錯覚学 の商品レビュー
様々な錯覚を紹介してなぜ錯覚が起こるのかが書かれている。 人間や動物も含めて生き残るために必要でなかったものと、生き残るためにそうなったもの両面で錯覚が残ったのだという説明である。後者は、他の心理系の行動経済学と関連して考えるととても面白い。遠くのものが実際の距離よりも近く感じる...
様々な錯覚を紹介してなぜ錯覚が起こるのかが書かれている。 人間や動物も含めて生き残るために必要でなかったものと、生き残るためにそうなったもの両面で錯覚が残ったのだという説明である。後者は、他の心理系の行動経済学と関連して考えるととても面白い。遠くのものが実際の距離よりも近く感じるのは、生き残るために遠くの危険をより敏感に察知できるようにということだろうと思うので、損失への感度が高くなる行動経済学の話と合致する。「近くは正確に、遠くはリスク回避を優先に」と考えれば何となく生き残れそうだ。それと生き残るかどうかに関係ない錯覚も修正されないままというのも合点がいった。
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興味はあるけど今まで読んだことがなかった錯覚(主に錯視)についての本。 脳に痛みを感じても、脳に痛覚はないから別の部位の痛みらしい。そういやそういう経験あるなぁ。あれも錯覚みたいなもんなのか。 錯覚には興味は前からあったので、結構いろいろ見たことがある錯覚についての画像が掲載され...
興味はあるけど今まで読んだことがなかった錯覚(主に錯視)についての本。 脳に痛みを感じても、脳に痛覚はないから別の部位の痛みらしい。そういやそういう経験あるなぁ。あれも錯覚みたいなもんなのか。 錯覚には興味は前からあったので、結構いろいろ見たことがある錯覚についての画像が掲載されてあったのだけど、名前は初めてきいたものばかり。白黒の四角がズレて並んでいると線分が傾いて見える図ってカフェウォール錯視というのか。カフェのレンガで見つけた錯覚だからそう呼ばれてるらしい。ならいっそのこと、壁に錯視画像が飾られてるような錯視カフェなんてものがあったら面白そうだなと思った。 そういや、こないだ月が地平線近くにあって、「今日の月はやけに大きいな」と思ったけど、あれは錯覚らしい。初めて知った。 それと、人間は大きな円に囲まれた円はより小さく見えるけど、ハトは逆に大きく見えるのだとか。いったい、どうやって調べたんだろう。 それにしても、本書にも書いてあるように、錯覚と分かっていてもやっぱり不思議な世界だ。特に、ゆらゆら揺れてるように見える「オオウチ錯視」と明度が違って見える「モンドリアン図形」と「ログビネンコ錯視」。後者なんて言われても分からない。 ところで、うちのトイレの床をぼーっと見てるとゆらゆら揺れてるように感じる時があるのだけど、あれも錯視の一種なのかな(ただ、家族には分かってもらえない)。
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視覚による錯覚、錯視を中心にその仕組みを解説。 へーっと思ったのが人間がなぜ錯視を起こすのかは今だにはっきりとした理由・仕組みがわからないらしい。 それでもこういう図や文字、映像などを見ると錯視が起こるというのは研究されながらどんどん発見されてて錯視コンテストというものもある...
視覚による錯覚、錯視を中心にその仕組みを解説。 へーっと思ったのが人間がなぜ錯視を起こすのかは今だにはっきりとした理由・仕組みがわからないらしい。 それでもこういう図や文字、映像などを見ると錯視が起こるというのは研究されながらどんどん発見されてて錯視コンテストというものもあるとのこと。 考えてみると人間は五感の中でも「見る」という行為が一番錯覚を起こしやすいのかもしれない。 だからこそなるべく「正しい」情報を得る為には五感の中でも視覚以外のものを使ったほうが良いのかもしれない。 専門的な話は難しかったけど面白かったです。
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目から入った情報は二次元の平面なのになぜ立体に感じるのかをついてなど説明している。 目の錯覚の図が多く結構楽しめた。
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この分野の知識はいまだ不足中あまりすんなりと読み切れない 錯覚錯視は人それぞれ見える人もいるし見えない人もいる。だからといってそれが異常だ正常だというわけでもない。なかなか難しい分野だ。
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[ 内容 ] あらかじめ分かっていたとしても、人は錯覚してしまう。 むしろ、常に生じる錯視を利用しているからこそ、3D映像などが成立している。 人は、なぜ、どのように、錯覚しているのだろうか。 なぜ地平線近くの夕陽は大きく見え、高速で回転する車輪は逆方向に回っているように見えるの...
[ 内容 ] あらかじめ分かっていたとしても、人は錯覚してしまう。 むしろ、常に生じる錯視を利用しているからこそ、3D映像などが成立している。 人は、なぜ、どのように、錯覚しているのだろうか。 なぜ地平線近くの夕陽は大きく見え、高速で回転する車輪は逆方向に回っているように見えるのだろう? 曲がって見える直線、揺れて動くように見える図、実在と違って見える写真など、さまざまな事例を示しながら、錯覚について分かりやすく解説。 知覚のミステリーを解きながら、日常に潜む錯覚リスクについても論じる。 [ 目次 ] 第1章 「百聞は一見にしかず」と言うけれど 第2章 人間に「正しく」見ることは可能か 第3章 二次元の網膜画像が三次元に見える理由 第4章 地平線の月はなぜ大きく見えるのか 第5章 アニメからオフサイドまで―運動の錯視 第6章 無い色が見える―色彩の錯視 第7章 生き残るための錯覚学 [ 問題提起 ] [ 結論 ] [ コメント ] [ 読了した日 ]
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「百聞は一見に如かず」という言葉がある。 「人から話を聞くよりは、直接見る方がよい」という意味だが、人は、それほど正確に世界を見ているわけではないらしい。 錯覚。 同じ長さの線であるのに違って見えたり、直線なのに曲がって見えたり、同じ色なのに色の濃淡があるように見えたりすること...
「百聞は一見に如かず」という言葉がある。 「人から話を聞くよりは、直接見る方がよい」という意味だが、人は、それほど正確に世界を見ているわけではないらしい。 錯覚。 同じ長さの線であるのに違って見えたり、直線なのに曲がって見えたり、同じ色なのに色の濃淡があるように見えたりすることがある。 色のない所に色を見てしまったりすることさえある。 そういう例を見た事がある人も多いだろう。 しかも、実際は同じだ、と分かっていたとしても、異なって見えてしまうし、何度連続して見たとしても、初めて見た時と見え方は変わらない。 栃木県日光市の「日光江戸村」という歴史テーマパークでは、錯覚を利用した「からくり屋敷」があるが、頭では分かっていても、目に入る光景は、その感覚と一致しないので、歩くだけで目が回ってしまう。 (ちなみに、このからくり屋敷には、ところどころ「非常口」があり、自分も非常口から逃げ出した) 本書の中にも錯覚が起きる図が多数、掲載されている。 中には、見ていて目が回ってくるものもあるので、その点では要注意。 この錯覚は事前の知識や、練習によっても防げない、人の知覚システムそのものに起因しているらしい。 どうやら「正確に認知する」よりも「素早く認知する」ことの方を優先しているようだ。 錯覚というと、それによるリスクが・・・、という事が思い浮かぶので、(多少)マイナスのイメージが先行してしまうが、一方でアニメやテレビ、映画に積極的に利用してもいる。 3Dテレビや映画では「酔う」人もいる。 進んだ技術に対して、人間の感覚が追いついていない。 ただ、錯覚のメカニズムがすべて解明されたとしても、他にも違う意味での「錯覚」がある。 それは「人は自分が望んでいるものしか見えない」 要するに「都合の悪いことは無視しやすい」ということ。
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≪目次≫ はじめに 第1章 「百聞は一見にしかず」と言うけれど 第2章 人間に「正しく」見ることは可能か 第3章 二次元の網膜画像が三次元に見える理由 第4章 地平線の月はなぜ大きく見えるのか 第5章 アニメからオフサイドまでー運動の錯視 第6章 無い色が見えるー色彩...
≪目次≫ はじめに 第1章 「百聞は一見にしかず」と言うけれど 第2章 人間に「正しく」見ることは可能か 第3章 二次元の網膜画像が三次元に見える理由 第4章 地平線の月はなぜ大きく見えるのか 第5章 アニメからオフサイドまでー運動の錯視 第6章 無い色が見えるー色彩の錯視 第7章 生き残るための錯覚学 あとがき ≪内容≫ 心理学的な本かと思いましたが、かなり理系の本です。目の神経構造などちょっとまじめで、私にはついていけませんでした。ただ多くの「錯視」画像が紹介されているので、その方に興味のある方はどうぞ。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
多くの錯覚を紹介しており、またわかっているものに関してはそのメカニズムについても書かれています。錯覚は自然の中で、生き抜くために生物が獲得してきた性質であり、現代社会に合わなくなってきている可能性や、その機序などを理解することで、錯覚を社会利用できる可能性などは興味深かったです。こういう課題を脳疾患の方に実施することで、何か脳疾患のメカニズムに関して、示唆が得られるのかもと思いました。
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