葬られた王朝 の商品レビュー
スサノオは朝鮮半島から渡来した人々であり、そのスサノオを始祖としてオオクニノヌシに連なる王国が出雲に出現し、数百年間にわたって日本を支配した王国があったとされる説。 いわゆる梅原史観とされる独自の逆説的な考え方で、著者自身が『神々の流竄』において藤原不比等が歴史を改ざんしたとさ...
スサノオは朝鮮半島から渡来した人々であり、そのスサノオを始祖としてオオクニノヌシに連なる王国が出雲に出現し、数百年間にわたって日本を支配した王国があったとされる説。 いわゆる梅原史観とされる独自の逆説的な考え方で、著者自身が『神々の流竄』において藤原不比等が歴史を改ざんしたとされる主張を変えている。それは、2000年に出雲大社付近に伝承通りの50mに達するような巨大柱が建っていた証拠となる遺跡が発掘されたからであり、これほどの建造物をつくれる古代王朝が存在していた証明となる。 皇国史観にとっては、出雲王朝が朝鮮由来という説は都合が悪いのかもしれない。しかし、縄文時代後期の10万人以下だった人口が弥生時代には60万人に達したと言われる中では、相当数の渡来人がやってきたのだろうし水田耕作や初期鉄器といった技術を携えてきたことは想像に難くない。 いずれにしても、古事記の記載には解釈次第で後の時代の人々がアレンジできる余地が多々残されているわけで、それらをファンタジー的に表現していくのは面白いのかもしれない。
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スサノオは韓国から来た帰化人だったのか。古代も大陸や韓半島との交流が盛んだったんだな。日本の重心が九州や山陰にあって、今の日本とは全然違う感じだったのだろう。越の国との交流や、その他色々な出来事が地元に息づいて残っているんだな。出雲の国の痕跡を見に行かないとなと思った。出雲大社を...
スサノオは韓国から来た帰化人だったのか。古代も大陸や韓半島との交流が盛んだったんだな。日本の重心が九州や山陰にあって、今の日本とは全然違う感じだったのだろう。越の国との交流や、その他色々な出来事が地元に息づいて残っているんだな。出雲の国の痕跡を見に行かないとなと思った。出雲大社を含めて。今後も新たな遺跡とかが発掘されて新しい説が出てくる事を期待したい。しかし藤原不比等はすごいな。スクナヒコナもユニークだ。古事記と日本書紀が両方編纂された理由や古事記はずっと人の目に触れていなかったようなので、そう行った諸々のことをもっと知りたくなった。
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富雄丸山古墳の発見とか梅原先生が聞いたら、何て言うかなぁ、と思いながら読了した。 歴史や考古学の専門家とは違う広さで大きく捉えていく。昔ほど梅原節は炸裂しないが、え?と思う発見や刺激がある。
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「~に間違いない」「~ではあるまいか」「~ように思われる」「~のであろう」といった推断がとにかく多いのが気になった。 以前に「荒神谷・加茂岩倉遺跡の弥生時代と、記紀風土記が編纂された時代では、時間的にかけ離れている。遺跡と文献資料を安易に結びつけることはできない」という考古学サ...
「~に間違いない」「~ではあるまいか」「~ように思われる」「~のであろう」といった推断がとにかく多いのが気になった。 以前に「荒神谷・加茂岩倉遺跡の弥生時代と、記紀風土記が編纂された時代では、時間的にかけ離れている。遺跡と文献資料を安易に結びつけることはできない」という考古学サイドの本を読んでいたこともあって、それらを結びつけて論じられるのも、ちょっとうーんといった感じ…。 現地の写真がフルカラーで紹介されているのはよかったです。
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神話の世界であった出雲王朝が近年の遺跡、文物の発掘で証明されてきた。「古事記」「日本書紀」に語られた内容を吟味するが、後世の都合よくねじ曲げられた話も推理しながら組み立てていくのも根気が要る事ながら楽しいことなのだろう。本著でふれられた藤原不比等の歴史的役割が大きいことも興味深か...
神話の世界であった出雲王朝が近年の遺跡、文物の発掘で証明されてきた。「古事記」「日本書紀」に語られた内容を吟味するが、後世の都合よくねじ曲げられた話も推理しながら組み立てていくのも根気が要る事ながら楽しいことなのだろう。本著でふれられた藤原不比等の歴史的役割が大きいことも興味深かった。2019.8.31
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(01) 「おわりに」とする終章で,「出雲国造神賀詞」が引かれる.そこで「己(天のほひの)命の児天の夷鳥の命にふつぬしの命を副へて,天降し遣はして」とあるのを,「(アメノホヒは)息子のアメノヒナドリをフツヌシに添えて遣わした」としている.この場合,素直に読めば,副使はアメノヒナド...
(01) 「おわりに」とする終章で,「出雲国造神賀詞」が引かれる.そこで「己(天のほひの)命の児天の夷鳥の命にふつぬしの命を副へて,天降し遣はして」とあるのを,「(アメノホヒは)息子のアメノヒナドリをフツヌシに添えて遣わした」としている.この場合,素直に読めば,副使はアメノヒナドリではなく,フツヌシではないだろうか. 著者にとっては些細な誤りかもしれないが,厳しい読者からすれば,このように粗い読みで積み上げられた立論そのものの説得力がなくなってしまうようにも思う.特に,本書でも断定的な論調が散見されるが,その断定が強ければ強いほど論拠が怪しまれてしまうように感じられる. 古代の出雲に王朝(著者は王国とも表現する)があったかどうかはともかくも,出雲に関わる記紀やその他の文献の記述や,現地に遺された遺物や遺跡そのものは,興味深い.それらを観光ガイドなみには紹介した点での本書の価値はあるが,それ以上ではないように思う. 著者との確執も指摘されている司馬遼太郎は,例の「街道をゆく」シリーズの「砂鉄のみち」で昭和50年に出雲近辺を歩いている.司馬は古代から近世にかけてこの地方で生産された鉄を日本文化の進展をみるうえで非常に重視していることが分かる.それは素人目にも出雲の古代のテキストと関連があるように思われる. 著者は比較的知られている司馬のこの著者を読んだ上で黙殺したのか,それとも単に読んでいないのか.いずれにせよ本書では,銅の生産には着目しているものの,鉄についての言及はほぼない.そのことからしても本書のさまざまな立論の論拠は薄いように思うが,どうだろうか.
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読み物としてサラッと読むには面白いと思う。 歴史的な見解については読者ごとに感じるところがあると思うので特に触れない。 読みながら、ああでもないこうでもないと考えながらページをめくる幸せがあると思う。
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高校時代に「隠された十字架」「水底の歌」を読んで以来、久々の「梅原史観」。従来は常識とされていた考えに次々メスを入れていく手法は、久々に読むと痛快かつ新鮮。錆付いていた私自身の思考に「喝」を入れるいい機会になった(笑)。 藤原不比等については、梅原氏がNHK教育テレビの講座に出演...
高校時代に「隠された十字架」「水底の歌」を読んで以来、久々の「梅原史観」。従来は常識とされていた考えに次々メスを入れていく手法は、久々に読むと痛快かつ新鮮。錆付いていた私自身の思考に「喝」を入れるいい機会になった(笑)。 藤原不比等については、梅原氏がNHK教育テレビの講座に出演されていた時から主張されていたと記憶している。今回の出雲王朝についての考察も、その延長だろうか。 私が高校時代、梅原氏の講演を聞く機会に恵まれたが、テレビでの穏やかな語り口と違い、自身の思いを熱く語られたことを今でも思い出す。 いつまでもお元気でいて下さい。
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以前NHKで見た番組で名前だけ控えていたら有名な方のようで、少し期待して読む。 古代出雲は興味がありつつも、ほとんど本を読んでない私が指摘するのもどうかと思うが…考察が物足りない部分が多かった。 視点は面白く、文中の縄文土器の妊婦姿で腹の部分に線が入ってる訳をアイヌの乳児や妊婦が...
以前NHKで見た番組で名前だけ控えていたら有名な方のようで、少し期待して読む。 古代出雲は興味がありつつも、ほとんど本を読んでない私が指摘するのもどうかと思うが…考察が物足りない部分が多かった。 視点は面白く、文中の縄文土器の妊婦姿で腹の部分に線が入ってる訳をアイヌの乳児や妊婦が死亡した時の埋葬と類似させているところなどは理解できつつも、なぜ古墳にそれが埋葬されるのかまでの考察がされてない…ような箇所が多く、そこが飛躍的と思わざるを得ない部分でもあった。もう少し突っ込んで欲しかった。 あと藤原不比等が好き?なのかな。彼のことはそんなに知らなく印象だけど、彼が関わったのではと指摘する事業をどれだけ有能とはいえ一代でそこまで出来るのかな?と少し疑問に思う。 ただ出雲神話をめぐる旅の本とすれば写真や各所の宮司から聞いた話など色々楽しめ、文章も読みやすく本自体もスラスラと読めた。 この本を読んで、逆に遺跡等から着想を得た出雲神話の本が読みたくなったので、そうゆう意味でも読めてよかったと思う。
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単行本で出たときから早く読みたいと思っていた。意外と早く文庫になったので早速買って読んだ。スサノオは朝鮮半島からやって来た。ヤマタノオロチはヒスイの出る越の国から出雲を支配しに来ていた豪族たち。スサノオがその悪い連中をやっつけて出雲でヒーローとなる。そして、スサノオから6代目の子...
単行本で出たときから早く読みたいと思っていた。意外と早く文庫になったので早速買って読んだ。スサノオは朝鮮半島からやって来た。ヤマタノオロチはヒスイの出る越の国から出雲を支配しに来ていた豪族たち。スサノオがその悪い連中をやっつけて出雲でヒーローとなる。そして、スサノオから6代目の子孫にあたるオオクニヌシは出雲で力を持ち、さらに越の国をはじめヤマトまでも支配。けれどもその後、最終的には国譲りを余儀なくされることとなる。そして、出雲に引っ込み、出雲王朝の存在は神話的なフィクションとなってしまう。しかし、近年の荒神谷遺跡・加茂岩倉遺跡の発掘により、現実のものとしてよみがえる。あたかも、スサノオやオオクニヌシがわれわれの存在に再度目を向けよと言わんばかりに。そして、やはり出てきたタタリ。出雲大社はオオクニヌシのタタリを恐れて建てられたものではないか。そしてそれを指示したのはやはり、藤原不比等か。おもしろい。法隆寺は聖徳太子の怨霊鎮魂。柿本人麻呂も石見に流罪となり水死。その怨霊がまつられている。このあたりにも不比等は関係する。この男、相当な人物らしい。私には「大仏開眼」というドラマの不比等のイメージが強すぎるのだけれど。さて、本書は写真が豊富で、しかも、私自身が訪れた地も多く、わくわくしながら読みすすめました。どれもこれも田舎にあるわけだけれど、八本杉ののんびりした写真が私は好きだ。
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