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ピカソは本当に偉いのか? の商品レビュー

3.8

28件のお客様レビュー

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2014/05/28

いかにしてピカソが芸術家として富と名声を獲得したか。 説得力があって面白かった。 しかし、この本を読んで、ピカソの作品を「あんなヘタクソな絵が・・・」と思っている人も少なからずいることを知り、逆に驚いた。 個人的にはピカソの卓越した造形能力を疑ったことが全くなかったからだ。 しか...

いかにしてピカソが芸術家として富と名声を獲得したか。 説得力があって面白かった。 しかし、この本を読んで、ピカソの作品を「あんなヘタクソな絵が・・・」と思っている人も少なからずいることを知り、逆に驚いた。 個人的にはピカソの卓越した造形能力を疑ったことが全くなかったからだ。 しかし・・。 ピカソという人は自分の描いたモチーフが何であれ親密な暖かい愛情関係を持つことはなかったかもしれない。 ピカソは果して画家として幸せだったのかな?

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2014/03/17

伝統的基準では美しくないが、驚異的に上手い。美術館に入ることを目的に制作された近代以降の絵画では、価値は「自分語り」「前衛」に変わり、圧倒的なまでに突出した存在だった。 ピカソの読み解き方がよく理解できました。役に立たない、美術館がゴール、というのもなるほどです。

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2013/10/12

ほとんどの人が思ったことがあるだろう「ピカソの絵は本当に凄いのか?」をうまく説明してくれている。 狂人ピカソ、絶対に共感できない。 でもピカソは素晴らしい。「パイプを持つ少年」は恐ろしいほどにリアル。これだけでも初心者の私にもピカソの絵画の才能が分かった。 その絵が描かれた時代...

ほとんどの人が思ったことがあるだろう「ピカソの絵は本当に凄いのか?」をうまく説明してくれている。 狂人ピカソ、絶対に共感できない。 でもピカソは素晴らしい。「パイプを持つ少年」は恐ろしいほどにリアル。これだけでも初心者の私にもピカソの絵画の才能が分かった。 その絵が描かれた時代の時代背景も密接に関係していることが分かった。 時代背景以外にも、ピカソ以外の画家も一緒に紹介してくれ、初心者の僕にとっては勉強になる本になった。 個人的には、モネの絵が好き

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2013/10/10

芸術家、美術大学教授の筆者が、誰もが思うであろう、ピカソの絵の法外な価格や、その芸術的評価の理由について、ピカソの天才性や、芸術というものの成り立ちなどの観点から教えてくれる。 美術になど全く興味がない自分には、ピカソを始めとした現代芸術の絵というのに、100億という値が付くと...

芸術家、美術大学教授の筆者が、誰もが思うであろう、ピカソの絵の法外な価格や、その芸術的評価の理由について、ピカソの天才性や、芸術というものの成り立ちなどの観点から教えてくれる。 美術になど全く興味がない自分には、ピカソを始めとした現代芸術の絵というのに、100億という値が付くというのがまず驚き。 そして、ピカソ自身生涯で14万点という作品を制作しており、総資産は7000億を超えるとか。 まさに王。 ピカソがそんな圧倒的な存在だとは、ちょっと想像を絶していた。 現代の美術というものは実用性を徹底的に排し、絵そのものに絵を語らせることに主眼をおいており、革新的な理論を乗せた学者の論文のようなものだという。 とすると、現代の美術というのは、多分に見る者を選ぶのだ。 本書の最後の方で、その実用性を排した、作品を通した思想の探求に共感を得られるかどうかで、ピカソや現代芸術の個々人の価値が決まるのではという部分があった。 自分は、物の背後に機能美や人の営みが感じられないと、楽しめない方だ。 そこらにある、芸術的なオブジェ的なものに、根源的な違和感を感じる理由が分かった気がする。

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2013/10/02

美術の基本的なことから、ピカソの人柄まで分かる、易しい本だった。 美術史についても、ピカソを軸に学べるので分かりやすく、いい勉強になった。 美術について殆ど何も知らない人を想定して書かれているので、入門書としてもおすすめ。 ピカソ晩年の自画像、芸術と人生を考えさせられる。

Posted byブクログ

2013/09/24

題に魅かれて軽い気持ちで読んだが、美術史を俯瞰する視点でピカソを捉えた油断できない評論だった。フランス革命の後、印象派が出てくるあたりの絵画が新興勢力の市民に支えられた芸術になっていく過程からピカソに至るまでを簡潔に論述している。印象や感情による解説を極力排除し、当時の世相や風俗...

題に魅かれて軽い気持ちで読んだが、美術史を俯瞰する視点でピカソを捉えた油断できない評論だった。フランス革命の後、印象派が出てくるあたりの絵画が新興勢力の市民に支えられた芸術になっていく過程からピカソに至るまでを簡潔に論述している。印象や感情による解説を極力排除し、当時の世相や風俗、個々の画家の手法などを中心にした解説は絵画の門外漢にはとてもわかりやすい。コードチェンジとかモード奏法とかを具体的に説明する菊地成孔のジャズ評論と同様に感心し、ピカソの革新性と商業性にマイルス・デイビスを思い浮かべた。

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2013/08/09

どうして、あんなオレでも描けそうな絵に何十億円もの値段が付くのか? そもそもあのいたずら書きみたいな絵は「うまい」のか? 共感できない私は芸術が理解出来ていないのだろうか? 世界で一番有名な画家の一人であると同時に、様々な疑問が人々の頭に湧き上がる20世紀最大の画家。  ピカソ...

どうして、あんなオレでも描けそうな絵に何十億円もの値段が付くのか? そもそもあのいたずら書きみたいな絵は「うまい」のか? 共感できない私は芸術が理解出来ていないのだろうか? 世界で一番有名な画家の一人であると同時に、様々な疑問が人々の頭に湧き上がる20世紀最大の画家。  ピカソは一夜にしてピカソになったのではない。「アヴィニョンの娘たち」がなぜ生まれ、同時代の人々に衝撃を与えたのか。著者はピカソを語りながら西洋絵画の歴史を紐解いていく。そうしなければひとつの帰着点であるピカソを理解することが出来ないから。 (続きはブログで)http://syousanokioku.at.webry.info/201308/article_1.html

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2013/07/29

芸術の価値というモノは本当に不可解なものである。 特にピカソをはじめとして、「前衛」的なものはその最たるもの。 それらの作品を前にしたとき思う疑問、「これは、芸術なのだろうか。なぜこんなものに価値があるのだろうか。自分でも造れる、描けるのでは。」 などなど、疑問が浮かびつつも 「...

芸術の価値というモノは本当に不可解なものである。 特にピカソをはじめとして、「前衛」的なものはその最たるもの。 それらの作品を前にしたとき思う疑問、「これは、芸術なのだろうか。なぜこんなものに価値があるのだろうか。自分でも造れる、描けるのでは。」 などなど、疑問が浮かびつつも 「やっぱり、いいねぇ」 などと、つい知ったかでのたまってしまう。 この本はピカソをはじめとした前衛芸術について、それらの疑問に対してある程度の納得できる答えをくれる。 特に宗教改革、フランス革命やダヴィンチの進化論などの文化・歴史的背景が芸術に及ぼした影響など、なるほど~と。 ピカソがなぜモテるのかといった人生については(2章、3章)、いまいち興味がないが、まぁ題名がピカソは~なので、しょうがない。 これで、一歩進んだ知ったかぶりをできる笑

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2013/07/23

芸術って、どこか不思議な世界。数学や物理のように明確に説明できるわけじゃないだけに、理解出来ないことも多い。かといって「わかんない」とも言い難いシーンもあったりするので、つい「天才のすることは私のような凡人には理解不能」と、自分を卑下して終わりにしてしまうという経験をしたことのあ...

芸術って、どこか不思議な世界。数学や物理のように明確に説明できるわけじゃないだけに、理解出来ないことも多い。かといって「わかんない」とも言い難いシーンもあったりするので、つい「天才のすることは私のような凡人には理解不能」と、自分を卑下して終わりにしてしまうという経験をしたことのある人も、少なくないだろうと思う。 ピカソのキュビスムも、その際たるもののひとつ。しかもその理解し難い作品に途轍もない高値がつけられているのだから、余計にわけがわからなくなる。 正直、私にとってピカソやブラックのキュビスムは、中学の頃にはトラウマでもあった。セザンヌやゴッホは私に安らぎをくれるのに、ピカソのキュビスムは心をかき乱すだけだったから…しかしながらそれらが世界的に高い評価を受けていることで、自分だけがそれを理解出来ないのだと思うこともしばしばだった。それで、どんどんとトラウマが大きく育ってしまったのだと思う。 そんな、私のような美術体験を多かれ少なかれ経験したことのある者には、覚醒感を与えてくれる一冊だと思う。 少なくとも私はこの本を読んだことで目から鱗が落ちたし、大袈裟に言うなら、日常が生きやすくなったように感じる。

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2013/04/08

先日、著者がラジオで話しているのを聴いてとても感銘を受けたので。ピカソの絵を前にして「よくわからない」「こんなのは自分でも描けるよ」とやり取りを交わし揶揄する反面、これが理解できない自分はおかしいのか?と思うこともあった。でも自分が感じた「美しい」が美しいでいいという事。フッと軽...

先日、著者がラジオで話しているのを聴いてとても感銘を受けたので。ピカソの絵を前にして「よくわからない」「こんなのは自分でも描けるよ」とやり取りを交わし揶揄する反面、これが理解できない自分はおかしいのか?と思うこともあった。でも自分が感じた「美しい」が美しいでいいという事。フッと軽くなった。ピカソは写実の絵ももの凄く上手いということ。そして破天荒な生涯。そういう人物だからこそあのような爆発した絵が評価されるのだと。破壊の創造、ピカソの見方が変わった。読後にピカソの絵を観ても「なんじゃこりゃ」なんだけど。

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