ミステリ作家の嵐の一夜 の商品レビュー
イギリスの作家G・M・マリエットの長篇ミステリ作品『ミステリ作家の嵐の一夜(原題:Death and the Lit Chick:St. Just Mystery,2)』を読みました。 『コージー作家の秘密の原稿』に続き、G・M・マリエットの作品です。 -----story--...
イギリスの作家G・M・マリエットの長篇ミステリ作品『ミステリ作家の嵐の一夜(原題:Death and the Lit Chick:St. Just Mystery,2)』を読みました。 『コージー作家の秘密の原稿』に続き、G・M・マリエットの作品です。 -----story------------- ミステリ作家とその卵、ファンや作家エージェントの交流会である病院到着時死亡(デツド・オン・アライバル)会議。 その会期中に、新進女性作家キンバリー・カルダーの成功を祝う出版社主催の宴が古城ホテルで開かれることになった。 同業者たちの妬み渦巻く嵐の夜、停電で跳ね橋が動かなくなり半ば孤立した城で惨劇が……。 欧米の出版事情をコミカルに描きつつ、巧みに伏線を忍ばせた、傑作犯人探し(フーダニツト)ミステリ。 訳者あとがき=吉澤康子 ----------------------- 2009年(平成21年)に発表されたセント・ジャスト警部シリーズの第2作にあたる作品です。 スコットランド・エジンバラ郊外に建つ由緒ある古城ホテル「ダルモートン・キャッスル」… 出版社の社長が、この古城ホテルの近くで開催したミステリ関係者たちの会議中にパーティーを開き、英米のミステリ作家やエージェントたちが招待され、自社の超売れっ子若手作家であるキンバリー・カルダーを表彰し、その功績を称える、、、 ところが、このキンバリー・カルダーは、ミステリ作家たちに甚だ評判が良くない… 自信たっぷりで自己中心的で高飛車、謙虚のけの字も感じられないとあって、嫉妬、非難、恨みを一心に集めていた。 さらに彼女がエージェントを鞍替えするのではという憶測も加わり、会議は始まる前から波乱含み… そんな中、大嵐により濠に囲まれて事実上の密室状態となったた古城の壺状地下牢(ボトル・ダンジョン)でキンバリー・カルダーの死体が発見される、、、 ちょうど会議で講演することとなっており、古城に滞在していたセント・ジャスト警部が地元エジンバラ警察に協力する形で捜査にあたることに… 虚実ないまぜになった、ひと癖もふた癖もある大勢の容疑者の証言から、セント・ジャスト警部はどのように殺人犯と動機を導き出していくのか……。 前作に続き、アガサ・クリスティの作品を読んでいるようなクラシックな雰囲気が印象的… 本作は容疑者だらけの殺人を巡る犯人捜しが中心となっています、、、 いやぁー 登場人物が多く、相関関係や一人ひとりの人物像が掴みにくく、やや苦しみましたが、トータル的には及第点でしたね… シリーズ第3作も刊行されているようですが、日本では翻訳されていないようです。残念。
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セント・ジャスト警部物2作目。 クラシカルな雰囲気は相変わらず。 管轄外の事件だったのだけど、地元のムーア警部達が良いキャラだったなぁ。 派生で彼らが主人公のミステリも読んでみたくなりましたよ。 そのうち書いてくれたら嬉しいな。 そして……な、なんとセント・ジャスト警部(43歳)が恋に落ちてしまった!(笑。 なかなか前途多難っぽいですけどね。 ラストの本屋のシーンは、前作を読んでいるとクスッとしますよ。 チック・リット(英語: chick lit)は大衆小説のジャンルで、「個々の主人公の試練と苦難に焦点を当てた、ヒロイン中心の物語で構成されている」もののことを指す。 wikipediaより https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%88
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2014年10月4日読了。 作家たちの本音トークは面白かったけれど、謎解き部分は今一つで残念。
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読者を惑わすための伏線をたくさん張ったはいいけどうまく収束できず…なパターン。 ちょっと消化不良に感じました。 うまくまとめればすごくおもしろそうな伏線張ってたんだけどな~。 惜しいな~。
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孤立した古城のホテルで新進女性作家が殺された。 容疑者は作家、エージェントなど出版関係者ばかり。誰も彼もが被害者に思うところあって…。 セント・ジャスト警部もの二作目。 フーダニットという割には…うーん、ちょっと卑怯じゃね?と思ったり。犯人は登場した瞬間に見当がついたり。 キャ...
孤立した古城のホテルで新進女性作家が殺された。 容疑者は作家、エージェントなど出版関係者ばかり。誰も彼もが被害者に思うところあって…。 セント・ジャスト警部もの二作目。 フーダニットという割には…うーん、ちょっと卑怯じゃね?と思ったり。犯人は登場した瞬間に見当がついたり。 キャラクタの作りは悪くないんだけどなぁ。 料理し損ねている部分もあるので、モヤモヤが残る。
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ミステリー作家たちが集った古城の中で、誰もに憎まれた新進流行作家が殺された。ある嵐の夜の密閉された古城の中というシチュエーション、容疑者はミステリー作家たちというセレブな面々、そして被害者に対して誰もが一物を抱えているという、古き良き探偵小説を現代にミックスさせて甦らさせたセント...
ミステリー作家たちが集った古城の中で、誰もに憎まれた新進流行作家が殺された。ある嵐の夜の密閉された古城の中というシチュエーション、容疑者はミステリー作家たちというセレブな面々、そして被害者に対して誰もが一物を抱えているという、古き良き探偵小説を現代にミックスさせて甦らさせたセント・ジャスト警部シリーズ第2弾。 アガサ賞を受賞した前編の余韻からか物語全般にわたるアガサ・クリスティー作品へのオマージュに加え、様々なミステリー作品も折々に登場し、ミステリーファンは思わず顔がほころびます。(笑) クリスティばりに次々と出てくる登場人物の名前と経歴を覚えるのに最後まで難渋しましたが、途中まではまさにクリスティのような展開に、若干のシニカルなユーモアも加わってなかなか良かったのではないかな。それに、セント・ジャスト警部の恋心もうまくかかわってきて、それなりに面白く読ませてくれました。 ただ、こういう本格推理(?)ミステリーはフィニッシュの謎解きがコケると全てが台無しになってしまうものですが、本作もどうやら・・・。何せ、悪い意味で、ええっ!この人が犯人なの?だって、あまりにも○○○○○のに!最後の一同に会しての謎解きも何だそれ!みたいな。(笑)そういう結末になったが故に、せっかく途中まで引っ張ってきた被害者の性格描写も破綻し、容疑者たちのそれぞれの伏線経過も途中で断ち切られた感じで、フラストレーションが溜まる安直なフィニッシュだと言えるでしょう。さらに言えば、次回作以降に引きずるつもりかもしれませんが、セント・ジャスト警部の恋の行方も、えっ?てな感じでこれにも・・・。クリスティが得意とした掘り下げた個々の人物像の描写と、事件全体を覆う雰囲気がいまいちなのも残念なところ。 いやー、本歌取りの難しさなのか、そもそも本歌に及ぶべくもないというか、安直に走らずもっと知的鍛練をしてほしいと思った「途中まで」な作品。
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フーダニットと銘打たれていますが、そもそもフェアじゃないような(´・ω・`)うーん 前作でも感じたけど、謎解き部分で突然、「読者が事前に推測し難い事実(しかもそれが犯人指摘に重要)」を探偵役がいけしゃあしゃあと言ってのける、という部分があまり好ましくなく感じてしまいました。フー...
フーダニットと銘打たれていますが、そもそもフェアじゃないような(´・ω・`)うーん 前作でも感じたけど、謎解き部分で突然、「読者が事前に推測し難い事実(しかもそれが犯人指摘に重要)」を探偵役がいけしゃあしゃあと言ってのける、という部分があまり好ましくなく感じてしまいました。フーダニットを名乗ってるから余計に…(´・_・`) 「巧みに伏線を忍ばせた」という言葉もあるし、私自身の読み込み不足かもしれませんが、前作に続いて今作でも同じ印象を受けた、というのがやはり引っかかりました(´・_・`) 登場人物が個性的で書き分けがうまかったり、前作では地味な印象の強かった警部に恋のお相手を置くことで人間味を持たせたり、とキャラクタに関しては前作以上の読み応えを持たせていますし、犯行時刻のタイムテーブルが非常にシンプルで分かりやすいという点もいいね!を付けたいのですが、あのラストがやっぱり腑に落ちないので評価は辛めになってしまいました。 多数の容疑者の描写や、ややもすると退屈になりがちな聞き込み部分のリーダビリティは抜群な作家さんだと思うので、次作に期待!(*^^*) 新進気鋭の女流作家・キンバリーが殺害された。嵐で孤立した古城に滞在していた作家達には彼女を殺す動機がふんだんにあり、居合わせたセント・ジャスト警部は個性の強過ぎる彼等への尋問に辟易していた。 二転三転する証言、嘘の上に嘘を塗り固める容疑者達…捜査陣が犯人像に迫る中で発生した第二の事件が、セント・ジャストに真相を指し示す! 男やもめのセント・ジャストの恋模様も描かれる、シリーズ第二弾。
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