これでよろしくて? の商品レビュー
誰もがきっと、このようなガールズトーク、話したい議題を持ち寄ってあーだこーだと言いたいだけの、そんな場が必要だと思った。生き生きした会話のやり取りは聞いている(読んでいる)だけで楽しい。
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夫婦、嫁姑、嫁小姑、などなど、結婚してしまったからには、簡単には切っても切れない人間関係。 簡単に切れないからこそ、日々の些細なすれ違いや思い違いを、まいっか。って言葉に出せなくて飲み込んでしまって、消化不良をおこしてしまうんですよね。 消化不良のままで終わればいいのに、いつ...
夫婦、嫁姑、嫁小姑、などなど、結婚してしまったからには、簡単には切っても切れない人間関係。 簡単に切れないからこそ、日々の些細なすれ違いや思い違いを、まいっか。って言葉に出せなくて飲み込んでしまって、消化不良をおこしてしまうんですよね。 消化不良のままで終わればいいのに、いつかどこかでたまらなくなって吐き出してしまって、その吐き出したものは、最初のどーでもいい出来事から、巨大な巨大な問題の塊に化けてしまってて、最終的には取り返しのつかないようなことになっちゃったりして。 こわいこわい。 だから『これでよろしくて?同好会』みたいな場所って、誰にでも必要なんじゃないのかなー。なんて思ったりしました。 平和な国の女の悩みは、たしかに大概せせこましいですよね。
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コメディぽい小説かと思ったら、意外と真面目なテーマもあって、結婚て何だろうと考えさせられた。主人公の夫の言動にイライラするけど、最後の方の夫の本音?の部分が何か染みた。
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この本は、(私が抱く川上さんのお話のイメージより)軽くて楽しいものかと思えば、徐々に重くなって、ラストにはずしっときてしまった。 菜月、38歳、2つ年上の夫、光と平穏な結婚生活を送っている(子供はいない)。あるとき、菜月は結婚前の元彼の母親(土井母)から声を掛けられ、「これでよろ...
この本は、(私が抱く川上さんのお話のイメージより)軽くて楽しいものかと思えば、徐々に重くなって、ラストにはずしっときてしまった。 菜月、38歳、2つ年上の夫、光と平穏な結婚生活を送っている(子供はいない)。あるとき、菜月は結婚前の元彼の母親(土井母)から声を掛けられ、「これでよろしくて同好会」の入会を勧められる。この会は年齢も環境も違う女性5人が、洋食屋で集い、そのつど(人のある事柄とか)議題について討論し合う。井戸端会議のように。土井母のテンポが面白い。 最初は「会」について、訝しげな菜月だったが次第に居心地の良い場所となってゆく。 それとは別の場面。菜月の家族との絡みの部分、二つの構成で話は進んでゆく。 義妹、郁が信じられない。いきなり菜月夫婦宅を訪れ、しばらく滞在する。と思ったら入れ替わりに義母がやってきて、たいした理由もなく長期に渡って平然と滞在するのだ。 ありえない、この義母の傍若無人さには呆れ果て、付ける薬がない。 親族あるあるの感情がわかるところが多くて、余計に心が痛かった。例えば、結婚して間もない頃は、夫の実家に行っても、自分の周りだけ空気が違う感じがしたものだった(自分もそうだった)。 光が菜月の作った目玉焼きに文句をつけた。もっととろっとしてたほうがいい、と。菜月はむっとしたが言い返さなかった。私ならどうしたか。結婚生活はこういうことばかり。 結婚生活や親族関係は、些細な心情のもつれはあって当然。どこまで我慢?どこまで言えばいいか?の連続。 永遠のテーマではないか。菜月の性分が自分(私)にも似ていて読んでいて苦しいところもあった。 「会」に救いを求めたくなる菜月の気持ちがわかる。 私もこんな会があったら入会したい。疲れない程度の議題で。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
読みやすいけど意外に読み終えるのに時間かかった。でもこんな、それこそ「おばけ」みたいなことを描くにはそれくらい文字数が必要なのかしら。 あと、間違えていた。川上未映子の本を読もうと思っていたのに!
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"日本の男たちはすべからく、妻に「母性」だの「いたわり」だの「包容力」だのを望むものなんだからね。"(p.184) "「いい子」になりたいから、嘘をつくのではない。そうではなく、今ここで人生が終わるわけではない、人生はこの先もたぶんしばらくは続い...
"日本の男たちはすべからく、妻に「母性」だの「いたわり」だの「包容力」だのを望むものなんだからね。"(p.184) "「いい子」になりたいから、嘘をつくのではない。そうではなく、今ここで人生が終わるわけではない、人生はこの先もたぶんしばらくは続いてゆくから、嘘をつくのである。"(p.204)
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毎日、変わらない生活を送っていたが、 ある日、幅広い年齢の女性が数人集まる、今でいう女子会?に出会い、 主人公の上原菜月は38歳も参加することになる。 その一方で、夫と暮らしていた家に、 義理の妹や、義理のお母さん(ママン)が突然泊まることになり、 今までの気にもしなか...
毎日、変わらない生活を送っていたが、 ある日、幅広い年齢の女性が数人集まる、今でいう女子会?に出会い、 主人公の上原菜月は38歳も参加することになる。 その一方で、夫と暮らしていた家に、 義理の妹や、義理のお母さん(ママン)が突然泊まることになり、 今までの気にもしなかった、 自分には見せない夫の姿などに気付き、 不安になり、どんどん自分自身が遠のいていく。 そんなときの、これでよろしくて。だ。 個性溢れる、一人一人の女性たちが、 自分たちの経験などを通して、お互いの愚痴や悩みを聞いたりして、 日常の鬱憤を弾き飛ばしていく。 川上弘美さんの作品は、 出ている登場人物のかたが三十代ぐらいが多いから、 まだまだ自分にはわからない、 30代目線の心情などがあり、 いっつも、なるほどぉーっと思ういながら読んでいる。 夫にとって自分は一番であり、自分にとっても夫が一番だと思っていたのに、 自分が知らない、家族にだけ見せる夫の姿など、 ほんの些細なことに気付きはじめていったら、 どんどん不安が募っていく姿は、 なんかありそうな話しって思った。 これでよろしくて?同好会みあたいな集まりがあったら、 あたしも参加したいと思った。 年齢問わずに、幅広く沢山の人と関われるのはおもしろい。 日常の場面では、話す相手も、その環境も、そのときの自分の心境も違う。 ただ共通するのは、人ってことなのかな? 家族も友だちも、大切なひとも、 誰一人、私の全てを知ってる人は居ないんだと思った。 でも、大切な人だから、知ってもらいたいところ、わかってもらいたいこと、 逆に、知りたいことなど、 言葉に出来ないけど、色々あるんだなっと思った。
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川上弘美さんの長編小説。 子どものいない主婦が、ある日元カレのお母さんに出会い、「これでよろしくて」同好会に誘われ参加するようになる。 そこではそれこそ他愛のない日常的な疑問や不満が話し合われる。 そこで話すこと以外も、主人公の主婦が日常生活の中で日々感じていることや、旦那さんや...
川上弘美さんの長編小説。 子どものいない主婦が、ある日元カレのお母さんに出会い、「これでよろしくて」同好会に誘われ参加するようになる。 そこではそれこそ他愛のない日常的な疑問や不満が話し合われる。 そこで話すこと以外も、主人公の主婦が日常生活の中で日々感じていることや、旦那さんや義理の家族に対し感じている細かい感情が、これでもか、というくらいに吐き出されていて、多くは共感できるものの、ずっと読んでいるとつらくなる。 最後にどんでん返しがありそうで、ちょっと期待したが、そうでもなく、読み終えて脱力した。
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今まさに読みたかったような本だった。 するする1日で読めた。 みんなそれぞれ意見はあるけど、これでよろしくて?同好会、みんななんか良い。暖かい。 そして光は私的には理想の旦那さんだなぁ。でもどの夫婦にも家族にも人間関係にも中に入らなきゃ分からないモヤモヤや悩みはあるよね。 終盤、...
今まさに読みたかったような本だった。 するする1日で読めた。 みんなそれぞれ意見はあるけど、これでよろしくて?同好会、みんななんか良い。暖かい。 そして光は私的には理想の旦那さんだなぁ。でもどの夫婦にも家族にも人間関係にも中に入らなきゃ分からないモヤモヤや悩みはあるよね。 終盤、「今」を生きることに意義を見出す主人公、とてもステキな締めだしほっこりスッキリ、とても良い本だった。 また旅先とかで読みたいな。
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川上弘美作品は「センセイの鞄」や「どこから行っても遠い町」など読んできたけれど、一番テンポ良く読めた。まさに、ガールズトークを聞いているような。 夫と義母と自分で帰省した時のお風呂問題などなど、とりあげられるテーマがおもしろい。 そして新川亭で皆が注文するオムライスやビーフカ...
川上弘美作品は「センセイの鞄」や「どこから行っても遠い町」など読んできたけれど、一番テンポ良く読めた。まさに、ガールズトークを聞いているような。 夫と義母と自分で帰省した時のお風呂問題などなど、とりあげられるテーマがおもしろい。 そして新川亭で皆が注文するオムライスやビーフカツ、ポークソテーもおいしそう。 人と人との難儀な関係性については納得。 ちょっとした言動を気にしてしまったり、あれこれ憶測したり。夫婦間でもそうだし、会社の人間関係でも。 そして自分の悩みを人に聞いてもらいたい時、いざ言葉にしようとすると大したことではなく思えたり、言葉にすればするほど本当に悩んでいることから遠ざかっているように感じたりするのことも、よくある。 日々そんなことを感じていたから、あるあるが詰まった1冊でした。
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