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日本アパッチ族 の商品レビュー

4.2

9件のお客様レビュー

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2023/08/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

8月15日に読み終わるとは……破茶滅茶に面白かったです。人類超進化。無機代謝形態の人類。 失業の罪で追放罰を受けた主人公・木田は、閉じ込められた追放区で鉄を食べる人類「アパッチ族」の仲間に入り、存亡をかけて日本政府との闘争へ突入していく。 木田のいる追放区が大阪城も見えるところにあるのでメインキャラクターが関西弁なのがどこかのほほんとしてるけど、食鉄によって身体能力が強化されてるアパッチ族はもはや人ではなく怪物です。本人たちも、自分たちは人じゃないって言ってた(終身刑の囚人なので戸籍も無さそう)。 銃弾は跳ね返すし戦車も食べる、水中で息を1時間止めるのも平気なアパッチ族がダークヒーローと化してて、結構な管理社会強いててびっくりな日本政府や軍部・警察組織、鉄鋼業界が全力で排除しようとしてくるのとバチバチにバトってるのは大変でした。戦後日本が更に焦土に。 それにしても、こっそり変な法律を成立させて施行してくるのはやけに現実的で心が重くなりました。 日本では「日本アパッチ族」がたぶんこの系統のSFで一番初めっぽい。この人間=機械共生系(マン・マシン・インターフェイスというらしい)が後々「攻殻機動隊」とかに繋がると思うと感慨深いなぁ。アパッチ族も受信機みたいなの頭に溶接してたし、千切れたりしても「溶接してもらえ!」みたいになってた。。「AKIRA」や「鉄男」は解説で言及されてました。 「その時代を全面的に支配する生物が、かならずしも、もっともすぐれ、もっとも高等な生物であるとは言い得ないことは、われわれのよく知るところである。――それはアパッチ出現まで単一支配種族として地球上に君臨してきた現代人類においても、言いうることだ」 どなたかが仰ってたけど、実写化するならほんと岡本喜八監督で観たかった…コメディが強くても、反戦が強すぎてもいけないこの作品を上手くバランス取って無茶苦茶な面白いエンターテインメントにされてそう。

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2020/09/18

戦後日本の大阪で、くず鉄を食べガソリンを飲んで生きる人々「アパッチ」が日本政府と大戦争を繰り広げるSFもの。 アパッチたちが、銃弾は跳ね返すわ戦車を食うわ水中でも長時間生きられるわでハチャメチャに強くて笑う。 世間がしょうもない話題で大騒ぎしている裏で、やばい法律がこっそり採決さ...

戦後日本の大阪で、くず鉄を食べガソリンを飲んで生きる人々「アパッチ」が日本政府と大戦争を繰り広げるSFもの。 アパッチたちが、銃弾は跳ね返すわ戦車を食うわ水中でも長時間生きられるわでハチャメチャに強くて笑う。 世間がしょうもない話題で大騒ぎしている裏で、やばい法律がこっそり採決されたり、反対反対ばっかりで本質の見えていない政治家だったり…現代日本でもあんまり変わってないのかも。50年以上前に描かれた小説ですが、古臭さを感じない、面白い小説でした。

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2019/03/05

小松左京 「 日本アパッチ族 」 鉄を食べて鋼鉄化する人間(アパッチ族)を描いたSF小説。戦後復興期の人間を描いた小説と解釈した 著者は アパッチ族を 肯定的に捉えており、人間の敵として扱っていない。著者は アパッチ族を通して 時代の姿を描きたかったのだと思う アパッチ族を通...

小松左京 「 日本アパッチ族 」 鉄を食べて鋼鉄化する人間(アパッチ族)を描いたSF小説。戦後復興期の人間を描いた小説と解釈した 著者は アパッチ族を 肯定的に捉えており、人間の敵として扱っていない。著者は アパッチ族を通して 時代の姿を描きたかったのだと思う アパッチ族を通して 著者が伝えたかった人間の姿 *弱さ故に 適応して アパッチ族となった人間=戦後の思想転回を迫られた人間 *戦争に敗けた弱さから、鉄のように強くなりたいと願う人間 アパッチ族 *飢餓から逃れるため 鉄を食べ、人間として死に、アパッチ族(非人間)として生きた *廃墟の中から生まれ、廃墟とともに生き、廃墟と共に消滅した *戦後混乱期の闇市で、無秩序に生き抜くエネルギー 「人間をやめることによって生き延びた私〜アパッチは人間でなく屑かもしれない〜非人間にも生はあり、その世界は人間とは別の意味を持っている」

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2018/06/13

めちゃくちゃおもしろかったなあ! 鉄を食う「アパッチ族」という奇想とサービス精神溢れるユーモラスな筆致。小説の裏に通底する小松左京の「戦後」への冷徹な視線と骨太の知性。SFの古典として名高いけれども、SFファン以外にも、いまもっと読まれるべき一冊。

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2016/10/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

どうしてアパッチとなった人間は、人間だったころの文化や習慣への理解が途端になくなっていまうのか。倫理観や自分も人間だという認識もなくなってしまうのか。それが一番疑問だった。 弾圧されていたのは間違いないが、それでも躊躇なく人を殺していくアパッチ族には違和感があった。

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2013/06/10

冷静に考えるとこれは小松左京でなくとも書ける話では? という気もあります。大雑把にいえば異端と常識との対立の物語ですから。しかし世界(社会)は壊すけどヒトは残すというやり口で読後も想像して楽しむ余地を多く残してくれるあたりはこの作家さんならではという気もします。そしてやはり50年...

冷静に考えるとこれは小松左京でなくとも書ける話では? という気もあります。大雑把にいえば異端と常識との対立の物語ですから。しかし世界(社会)は壊すけどヒトは残すというやり口で読後も想像して楽しむ余地を多く残してくれるあたりはこの作家さんならではという気もします。そしてやはり50年ほど前の作品とは到底思えない衝撃も強く、特に失業が罪とされ失業者は社会から切り捨てられる冒頭は現実味を強く感じ惹き込まれます。会話の大半が大阪弁なので「じゃりン子チエ」のようなほのぼの感がありますが、かなりシリアスなお話でした。

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2013/03/03

これは面白い。最初は関西弁で読みにくい部分もあったけど、慣れれば気にならない。こんなに不思議な話なのにリアルでありえるんじゃないかと思えるくらい入り込んで読み進んだ。

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2013/03/02

文章全体に香る濃厚な戦後感。戦争を知らない私達にはまるでファンタジー世界と同じような未知の世界。 あちこちに焼け跡、空き地が有り、復興、高度経済成長を行なっているエネルギッシュな時代。 それを感じた小説だったなぁ。 中学生の時に初めて読みました。

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2012/12/28

 大阪にいたアパッチと呼ばれる屑鉄泥棒集団に焦点をあて、彼らが歩んだかもしれないもう一つの戦後史を描いた作品。  鉄を喰らう豪快かつ自由奔放なアパッチに目がうつるが、終戦を経験した著者、および登場人物たちの、悲哀が印象深い。  大活劇にも関わらず、最後の主人公の叫びが切ない。

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