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日本近代短篇小説選 大正篇 の商品レビュー

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2020/03/06

収録作についての巻末解説がとても良い。〈二葉亭四迷が「浮雲」を書いた40年後に谷崎と芥川が「小説の筋の芸術性」をめぐる論争をしてた〉って所でハッとさせられます。たった40年の間でこれだけ「小説」の書き方が進化した事への驚きと言えば良いのか…。そして、本書に収録されている16編を、...

収録作についての巻末解説がとても良い。〈二葉亭四迷が「浮雲」を書いた40年後に谷崎と芥川が「小説の筋の芸術性」をめぐる論争をしてた〉って所でハッとさせられます。たった40年の間でこれだけ「小説」の書き方が進化した事への驚きと言えば良いのか…。そして、本書に収録されている16編を、この二人の論争である「筋」と「詩的精神」の分布で解説されているのがとても面白くて、収録された作品それぞれマッピングされることで見えてくるものがあってなるほどなぁと。

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2020/02/02

どれもこれも面白い短編で、夢中で読みました。 肩肘張らず読める作品ばかりです。 それでいて、当時の文芸の流れも窺えるような人間観察、心情表現も面白い。 芥川などの誰もが知る有名な文豪から、その時代を象徴しつつもあまり読む機会のない作家、全く名前すら聞いたことのない作家まで、幅広...

どれもこれも面白い短編で、夢中で読みました。 肩肘張らず読める作品ばかりです。 それでいて、当時の文芸の流れも窺えるような人間観察、心情表現も面白い。 芥川などの誰もが知る有名な文豪から、その時代を象徴しつつもあまり読む機会のない作家、全く名前すら聞いたことのない作家まで、幅広い短編作品が集められています。 それがかえって面白い。同じ時代でもこうも文体も内容も変わるのかと楽しい。 文章もいい具合に堅苦しく、読み応えがある。 この時代の人の方が、古典の素養が高いこともあってか、言葉を噛みしめるように味わうことができた。 こうして並べてみると、芥川の文筆の凄さ、語りの力強さとユーモアが浮き出てくる。 既知の作家の特徴までも感じられて、それも新鮮さがあった。 個人的お気に入りは、里見弴と久米正雄、有島武郎の作品、もともと好きだった菊池寛の作品です。 当時の大衆小説の様相が窺われる久米正雄の「虎」は、こちらも掲載作品となった岩野泡鳴の「猫又」内での批判の様子も合わさって、新鮮な感触で読めた作品。 有島武郎の「小さき者へ」は、読んでみたいと思いながら機会がなかった作品。今回読んでみて心に残った作品の一つです。 全体を通し、親子や家族の姿が印象的です。 この時代だからこその家族のあり方がありますが、親になる男の心情がとても細かく描かれていて興味深く思いました。 もちろん、少ないですが、女性の描く女性も印象深い。

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2018/01/12

千葉俊二氏による解説がとてもいい。解説を読むと、それぞれの短編の良さや特徴があらためて理解でき、ああ、そういう視点で見ることができるんだ、ということがわかる。 それに加え、小説論ともいうべき解説もおもしろかった。谷崎の「筋の面白さ」芥川の「詩的精神」漱石の「(F+f)」それを発展...

千葉俊二氏による解説がとてもいい。解説を読むと、それぞれの短編の良さや特徴があらためて理解でき、ああ、そういう視点で見ることができるんだ、ということがわかる。 それに加え、小説論ともいうべき解説もおもしろかった。谷崎の「筋の面白さ」芥川の「詩的精神」漱石の「(F+f)」それを発展させた千葉氏による座標軸「a(s+p)」による分析、表現と内容との二項対立にかみついた里見弴のくだりも興味深い。

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2015/09/10

 初めて読んだ作者がほとんどだった。期待せずに読んだら面白い作品ばかりで、集中して読んだ。あらすじに納得したり、主人公のダメぶりに突っ込みいれたり、個性の強い作品が多かった印象。 田村俊子「女作者」 /上司小剣「鱧の皮」 岡本綺堂「子供役者の死」 /佐藤春夫「西班牙犬の家」 ...

 初めて読んだ作者がほとんどだった。期待せずに読んだら面白い作品ばかりで、集中して読んだ。あらすじに納得したり、主人公のダメぶりに突っ込みいれたり、個性の強い作品が多かった印象。 田村俊子「女作者」 /上司小剣「鱧の皮」 岡本綺堂「子供役者の死」 /佐藤春夫「西班牙犬の家」 里見弴「銀次郎の片腕」 /広津和郎「師崎行」 有島武郎「小さき者へ」 /久米正雄「虎」 芥川竜之介「奉教人の死」 /宇野浩二「屋根裏の法学士」 岩野泡鳴「猫八」 /菊池寛「入れ札」 葛西善蔵「椎の若葉」 /内田百閒「花火」 川端康成「葬式の名人」 /葉山嘉樹「淫売婦」

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2013/05/14

上司小剣氏の『鱧の皮』では、大阪道頓堀の風情がなんとも言えず味わいがあり、また、主人公お文の亭主福造に愛想を尽かしかねるところがいじらしい。 里見弴氏の『銀次郎の片腕』では、牧夫銀次郎の女主人に対する愛情ゆえの大胆な振る舞いに驚いた。

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2013/03/10

大正期の小説を「筋の面白さ」と「詩精神」の和と「私小説度」との積として定義した編者による短編小説選集。巻末の「葛西善蔵の「私小説」と葉山嘉樹の「プロレタリア文学」がひどい。関東大震災後という時代背景が震災後という今の時代背景云々という理由で選ばれたのか。あまり意義を感じないが。そ...

大正期の小説を「筋の面白さ」と「詩精神」の和と「私小説度」との積として定義した編者による短編小説選集。巻末の「葛西善蔵の「私小説」と葉山嘉樹の「プロレタリア文学」がひどい。関東大震災後という時代背景が震災後という今の時代背景云々という理由で選ばれたのか。あまり意義を感じないが。その他の作品は、「筋の面白さ」と「詩精神」の組合せが絶妙で、どれも気に入った。

Posted byブクログ

2013/02/24

「虎」と「猫八」が一冊に収まっているのは後者をきちんと読むのに良かった。内田百閒の短編は幻想的で夢十夜のようだった。どの作者ももっと作品を読んでみたいと思った。

Posted byブクログ

2013/01/09

同時代の作品を同時に読むのは、その時代の息遣いや世相を実感しながら読めるので、こういうアンソロジーは好き。 名作と埋れた作品両方が掲載されており、名作を改めて読み直す機会が得られるとともに、今まで未知だった作品、作家にも出会える。

Posted byブクログ