あと少し、もう少し の商品レビュー
久しぶりの瀬尾作品。久しぶりの駅伝もの。この時期に読めてラッキーでした。 中学生のもやもやがいっぱいで、でも終始爽やか。桝井くんの6区があって良かった。 駅伝の面白みもちゃんと伝わる。さ、今年も箱根が楽しみだ。 2012/12/23読了
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中学生の心の奥がじっくり書かれていて、1区2区と読み進めていくのがワクワクしました♪ やはり瀬尾さん最高です☆
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
一人ひとり、さまざまな事情を持つ中学生6人が、紆余曲折を経て学校代表として駅伝に挑戦する姿を描く。 短距離走やマラソン、あるいは箱根駅伝など、走るスポーツを取り上げた青春小説は多い。瀬尾さんが今回取り上げたのは、華々しい舞台の競技ではなく、かなり地味な一地方の県代表を選ぶ中学校駅伝大会だ。 いじめられっ子にツッパリ野郎、芸術家ぶってクールを気取るばあちゃん子などなど、個性豊かな選手のそれぞれの事情を、区間代表ごとに双方向から描き出していく手法で、物語をリズム良く展開させていく。 頼りない顧問の上原先生が次第にいい味を出していくところが好ましい。
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「中学校っていくら失敗してもいい場所なんだって」 「力もないのに機会が与えられるのも、 目に見える力以外のものに託してもらえるのも、今だけだ。」 つい最近まで中学校の教壇に立たれていた瀬尾さんが どれだけ中学生たちを眩しく温かく見つめていたか、 中学生というかけがえのない時期を...
「中学校っていくら失敗してもいい場所なんだって」 「力もないのに機会が与えられるのも、 目に見える力以外のものに託してもらえるのも、今だけだ。」 つい最近まで中学校の教壇に立たれていた瀬尾さんが どれだけ中学生たちを眩しく温かく見つめていたか、 中学生というかけがえのない時期を輝かせようと、どんなに心を傾けていたかが 仲間に襷をつなごうと走る、中学生たちの頭の中に響き渡る言葉に滲み出ていて 何度もぽろぽろ泣いてしまった。。。 いじめられっ子回避のためならどんな努力も厭わない情けないやつ、 と自分を決めつけているけれど、仲間をいつも公平に見守っている設楽。 「やってもできない」ことを認めるのが怖くて、投げ出すことに慣れ 金髪のヤンキーとして暴れ回ってはいても、実は人恋しくて情に篤い大田。 「頼んでもらえるのはありがたいこと。頼まれたら断るな」という母の教えを 素直に守ってすくすくと成長し、周りの空気をいつも和らげるジロー。 両親に捨てられ、祖母との二人暮らしを同情されたくない一心で 人と群れず、知的で孤高な雰囲気を演出し続けてきた渡部。 陸上部入部のきっかけとなった桝井先輩の走りに憧れ、彼自身にも憧れ、 ただ一緒に走りたくて、力になりたくて、先輩だけを見つめてまっすぐ走る俊介。 「日向」という名前そのままに、周りを優しく温かく照らせる人になれ、という 両親の願いに縛られ、トラウマと貧血を抱えながら、それでも爽やかに振舞う桝井。 中学生駅伝を走る6人が、それぞれの区間の主人公となって思いを語っているので、 ひとりひとりの思いが素直に胸に飛び込んでくる上に 同じ場面を別の子が回想するシーンでは、相手が思いもよらない受け取り方をしていたり 本人の知らないところで、仲間が思い遣りに満ちた行動をしていたり、 という種明かしがあって、うれしくなってしまいます。 駅伝のことを全く知らないで顧問になった美術教師の上原先生も のほほんとしているようで、人間観察の目が鋭くて ここぞ!という時、素知らぬ顔でいつのまにか手を差し伸べているのが素敵。 「あと少し!もう少し!」と、信頼できる仲間や先生の声援で 驚くべき成長を見せたり、期待以上の力を発揮してしまう 中学生たちの伸びやかさ、素直さに、心洗われる物語です。
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中学時代、実は駅伝選手でした。 でも補欠。その時期だけ借り出されて練習だけ わらされる。3年間大会に出たことはない。 そんなちょっとツライ思い出の1ページを頭の隅に かすめながら一気読みした。 6人の中学生が襷をつないでいく物語。 特別なことはないただそういう物語。 けど、...
中学時代、実は駅伝選手でした。 でも補欠。その時期だけ借り出されて練習だけ わらされる。3年間大会に出たことはない。 そんなちょっとツライ思い出の1ページを頭の隅に かすめながら一気読みした。 6人の中学生が襷をつないでいく物語。 特別なことはないただそういう物語。 けど、なんだか、彼ら、カッコイイぞ! 先生も味があってスバラシイ!! 私観だが、三浦しをんの「風が強く吹いている」より 感動するぞ!!! 瀬尾まいこさんの小中学生の描写、いいですね。
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2012.12.10 市立図書館 おもしろかった。 登場人物のそれぞれの角度から、それぞれの心情が丁寧にがかかれていて良かった。 淡々と読ませるんだけど、ぐっとくる。 「中学校っていくら失敗してもいい場所なんだって。人間関係でも勉強でもなんだって好きなだけ失敗したらいいって...
2012.12.10 市立図書館 おもしろかった。 登場人物のそれぞれの角度から、それぞれの心情が丁寧にがかかれていて良かった。 淡々と読ませるんだけど、ぐっとくる。 「中学校っていくら失敗してもいい場所なんだって。人間関係でも勉強でもなんだって好きなだけ失敗したらいいって。こんなにやり直しがききやすい場所は滅多にないから」
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ある中学校の陸上部員と、寄せ集めの数人が一緒になった駅伝チームの走者ひとりひとり、そしてみんなの物語。予定調和の青春モノかと思いつつ読み始めたものの、中学生ってこんなふうに考えてるんだっけ、それとも今の時代だから?...と、新たに思うところも多々あり楽しめた。著者はすでに教師を辞...
ある中学校の陸上部員と、寄せ集めの数人が一緒になった駅伝チームの走者ひとりひとり、そしてみんなの物語。予定調和の青春モノかと思いつつ読み始めたものの、中学生ってこんなふうに考えてるんだっけ、それとも今の時代だから?...と、新たに思うところも多々あり楽しめた。著者はすでに教師を辞められたとのことだけど、この年頃の子供たちに対する愛情が滲み出ていて微笑ましい。
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瀬尾まいこさんの新作。 中学生の駅伝のチームのお話は、期待通りとても面白かったです。 1区から6区までの順で物語が進みながら、それぞれのメンバーが語る構成で、気持ちがじんわりしみてきます。走ることについて、チームへの思いなど、駅伝ものというだけでぐっときてしまいます。 それ以上...
瀬尾まいこさんの新作。 中学生の駅伝のチームのお話は、期待通りとても面白かったです。 1区から6区までの順で物語が進みながら、それぞれのメンバーが語る構成で、気持ちがじんわりしみてきます。走ることについて、チームへの思いなど、駅伝ものというだけでぐっときてしまいます。 それ以上にこの作品で良かったのは、どの子も抱えている悩み、葛藤などが書かれているところ。自分自身のことと、周囲とどうやって関わっていくか…。とてもリアルです。 中学生という年頃の複雑さと、男子の単純さの絡まり具合がとても上手く書かれていて好感を持ちました。 瀬尾まいこさんいいですねぇ。中学生への視点が包み込むように優しいです。 中学生の男子って、しゃべらない子は本当にしゃべらないというお母さんの声を度々耳にしました。しゃべってくれる子だって、男子にしても女子にしても深いところの自分の心を、親や友だちにすべて話している子は多くないと思います。自分を振り返ってもそうだったのだし…。 そんなふうに昔を思い起こしながら、こうして小説で思いの一端を読んでいくのは本当におもしろかったです。 中学生という存在がいとおしくなりました。
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やっと読了。 1区から6区まで、毎回目頭が熱くなった。瀬尾さんの描く中学生、高校生の姿に、私は何回救われただろう。 中学最後の駅伝大会、県大会進出を目指し6人の練習が始まる。 それぞれに、家庭の事情や人知れず抱える思いがある。彼らがそれと少しずつ向き合うのにあわせて、私もどん...
やっと読了。 1区から6区まで、毎回目頭が熱くなった。瀬尾さんの描く中学生、高校生の姿に、私は何回救われただろう。 中学最後の駅伝大会、県大会進出を目指し6人の練習が始まる。 それぞれに、家庭の事情や人知れず抱える思いがある。彼らがそれと少しずつ向き合うのにあわせて、私もどんどん頁をめくった。 共感、とは少し違うと思う。 でも、ひたむきな彼らの姿に私は胸を打たれた。必死に走る姿が思い浮かび、荒い息づかいが聞こえてくるみたいだった。 何もわかってないようで、実は一番わかってる。上原先生、本当にすてき!
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