手紙 の商品レビュー
最初のページから、その瑞々しさのとりこになった。 読み始めるとすぐ入り込める。 早く内容を知りたい、 けど、読み終えるのが惜しい。 久しぶりにそんな本に出会えた。 訳がまたいい。 とても自然な生き生きした日本語。 大切に大切に読んでる。
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1900年と現代にそれぞれ暮らす恋人同士の書簡という体裁をとる特異な小説。 男性は兵士として凄惨な戦場を生き、女性は恋人を思いながら独身女性として老いていく。 「2人が異なる時代を生きていることが明記されている裏表紙がネタばれになっている」というレビューがあちこちに見られるけれど、こうした事態になったいきさつやロジックは最後まで明かされないしそれを探るタイプの小説ではない。 むしろ予め知らされていなければ違和感を抱えながら読者は時間軸の歪みに確信を持てないままだろう。 鮮烈な中国本土の戦場の描写と、物質的に満たされ恋人以外の男性と関係を持ちながら休まることのない女性の生きざまとの対比がそれぞれの悲劇を増幅させる。
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手元に届いてすぐ、一気に読みました。 これからも、繰り返し読み返すことになるでしょう。 大切にします。
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各新聞社の書評でも評価が高い一冊。ロシアの人気作家の手になる意欲的な作品。 書簡体小説という形式を取り入れながら、当の恋人同士と思われる書き手たちは、100年の時代を越えて存在するという実験性に衝撃が走る。単なるSFではなく、淡々と交換される手紙の中味が中盤から後半にかけて二つのリアリズム小説という域まで高まっていくところが圧巻だった。
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