船から消えた男 の商品レビュー
1936年発表のフレンチ警部シリーズ第15作は、いつにも増して地味な色目の落ち着いた作品。決して犯人当てにフォーカスを当てることなく、淡々と物語は進んでいく。シリーズの中でも珍しいのは、“探偵がいっぱい”状態で進行する点と、警察の面々の真に迫った捜査。後者については、えん罪事件の...
1936年発表のフレンチ警部シリーズ第15作は、いつにも増して地味な色目の落ち着いた作品。決して犯人当てにフォーカスを当てることなく、淡々と物語は進んでいく。シリーズの中でも珍しいのは、“探偵がいっぱい”状態で進行する点と、警察の面々の真に迫った捜査。後者については、えん罪事件のテイストも加味され、警察の視点で読むとボリュームは中々の物。手放しで傑作と言える作品ではないが、題材になった科学技術しかり、今でも読むに耐える一作。
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化学的要素があり、 他の作品とは少々毛色が違った作品か。 フレンチの出番は今までの作品の中では 一番少ないと思います。 そのかわり、とある壮大な化学プロジェクトに 参加することとなった、婚約者の女性と 管轄となった警察の部長刑事の視点がメイン。 特に婚約者の女性のほうは 途中...
化学的要素があり、 他の作品とは少々毛色が違った作品か。 フレンチの出番は今までの作品の中では 一番少ないと思います。 そのかわり、とある壮大な化学プロジェクトに 参加することとなった、婚約者の女性と 管轄となった警察の部長刑事の視点がメイン。 特に婚約者の女性のほうは 途中弁護士であるジャックが 無実の罪に問われることとなり かなり狼狽している描写が 結構あります。 トリックは完全に読者を 欺くもの。 文字通りに受け取ってしまうと 終盤に驚かされるはずです。
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新しい石油の加工法を発見した男たち。出資者に証拠を見せるために船に乗り込んだレジナルド・プラット。船から消えたプラット。発見された死体。船に乗り込んでいた謎の男。加工法をライヴァルに売ろうとしていたプラッツの秘密ダブリン警察の捜査で逮捕された容疑者ジャック・ペンローズ。容疑者の婚約者パミラ・グレイの頼みで捜査に当たるフレンチ首席警部。 2009年5月14日初読 2011年8月1日読了 市川図書館
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「マギル卿〜」と同じく北アイルランドが舞台。読んだ感覚的には、「サウサンプトン〜」に「マギル卿〜」が加わって、 裁判風景は「クロイドン〜」を思い出させ、最後が「死の鉄路」と同じく女性の活躍。最初の事件が起こるまでが ちょっと長く感じるが、事件が起きてからは一気に進む。目新しいパタ...
「マギル卿〜」と同じく北アイルランドが舞台。読んだ感覚的には、「サウサンプトン〜」に「マギル卿〜」が加わって、 裁判風景は「クロイドン〜」を思い出させ、最後が「死の鉄路」と同じく女性の活躍。最初の事件が起こるまでが ちょっと長く感じるが、事件が起きてからは一気に進む。目新しいパターンは北アイルランドのマクラング刑事と スコットランドヤードのフレンチ首席警部の捜査がそれぞれの土地で交互に行われ、それによって話が進んでいく もの。 また、状況証拠のみでも、無罪の者が裁判にかけられてしまう恐さも示そうとしているのか。 そういう意味では「クロイドン〜」とは逆のパターンとなる。
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