい終わり方だった。西行の生き方に作者の創作に対する姿勢と憧れを強く感じずにはいられない。自然のままに歌を詠むことが真理に通ずる道ならば、己の業をひたぶるに磨き続けることもまた。

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