ローマ帽子の秘密 の商品レビュー
作家エラリー・クィーンは、いまここにデビューした。 「エラリー・クィーン」とはリーとダネイという二人の合作ペンネームと同時に、作中でも同名の作家が探偵役となるという、今ではよくある設定の先駆けのひとつ。 リチャード・クィーン警視とその息子で作家のエラリー・クィーンのコンビが事...
作家エラリー・クィーンは、いまここにデビューした。 「エラリー・クィーン」とはリーとダネイという二人の合作ペンネームと同時に、作中でも同名の作家が探偵役となるという、今ではよくある設定の先駆けのひとつ。 リチャード・クィーン警視とその息子で作家のエラリー・クィーンのコンビが事件を解決することになるが、この作品ではまだ警視である父の存在感が強い。 配下の警察官に鋭く指示を出しながら事件を明らかにしていく様子は、現在も多くつくられている警察小説の原点ともいえる。 犯人は誰だ!いつ、どうやったのだ! まさに、謎解きを突き詰めていくミステリーの原点。 「ローマ帽子の秘密」から国名シリーズが始まり、探偵エラリーは世界中の秘密を探っていく……さあ、始まり、始まり!
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法月綸太郎の本を読んでから知り、シリーズまとめ買いしてこちらから。あれ?なんか、思ったより・・・だった。 外国の名前が覚えにくいのもあったのかもしれない。 次のフランスに期待。
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仲良し親子がw主演の、謎解き舞台。 物語全般に、当時の時代の風俗や価値観が反映されていて、軽くトリップした気分。 これから先も読み進めようと思います。
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旧訳を読んでいないので比較は出来ないが、読みやすい。昔ある作品を読んで、そこではエラリーが苦悩する姿も見せていたが、デビュー作では捜査よりも本が気になって仕方がない・しかし父も気になって仕方がないというクレバーなツンデレキャラ。 叩けば埃が次々と出る被害者、あるべきシルクハットが...
旧訳を読んでいないので比較は出来ないが、読みやすい。昔ある作品を読んで、そこではエラリーが苦悩する姿も見せていたが、デビュー作では捜査よりも本が気になって仕方がない・しかし父も気になって仕方がないというクレバーなツンデレキャラ。 叩けば埃が次々と出る被害者、あるべきシルクハットがないという一点から推理を進めていく点など面白かった。
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エラリー・クインのデビュー作品で国名シリーズ第一弾です。舞台は、ニューヨークのローマ劇場で満席の中で悪徳弁護士のモンティ・フィールドが毒殺された。場内チケットは売り切れ満席の筈が弁護士の前と右側の都合7席には観客が居なかった。 ・チケット販売済みの空席 ・弁護士の消えたシ...
エラリー・クインのデビュー作品で国名シリーズ第一弾です。舞台は、ニューヨークのローマ劇場で満席の中で悪徳弁護士のモンティ・フィールドが毒殺された。場内チケットは売り切れ満席の筈が弁護士の前と右側の都合7席には観客が居なかった。 ・チケット販売済みの空席 ・弁護士の消えたシルクハット ・ジンジャーエールの瓶とウィスキーのフラスク ・ポケットから見つかった婦人用ポーチ ・犯行時前後の時刻は誰も劇場を出入していない 92年前、フレデリック・ダネイとマンフレッド・ベニントン・リーの従兄弟が''エラリー・クイン''のペンネームで本作品でデビュー(彼らの名前もペンネームです)した、昭和4年の作品ですが新訳版なので大変読み易く古臭く感じさせない、改めて世界的ミステリー作家の作品だと感心させられました。尚、新訳版はこの角川文庫と創元推理文庫の二種類が刊行されてます。 満員の劇場で起きた毒殺事件にニューヨークの警視リチャード・クインと推理作家で息子のエラリー・クインがお互いの聡明な洞察力と推理を競い合い、協力し合い、尊重し合いながら真相に近づいて行きます。登場人物は多いですが混乱する事なく読めます。とても良い作品だと思います。
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作家エラリー・クイーンのデビュー作、すなわち探偵エラリー・クイーンのデビュー作でもある。 つい三ヶ月前に旧訳(1960年の井上勇訳)の『ローマ帽子』を読んだとき、正直とてもつらかった。中学生の頃読んだのだから多少訳が古くたって問題なかろうと思って読み始めたもののやっぱり読みづらく...
作家エラリー・クイーンのデビュー作、すなわち探偵エラリー・クイーンのデビュー作でもある。 つい三ヶ月前に旧訳(1960年の井上勇訳)の『ローマ帽子』を読んだとき、正直とてもつらかった。中学生の頃読んだのだから多少訳が古くたって問題なかろうと思って読み始めたもののやっぱり読みづらく、エラリー恋しの気持ちだけでなんとか終わりまでいったけれども、エラリーの魅力もぼやっとしか感じられなかった。“本格ミステリー”と名高い初期エラリー作品「国名シリーズ」は私には荷が重いのか…と思った。 ところがつい数週間前に新訳版の『エジプト十字架の秘密』(角川文庫、2013)を読んだらめちゃめちゃ楽しかった。この差は中身のせいなのか訳のせいなのか確かめたい気持ちもあって、同じ訳者による新訳版の『ローマ帽子』も勢いで読み始めた。新訳でも苦しかったら中身のせい(『ローマ帽子』がつまらん)だけど、もし楽しかったら、他の初期作品も新訳で読めば楽しい可能性大ということだ。 そして結果は、するすると楽しく読み終わってしまった!同じ作品を違う訳で読むことだけでなく、推理ものを、犯人もトリックもまだよく覚えているうちに再読することも、はじめてだったかもしれない。後者の意味での面白さもあったとはいえ、やっぱり時代に合った「新訳版」ってすごいんだなと感じた。新訳ならなんでも良いのか、特にこの訳が好きなのか、ということまで考え出すと、創元推理文庫版も読まなきゃいけなくなってしまう。もしそれを本当にやるなら、国名シリーズの中のお気に入りを見極めてからかな。 ・エラリー、その父リチャード・クイーン警視、その部下の警察の面々(ヴェリー部長刑事ほか)、サンプソン地方検事、プラウティ検死官補、といった主要レギュラー陣が生き生きと描かれる。刑事ドラマっぽい。 ・エラリーもいいけどパパもいい。酸いも甘いも噛み分けた老練な警察官でありながら、息子を溺愛しており憚ることなく息子を自慢し息子に甘い。 ・エラリーはインテリで自惚れ屋で引用癖のある生意気な若者で、台詞もいちいちまだるっこしいのだけど、エラリー以外にもそれなりにもってまわった口調のおじさんたちはいて、総じて会話がくどい。地の文までも時折くどい。そしてそれこそが、私のお気に入りポイントのひとつな気がする。あまりメジャーな作家ではない(と思う)が、森雅裕を初めて読んだときに、たっぷりの皮肉と少々のユーモアが入り交じったその文体に衝撃を受けて「こういうのもっと読みたい!」と思ったときの感覚がよみがえった。そういえばそれも中学生のころだった。中二だった。つまり厨二なのかこの感じは。厨二なのかも。
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※このレビューにはネタバレを含みます
エラリーというより、リチャード警視が主役で、警察小説っぽいことは読んで初めて知った。一時期の社会派のようなクソリアリズムではないけれど、基本的にあまり見せ場のない、淡々とした捜査の描写が続く。にもかかわらず、やたらと面白いから、いっそ不思議なくらい。一方ミステリとしての仕掛けは一点集中で割とあっさり。精緻ではあっても、少し食い足りないかな。
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かの有名な国名シリーズ1作目。 しっかりと読み込めば犯人を当てられる、らしい。 帽子が見つからない理由や容疑者をどのように絞り混んだか等、説明されれば「なるほどなあ」となるのに読んでいる時は気づかない。 クイーン親子が二人三脚で事件に挑むという設定も微笑ましい。
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初エラリーでした! 本当はXの悲劇の予定だったけど買ったやつが文字が激小で目が死んだので次に買っておいた国名シリーズを読みました。 通勤の時などにちまちまと読み進めていたので、犯人やトリックなど当てられなかったけど面白かったです。 アンフェアにならない様に、というのは解説を読んで...
初エラリーでした! 本当はXの悲劇の予定だったけど買ったやつが文字が激小で目が死んだので次に買っておいた国名シリーズを読みました。 通勤の時などにちまちまと読み進めていたので、犯人やトリックなど当てられなかったけど面白かったです。 アンフェアにならない様に、というのは解説を読んで確かに難しい部分だなとは思うけどそれを抜きにしても警察小説的な部分もありながらミステリーだし何より親子が可愛い。 引き続き国名シリーズ読んでいきたいです。
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初めてのエラリー.クイーンいとこ同士二人記念すべきデビュー作1929年(昭和4年)8月刊行。本格派ミステリでありフェアな提示による読者に挑戦の元祖的作品。父リチャード警視と推理作家の息子エラリーがブロードウェイローマ劇場での殺人事件に挑む。約90年前にも関わらず完成度高すぎ。
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