カンパニュラの銀翼 の商品レビュー
第二回アガサ・クリスティー賞受賞作。 第一回の作品もそうだったが、これも衒学的な要素が多い作品である。 アガサ・クリスティー賞ってこういうのが好きなんだろうか?それともたまたまか。 ミステリを対象にした賞だが、この作品については、ミステリの要素は少なく、むしろ幻想的かつ耽美的な...
第二回アガサ・クリスティー賞受賞作。 第一回の作品もそうだったが、これも衒学的な要素が多い作品である。 アガサ・クリスティー賞ってこういうのが好きなんだろうか?それともたまたまか。 ミステリを対象にした賞だが、この作品については、ミステリの要素は少なく、むしろ幻想的かつ耽美的な物語となっている。 現在と過去の話が入れ子のようになっていて、時間の流れもまたこの物語の重要な要素ではないかと思われる。 最初は得体の知れない無機質な人物のように思われたシグモンドという人物が、だんだん人間性をあらわにしていく様にとても惹きつけられた。 論理学や高度な言葉遊びなど、計算されつくした構成だが、読みにくいほどではなく、作者の作る世界に心地よく幻惑される。
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キャーー! ゴシック&耽美要素満載で、でも論理的と言うか、言語遊びと言うか。本格的で、好きな人は絶対に好きな作品。
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これはラノベだ。 衒学的と言えば聞こえはいいが借り物を表層的に貼り付けているだけで底が浅く、エンタテイメントと表現するよりバラエティと言った方が良いほど雑多な作者の興味が並んでいるだけ。表面を覆う華燭成分を取り除いたとき骨格として残るものは貧弱だ。読ませたいという思いより書きたい...
これはラノベだ。 衒学的と言えば聞こえはいいが借り物を表層的に貼り付けているだけで底が浅く、エンタテイメントと表現するよりバラエティと言った方が良いほど雑多な作者の興味が並んでいるだけ。表面を覆う華燭成分を取り除いたとき骨格として残るものは貧弱だ。読ませたいという思いより書きたいという欲求で書かれた小説に感じる。なのでラノベに区分する。
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鬱病の人とかは読んじゃいけないやつだ。引きずり込まれますよ 感情とロジックをバランスよく持たないと狂うのでしょう 成長が客観ではなく主観を増やす原因とは驚き 学びの結果はすべて自分のために使われるからそうならざるを得ないのかなあ 不思議が詰め込まれていました
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文章がとても幻想的で、綺羅を尽くした耽美な表現はとても心地いいです。 高貴な血に潜む真実、死神のような男の謎、辻褄合わせの時間など、 眩暈のするような美しい物語に感動しました。 本格ミステリなのかなと勝手に思っていたのですが、 ミステリの要素だけでなく、哲学的であり、 怪奇小説...
文章がとても幻想的で、綺羅を尽くした耽美な表現はとても心地いいです。 高貴な血に潜む真実、死神のような男の謎、辻褄合わせの時間など、 眩暈のするような美しい物語に感動しました。 本格ミステリなのかなと勝手に思っていたのですが、 ミステリの要素だけでなく、哲学的であり、 怪奇小説なようでもあり、様々な面で楽しめました。 銀翼のシーンがまた美しく、夜空を翔ける姿に、 暗闇からは死への恐怖と、死への安らぎを感じます。 最後は物悲しいけれど、よかったと安心することができました。 とても好きな物語です。
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前2作読んでいて、好きな世界を書いてくれる作家さんやなと思てましたんで、クリスティー賞受賞は大変喜ばしいです。 今回もなにやら妖しげな世界を紡いで下さっております。素敵。 これを機にデビュー作文庫化せえへんかなー。 図書館で借りて大変気に入ったので買おうとしたら絶版なのだった…。
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ちょっとBLを思わせる表紙につられて手に取りましたが、中身は正真正銘の外国作品。登場人物の長い名前を覚えるのに時間がかかり、ストーリーもなんだかあまり展開せず、もたもたとした思いで読んでいました。 堕落した資産家の子息の替え玉として名門大学で学び、子息の優秀な外面づくりをさせら...
ちょっとBLを思わせる表紙につられて手に取りましたが、中身は正真正銘の外国作品。登場人物の長い名前を覚えるのに時間がかかり、ストーリーもなんだかあまり展開せず、もたもたとした思いで読んでいました。 堕落した資産家の子息の替え玉として名門大学で学び、子息の優秀な外面づくりをさせられていたエリオットは、ある日、子息が死亡したことによって役目が終了し、お屋敷を追い出されます。もとは使用人の子であったエリオットを本物の兄だと思って、慕っていた目の見えない妹は、真実を知ってもエリオットについていく道を選びます。そんな二人の前に、シグモンドと名乗る美しい男性があらわれて・・・。このシグモンドの美しさにはとても忌まわしい秘密がありました。 堅い雰囲気で始まりだし、なかなか話の中へ入り込めませんでしたが、中盤あたりからやっと面白くなってきました。 「濃すぎる血」。これがキーワードですが、1920年代のヨーロッパ、貴族社会には、こんな隠された忌まわしい慣習があったのでしょうか。生まれて来る子供はその罪をかぶり、五体満足の子は少ないようです。 事件はあっても「謎解き」も「捜査」もないのがこの作品です。第2回アガサ・クリスティー賞受賞作ですが、ミステリーというよりも切ないファンタジーのような気がしました。
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独特の世界に引き込まれた。でも言ってることがなかなかに難しくて、ゆっくりゆっくり読み進めた。読み終わったときの達成感?充足感?(笑)。言ってること難しいのに途中で投げ出したくないおもしろさがあったな。 『アガサ・クリスティー賞』受賞とあったので、ミステリかと思ったら、うーーん、こ...
独特の世界に引き込まれた。でも言ってることがなかなかに難しくて、ゆっくりゆっくり読み進めた。読み終わったときの達成感?充足感?(笑)。言ってること難しいのに途中で投げ出したくないおもしろさがあったな。 『アガサ・クリスティー賞』受賞とあったので、ミステリかと思ったら、うーーん、これ、ジャンルとしては何なんだろう。普通のミステリではないです。
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クリスティ賞受賞だけれどミステリーというより幻想文学。 「時間の感覚」や時の辻褄合わせの時間に現れる死にたがりの”死神”のようなもの、時系列を行ったり来たり、読者もまた時間に囚われていくようで面白かった。 「血の濃さ」「なりすまし」、設定落ちしそうな部分もちゃんと理由があってGood.
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ミステリーより幻想ゴシックファンタジーに振り子の針はよっているような気がする。始めは吸血鬼登場かとも思ったけど、非常に科学的で哲学的。最後まで謎めいていて、それはシグモンドの行動性格の巧みさによるのだと思う。とにかく、ハリウッド辺りで映画化されてもいい様な面白さだった。
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