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まりしてんギン千代姫 の商品レビュー

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14件のお客様レビュー

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2013/02/24

跡継ぎの男子がいなかったため、 7歳の時に、家督の全てを継いだ誾千代姫。 12歳の時に、千熊丸(後の立花宗茂公)を婿に迎える。 戦国末期、江戸を駆け抜けた立花宗茂の妻 誾千代姫の生涯。 誾千代姫は、小さい頃からの武の鍛錬をし、 鉄砲も打ち、軍議にも口をだすような男勝りで勝気な性...

跡継ぎの男子がいなかったため、 7歳の時に、家督の全てを継いだ誾千代姫。 12歳の時に、千熊丸(後の立花宗茂公)を婿に迎える。 戦国末期、江戸を駆け抜けた立花宗茂の妻 誾千代姫の生涯。 誾千代姫は、小さい頃からの武の鍛錬をし、 鉄砲も打ち、軍議にも口をだすような男勝りで勝気な性格。 夫には嫉妬深く夫婦も不仲で、わがままに暮らす女性という あまりよくない印象で思われている姫らしいです。 でもこの小説での、誾千代姫は、 領主としての自負を持ちながら、いつも心強く、 夫との信頼関係のもとに、時に陰日なたとなり、 夫と家を守り続ける。作者が書きたかったという 「強くて、ひたむきな女性」そのものです。 そして摩利支天(まりしてん)とは、 勝利をもたらす軍神ながら、 陽炎のごとく光に満ちた美しい女神という意味。 待女からみると、誾千代姫は、強くて聡明な部分と、 美しくて優しい両面が見えて、 それをまりしてんに例えたように思えます。 夫 宗茂を愛し尊敬し、やきもちも焼くことも あるけれど、分をわきまえて、行動はとても現実的。 とても聡明さを感じます。このころの女性としては、 「自分のことは自分で決める」という意思を持って 行動することが、ありえないことだったのかもしれないので、 そんなところがわがままと語り継がれたのでしょうか。 そして誰よりも、そんな誾千代姫を受け入れた夫 宗茂の、 包容力と柔軟さが、すごい。もともと、ちょっと頼りない 幼馴染だった千熊丸なのに、妻となった誾千代姫を心から愛し、 たぶん城督であることも尊重し、気があう同志のように認めている。 なんともしなやかで心ひろい人。唯一家康に旧領を回復してもらった 「決して裏切らない」という頑固さがある大名としても有名です。 価値観に揺らぎがないのかな、と、かっこよく思えました。 時代小説ですが、戦いの場面はあまりでてきません。 お互い信頼、深く心を通じ合い戦国時代を生きた、 夫婦の物語のように感じます

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2013/01/22

もーなんか立花夫妻がお互いを好き過ぎてどうしようかと。山本先生作品は以外と恋愛要素多いよね(^ω^)

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2012/12/05

月刊文庫「文蔵」に連載されたものに加筆して単行本化。 筑後の立花宗茂のことは、葉室麟の近著「無双の花」にも描かれているが、その妻のぎん千代姫について、そばに仕えた目から摩利支天の化身と見えたと描かれている。 7歳で父戸次道雪から立花城を譲られ、女子を集めて胴丸を付け薙刀を持ち...

月刊文庫「文蔵」に連載されたものに加筆して単行本化。 筑後の立花宗茂のことは、葉室麟の近著「無双の花」にも描かれているが、その妻のぎん千代姫について、そばに仕えた目から摩利支天の化身と見えたと描かれている。 7歳で父戸次道雪から立花城を譲られ、女子を集めて胴丸を付け薙刀を持ち鉄砲の訓練に励み、父の良友の息子を婿に迎えて支える。立花に改姓して、秀吉によって柳川十万石に取り立てられる。 夫が戦で不在の時は女子組を率いて領内見回り、夫と心を通わすが、子ができず、夫が京から側室を迎えたため城を出て別居する。 秀吉の死後大坂方について敗戦、領地を失って、加藤清正に預けられた後も、旧領回復を目指す夫にはついて行かず、出家する。 戦国時代、武将の妻というより、女性そのももの生き方を摸索したように描かれていて、なかなか感動的なさくひん。

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2012/12/11

筑前立花城の城督・ぎん千代姫は、千熊丸(後の立花宗茂)を婿に迎えるが、祝言を挙げ、落ち着く間もなく、筑前・筑後は戦乱のるつぼと化す。 「戦国の世は、女にとって生きづらい、でも強く生きたい」と願うぎん千代は、悩み迷いながらも、自ら鉄炮隊を率い、迫りくる敵に立ち向かう。 陰に日向に二...

筑前立花城の城督・ぎん千代姫は、千熊丸(後の立花宗茂)を婿に迎えるが、祝言を挙げ、落ち着く間もなく、筑前・筑後は戦乱のるつぼと化す。 「戦国の世は、女にとって生きづらい、でも強く生きたい」と願うぎん千代は、悩み迷いながらも、自ら鉄炮隊を率い、迫りくる敵に立ち向かう。 陰に日向に二人を支えていたぎん千代の父・戸次(立花)道雪は戦陣で病没、宗茂の父・高橋紹運も討ち死にし、立花城は島津の大軍に取り囲まれる。 ぎん千代は、夫・宗茂とともに、いかにしてこの危機を乗り越えるのか。 やがて豊臣秀吉の天下から関ヶ原の戦いへと時代が大きく変わりゆくなか、立花家を預かるぎん千代、そして宗茂の運命は…。 『利休にたずねよ』の山本兼一氏が、「強くて、ひたむきな女性を描きたかった」として選んだのがぎん千代姫。人気の武将・立花宗茂の妻にして、天下人・秀吉や猛将・加藤清正にも一目置かれた凛々しい姫の、秘められた生涯を活写する時代小説です。

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