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鉄道大バザール(上) の商品レビュー

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2016/05/05

鉄道から鉄道への旅。 上巻ではロンドンからインドまで。 停車する都市や町での観光というよりも、鉄道に乗る行為そのものを楽しんでいる。 寝台列車に揺られ、のんびり本を読んだり、ビールを飲んだりしながら、窓の景色を眺める。 この上ない幸せ。 観光はそのおまけ。暇つぶしのようなもの...

鉄道から鉄道への旅。 上巻ではロンドンからインドまで。 停車する都市や町での観光というよりも、鉄道に乗る行為そのものを楽しんでいる。 寝台列車に揺られ、のんびり本を読んだり、ビールを飲んだりしながら、窓の景色を眺める。 この上ない幸せ。 観光はそのおまけ。暇つぶしのようなものである。 ポールセローは普通の旅人にとどまらない。

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2015/04/06

内田百閒先生=「阿房列車」、阿川弘之さん=「南蛮阿房列車」と同じく外国にも汽車好きがいるんですね。 百閒先生は(観光などの)目的なく、純粋に汽車に乗るのが好きなので、帰りの汽車に乗るのは「帰る」という目的ができて、汽車乗りとしてはやや不純なものになるのが残念である、と書いたほど徹...

内田百閒先生=「阿房列車」、阿川弘之さん=「南蛮阿房列車」と同じく外国にも汽車好きがいるんですね。 百閒先生は(観光などの)目的なく、純粋に汽車に乗るのが好きなので、帰りの汽車に乗るのは「帰る」という目的ができて、汽車乗りとしてはやや不純なものになるのが残念である、と書いたほど徹底した汽車乗りでしたけど、ポール・セルーさんは行った先々で人と会ったり、観光(?)をしたり、地理や歴史とそれにまつわる作者の考えも書いているから、百閒先生的には不純な要素がたくさんですけど、それはそれでとても楽しめました。阿川さんの訳もすばらしかったです。

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2013/09/05

読み始めてみると、すぐに読み終わるのがもったいなくてゆっくり読んでいるほど素晴らしい本です。 この本を読むとまるで1975年に遡ったかのような感じがします。その時には、インターネットがなかったし、飛行機代も高かったし、ユーラシアの汽車旅行は大冒険だったみたいです。 日本語版は...

読み始めてみると、すぐに読み終わるのがもったいなくてゆっくり読んでいるほど素晴らしい本です。 この本を読むとまるで1975年に遡ったかのような感じがします。その時には、インターネットがなかったし、飛行機代も高かったし、ユーラシアの汽車旅行は大冒険だったみたいです。 日本語版はどうかわかりませんが、英語版を読めるなら、読んでみてください! (英語版)

Posted byブクログ

2013/01/13

 内容もさることながら、やはり阿川弘之のこの翻訳は素晴らしい。作中に登場する、あらゆる階層あらゆる民族の語り口をうまいこと自然に書き分けているあたり、そんな簡単には出来ないことだと思う。  そしてジョーク言い間違い俗語卑語のオンパレードながら、現在の日本語の感覚からしても違和感や...

 内容もさることながら、やはり阿川弘之のこの翻訳は素晴らしい。作中に登場する、あらゆる階層あらゆる民族の語り口をうまいこと自然に書き分けているあたり、そんな簡単には出来ないことだと思う。  そしてジョーク言い間違い俗語卑語のオンパレードながら、現在の日本語の感覚からしても違和感や無理矢理感がほとんどない。スラングの多い会話の描写において、翻訳当時の流行語とかを盛り込んだために、年月が経つと原文以上に古くさくなりがち。だが、この翻訳はうまいこと言葉や言い回しを選んでいて、「今となってはあまりピンと来ない言葉や言い回し」を極力回避している。会話を文字で表現する際の格好のお手本だと思った。

Posted byブクログ