ニサッタ、ニサッタ(下) の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
乃南さんの作品とはとても思えない、異色な純文学?社会小説?だった。 でも、上巻から暗い。。暗いというか、ダメすぎて、一瞬でも同じようなダメ人生を味わったことがある人がこれを読むと、ちょっとそのときのことを思い出して、たぶんイヤな気持ちになるかも。 でも、主人公が少しずつどん底から上がってくる期待感もあって、下巻に突入!またここで、どん底に突き落とされる。 生きるのがつらいなら、明日のことは考えずとりあえず今日だけのことを考えなさいっていう、おばあちゃんの言葉が最高によかった。 明日のことなんてわからない。希望になるか、脅威になるか、それはそのときのその人の気持ち次第。 ほんと、そうだなーと思った。 この作品は、おばあちゃんとアンナがいい味をだしている。 彼女たちなしには、成り立たない。 アンナが吐いた最後の一言を思い出すと、ホロリと泣ける。 なんだろう、あの感触。 私もいつかどこかで、同じような気持ちを何度か味わったことがあるような気がする。 『あー、今まで生きてきて、よかったなー、って。。』 …だって(泣)。
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