ミナの物語 の商品レビュー
「肩胛骨は翼のなごり」の女の子「ミナ」が隣に越してきた「マイケル」に勇気を出して、初めて声をかけるまでの物語。 お隣のうちは、以前に住んでいたおじいさんが亡くなって空き家になっている。おかあさんとどんな人が来るのか密かに話してはいるが、荒れた庭や倒れそうな物置を見ていると少し心配...
「肩胛骨は翼のなごり」の女の子「ミナ」が隣に越してきた「マイケル」に勇気を出して、初めて声をかけるまでの物語。 お隣のうちは、以前に住んでいたおじいさんが亡くなって空き家になっている。おかあさんとどんな人が来るのか密かに話してはいるが、荒れた庭や倒れそうな物置を見ていると少し心配になる。 ミナのうちの庭には登るのに手ごろな一本の木がある。枝に座って、上にあるブラックバードの巣からかわいいヒナの声が聞こえてきたのをそっと聞いたり、猫を追い払ったり、本を読んだり、木に言葉を刻んだりしている。 ミナは少しユニークで、学校に行ってない。 賢く、好奇心がいっぱい、本が好きで考えることも好き。授業中も自分の考えにとらわれ過ぎて時々はみ出してしまう。空想や夢や自然の中に気になることが満ちていて、頭も心もいつも忙しく、くるくると動いて止まることがない。 人間が作りあげたものに目を向ける--家、道路、壁、尖塔、橋、車。歌や詩。そう、あたしはそういうものが、完璧とはほど遠いことを知っている。でも、完璧だったら退屈だろうし、完璧というのは決して長所ではない。 先生は心配するけれど、お母さんは本を読んだりお話をしたり、ミナの心に浮かぶいろいろなことを一緒に考えてくれる。勉強も教えてくれるから今は学校には行かなくても大丈夫。学校に行くと浮かんでくる大切な考えが規則に縛られて窮屈だ。お母さんと自由に暮らしながら、生きることや広い世界のこと、おとぎ話や、神話の世界や、詩の中のたくさんの言葉や、その意味について考える。 白い紙に自分の想いを言葉にするのも好きで、浮かんだテーマについて様々な言葉を書いて、書きながら感じて、考えて、成長していく。 白いところがだんだん少なくなってくるので、じきにこの文章も終わりにしなくちゃいけないのがわかるから、そうするとあたしは神さまみたいなものかしらろ思うのは、あたしが書くのはもう充分だと決めるのと同じように、神さまがもう充分だと決めて、時間を終わらせることにして、ある日、たったひとこと、<ストップ>といったら、すべてがあっさりストップするんだろう。 集団生活からはみ出していることが、すべてにはみ出しているとは限らない。ミナのようにのびのびと呼吸しながら育つことはどんなに楽しく貴重なことだろう。 個性的ということは集団生活の中では少し窮屈かもしれない。無理に押し込めないこんな生活は理解のあるお母さんがミナに与えてくれたもので、子供時代の一時期、こうして過ごせるミナは幸せかもしれない。ミナの明るい日常にはそういった作者の思いが詰まっている。 こうして暮らすことは、孤独かもしれない。いつまでも心のままに自由ではいられない。集団で暮らすのは個性を型にはめるかもしれないが、人は群れて暮らす。成長していくことは少し苦しく、経験して学ばなければいけない。こんな子供時代を過ごした賢いミナはよく考え、書いて、いつか豊な心の翼を広げてたくさんの人の中でも自由に暮らせるだろう。 お隣に越してきた「マイケル」に声をかける、今、勇気を振り絞って話しかけた方がいいとミナは思う。そうして新しい一歩が始まっていく。 読みながら、ミナはいい、お母さんも素晴らしいと思いつつ、一人でどうするのだろうと少し心配したが、「マイケル」との未来が見えるところでほっとした。 肩胛骨は翼のなごり
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ストーリー的にはそんなにドラマチックな展開は無く、少し退屈だったが、『肩胛骨は翼のなごり』のミナに惹かれていたので、ミナのルーツを探る意味で興味深く読んだ。 ミナも魅力的だが、実は母親の方がより魅力的だった。 型にはまらず、普通の学校やフリースクールさえ行かないミナを受け入れ、ミナの落書きにも理解を示し、仲良くコミュニケーションを取る。お金もそんなミナのために惜しまない。非常に愛情に溢れ、かつ、自分の理想を押し付けることもない素敵な母親だった。
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掲載元/Ginza 2013年1月号 目利き書店員のリレーコラム第21回 ブックファースト梅田2階店 藤原洋子さん
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本編は未読で、前日譚となる本作から読んだ。 ミナがとっても魅力的で、作者の理想が伝わってきた。 本編のストーリーに繋げる為か、最後の辺りの物語の流れが 若干ぎこちないようにも思えたが、自由で素晴らしい作品だった。 姉妹作とか関係なしに、これだけでも楽しめたし 肩甲骨は~も、いつ...
本編は未読で、前日譚となる本作から読んだ。 ミナがとっても魅力的で、作者の理想が伝わってきた。 本編のストーリーに繋げる為か、最後の辺りの物語の流れが 若干ぎこちないようにも思えたが、自由で素晴らしい作品だった。 姉妹作とか関係なしに、これだけでも楽しめたし 肩甲骨は~も、いつか読んでみようという気にさせられた。
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【あたしの名前はミナ。あたしは夜が大好き。】 【内容】 ミナという少女が書く日記。詩的な。 「肩甲骨は翼のなごり」でマイケルと出会うミナの、それまでの物語。 【感想】 「肩甲骨は翼のなごり」は好きなお話だ。アーモンドさんの本を何冊も読むきっかけになった。ミナはとても魅力的な少女に...
【あたしの名前はミナ。あたしは夜が大好き。】 【内容】 ミナという少女が書く日記。詩的な。 「肩甲骨は翼のなごり」でマイケルと出会うミナの、それまでの物語。 【感想】 「肩甲骨は翼のなごり」は好きなお話だ。アーモンドさんの本を何冊も読むきっかけになった。ミナはとても魅力的な少女に思えた。 今回はそのミナがどういう子どもだったかが描かれていて感慨はあるが、単独の作品としても悪くない。 中学1年生のとき読んだら夢中になっただろう。繰返し何度も読んだだろう。あるいは親になった人にオススメ。 (2015年02月04日読了)
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特別な、でも、ありふれた、女の子の話。 『肩胛骨は翼のなごり』の前日譚。ミナがノートに書いた物語という体裁。ミナの自由な心のように、文字は飛び跳ねている。読めば彼女を身近に感じる。彼女は「変わっている」だろうけど、誰しも少しずつ「変わっている」し、世界に馴染めなかったり、時には...
特別な、でも、ありふれた、女の子の話。 『肩胛骨は翼のなごり』の前日譚。ミナがノートに書いた物語という体裁。ミナの自由な心のように、文字は飛び跳ねている。読めば彼女を身近に感じる。彼女は「変わっている」だろうけど、誰しも少しずつ「変わっている」し、世界に馴染めなかったり、時には迷ったり、うまく自分の道を歩くまでに時間がかかったり、踏み出すには勇気が必要だったりするのだ。 『肩胛骨は〜』はマイケルという少年の目から見たミナの姿が描かれていたが、『ミナの物語』はミナの一人称で、またずいぶん印象が違う。これを書きわけた著者もすごいなと思う。
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ミナは感性の鋭い女の子。 お母さんとの会話が素敵。 ミナもお母さんも宇宙の一部。 ミナの頭とお母さんの頭がゴッツンコ。宇宙と宇宙がゴッツンコ。
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あたしの頭をおかしくして。あたしはそっと月にささやく。いいでしょ、ミナの頭をおかしくして――。 「あたしはミナという名前の女の子だけど、ただの女の子じゃない。そう、ミナはただの女の子じゃない」 そう、型にはまらず自由で、豊かな感性を持つ女の子・ミナ。だがそれゆえに学校に馴染まず...
あたしの頭をおかしくして。あたしはそっと月にささやく。いいでしょ、ミナの頭をおかしくして――。 「あたしはミナという名前の女の子だけど、ただの女の子じゃない。そう、ミナはただの女の子じゃない」 そう、型にはまらず自由で、豊かな感性を持つ女の子・ミナ。だがそれゆえに学校に馴染まず、母親との自宅学習に甘んじる彼女が綴る日記。 月光に照らされたテーブルの上にある、まっさらな一冊のノートには、鳥が誰はばからず自由に歌うように、ミナが好きなことをなんでも、なんでも書いてゆく。 ゆうべ見た夢。今夜見たい夢。学校のこと。小さなころの思い出。空想の物語。庭で春の女神を呼んだこと。そして、ずっとまえに死んでしまったとうさんのこと。 喜びと驚きに満ちた世界をあるがままに享受するミナ。集団の中では相容れない純粋さをもつ彼女が、やがて天使に出会うまで。『肩甲骨は翼のなごり』の前日譚。
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「肩胛骨は翼のなごり」の前日譚で、タイトル通りミナの物語。 月光に照らされたテーブルの上のまっさらのノート。 日記を書くつもりだったそのノートにたったいまから書きはじめる、 ミナが描くミナの物語。 日記であったり、詩であったり、「特別な行動」であったり。 好きなことばや好きな...
「肩胛骨は翼のなごり」の前日譚で、タイトル通りミナの物語。 月光に照らされたテーブルの上のまっさらのノート。 日記を書くつもりだったそのノートにたったいまから書きはじめる、 ミナが描くミナの物語。 日記であったり、詩であったり、「特別な行動」であったり。 好きなことばや好きなものだけで埋まったページもあれば、 ときには白紙のページもある。 ミナのことばは、ミナの大好きな鳥たちのように自由にノートという空を翔け、 仲良しの猫のウィスパーのように思考のすきまにするりともぐり込んだと思ったら、 意外なところから顔を出したりする。 夜が好きで、本や詩や粘土工作が好きで、鳥や木が好き。 でも学校は大嫌い。 頭が良くて、いろんなことに興味があって、 自分の意思や意見をはっきり持っているミナ。 「肩胛骨」で、そんなミナが大好きになった。 「ミナの物語」を読むと、さらにミナが好きになっちゃいますよ、と コメントをいただいていたのだけれど、まったくその通りでした。 変わり者でちょっとおとなびた印象だったミナのこどもらしい面もたくさん 描かれたこのお話でますますミナが大好きになった。 ミナに対して、どんなときでも愛情をもって接する大の理解者の おかあさんも大好き。 ミナがいつもいる木の枝の、 黄色と緑の木漏れ日のまだらの中から見る世界、ミナが綴ることばの世界。 頭の固いオトナには閉じられているかのように思われる彼女の世界は、 自由で大きく、どこまでも広い。 ブラックバードの卵が、見えない殻の中で日々成長し、雛に孵ったように、 ミナもミナを取り巻く世界もゆっくりとゆっくりと変化していく。 新しい物語の始まりを予感させる「肩胛骨――」に繋がるラストのミナが可愛くて、 仕舞ったばかりの「肩胛骨――」を引っ張り出して、ぱらり読み中。
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ちゃんと自分を持ってて自由なミナが、自分から友達をつくったことがないっていうのが印象的。一気に親近感。 いつまでも、自分の世界だけでは生きられないのかなあ。
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