無花果とムーン の商品レビュー
面白かったけど、主人公の女の子の出自がもっと複雑で壮大な背景があるかと思ったらちがった! 読みやすくて楽しい文章だった。
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コミカルな登場人物達と18歳の多感な主人公の不思議だけどリアリティな物語 超絶可愛いちょっとツンデレ?な苺苺苺苺苺(苺が5つで「いちご」って読む)先輩やマスタードをコレクションしている奈落お兄ちゃん、天才的現実主義者の一郎兄貴等癖のある登場人物達がとても魅力的だと思った。そ...
コミカルな登場人物達と18歳の多感な主人公の不思議だけどリアリティな物語 超絶可愛いちょっとツンデレ?な苺苺苺苺苺(苺が5つで「いちご」って読む)先輩やマスタードをコレクションしている奈落お兄ちゃん、天才的現実主義者の一郎兄貴等癖のある登場人物達がとても魅力的だと思った。そも、主人公が「もらわれっ子」でパープルアイで狼の歯を持ってる時点で、なかなかコミカル感がある。それでいて町の年一回のお祭りが「UFOフェスティバル」なのだからもうおもしろい。すこし不思議の国のアリスっぽいコミカルさを感じた。 しかし、物語の初めから「こぉんなに悲しいまんま、どこにいったらいい?」から「とつぜんのお葬式なんです」と始まる。大好きな人が突然亡くなって悲しくてでも泣けないまま、なにも分からなくなった18歳の主人公に受験や友人関係、家族関係が重くのし掛かる。 そして、そこに一生に一度だろう奇跡が起こる。 登場人物のコミカルさとリアリティな心情のギャップがすごくいいなと感じる物語だった。
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表紙に惹かれて手に取ったけど、読み始めたら物語にどんどん引き込まれていってあっという間に読み終わってしまった。主人公の月夜にイライラしてしまうところもあったけど、月夜と同化?できる文章で物語が書かれていたから、不思議な感じで面白くてスラスラ読めた。月夜の秘密は想像通りだったけど、奈落が見た最後の夢が切なすぎて涙がポロリ。 とにかく密と月夜の関係性がすごく好き。密と約のも。お父さんも兄貴もお兄ちゃんもイチゴ先輩も高梨先輩も約も好き。個性的な人たちがいっぱい。 ハッピー・エンドゥとか苺苺苺苺苺とか所々笑える要素もあった。死と向き合って認めて、終わりがはじまり。作者の他の作品も読みたくなった。(2023.8.)
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ある日突然目の前で愛する兄奈落が死んでしまった月夜。喪失感と罪の意識で亡き兄の幻が見える。秘密を抱えて生きる葛藤。アーモンド味のキスが切ない。
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受け入れられない死。 誰かに懺悔したくとも、何から伝えればいいのか一人では考えきれないだろうな。 忘れることなど出来なくても、想い出にしていくことは出来るだろう。
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作風がファンタジー寄りなせいか、ライトノベルのようで自分には合わなかった。 何を読まされたのだろう…と考え込んでしまう。
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読了後、なんとも言えない気持ちになる。 兄の死の原因は何となく予想がついたが、それをどう明かして行くのか、オチをどうつけるのか、その進め方が私にはハマった。
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いろんな思い出があった。その一つ一つが、思いだすごとに強く胸に響いたけれど、その痛みは、昨日まで抱えていた、空虚で出口のない、あのおそろしい苦しみとはもうどこかちがっていた。悲しみの中にもあきらめが、痛みの中にも消えることのない愛情が、失った過去の情景の中にも未来への希望があった...
いろんな思い出があった。その一つ一つが、思いだすごとに強く胸に響いたけれど、その痛みは、昨日まで抱えていた、空虚で出口のない、あのおそろしい苦しみとはもうどこかちがっていた。悲しみの中にもあきらめが、痛みの中にも消えることのない愛情が、失った過去の情景の中にも未来への希望があったのだ。この悲しみはずっと胸にあるけど、きっと止まることなく歩いていけるはず、と思った。(本文より) 読んでいてシンクロするところが多い。フッと死にたくなるけど、この美しい世界にずっと居させて欲しいとも思う、そんな世界観。
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桜庭さん、たぶん二冊目? 周りを砂漠に囲まれた小さな町。忘れ去れたような、少し寂れた町。そこはUFOがくることで少し有名になった町。夏にはそのお祭りでたくさんの外の人たちがやってくる。みんなが浮足立つ、夏の暑い日に、中学三年生の女の子、月夜の兄は死んだ。「ぼく、ずっと月夜にいいたかったことがあるんだよ」そう言ってアーモンドによるアレルギー発作を起こし死んでしまった。19歳の、誰よりもかっこよくて、優しくて、明るい男の子、すてきなあの男の子。先生をしているお父さんが遠足先で見つけた月夜を拾って前嶋家の一員にした。紫の目をして鋭い犬歯をもった女の子、発育不良だと笑われることも、演技っぽいと友達に喧嘩になっても、変わらず優等生をやってきた月夜。月夜は、えいえんに奈落がだいすき。父も兄も、おにいちゃんの奈落の恋人で月夜とは宿命的に合わないイチゴ先輩も、誰もが奈落の死を悲しみ、それでも前に進もうとしているなか、けしてそれを良しとしない月夜は、なりふり構わず悲しみを吠える。 それが現実を歪めていく。 そして起こる、UFO祭りの本番、死者は生者に目を合わす。「ぼくの、パープル・アイ」 桜庭さんの、独特の文体がまるで月夜への感情移入を拒絶しているように思えた。町の全体像も、砂漠の真ん中にポツンとあるという町の設定も、御伽噺めいていて距離を置くように感じる。月夜の、大切な人が死んだことを受け入れたくない、前に進みたくない、未来も、希望もいらない、たったひとり奈落が、おにいちゃんがいてくれたら。そういう感情が振りまく、マイナスを様々な人たちが振り払っていく。私は月夜の気持ちが痛いほどわかった。分かった、と言ったらきっと月夜はきょとんとするだろうけれど、誰よりも大切なひとが死んでしまったら、自分の世界がどんなに残酷に変質するのか私は知っている。そこから這い出ることが、どんな苦しいことか。生者に助けてほしいと叫んでいるのか、死者に一緒に連れて行ってくれと悲鳴を発しているのか、分からなくなる毎日がを送りながら、やがて迎える月夜の夏の終わりが、とても穏やかで本当に良かった。
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綺麗な失恋のお話 愛想よくしないのよ。妊娠しちゃうんだから(抜粋) ずっと逃げたかったんだよ。ほんとはね。 十八歳から十九歳になること、見えない一線を越えることが、なんだかだるくて。発育不良のままでここまできちゃって、大人になることも、変化することも、たいへんそうだし。なんて...
綺麗な失恋のお話 愛想よくしないのよ。妊娠しちゃうんだから(抜粋) ずっと逃げたかったんだよ。ほんとはね。 十八歳から十九歳になること、見えない一線を越えることが、なんだかだるくて。発育不良のままでここまできちゃって、大人になることも、変化することも、たいへんそうだし。なんていうか、積極的な攻撃とかじゃなくて、へたな防衛ばっかりって感じだったあたしの十八年の人生も、もう終わり。現実のパンチにノックアウトされて、終了して、これで楽になるぞって……。へへ……。さよなら、せかい。(抜粋)
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