「弱くても勝てます」 の商品レビュー
今まで、常識として捉えていた野球のセオリーが見事に崩れ去った。身体で覚えるものをどうしても理論先行になりがちな頭でっかちな人たちが、極めて真面目に取り組む野球。そう彼らは、今日これだけやると決めたら、必ずやる自分を律することができる人たちなのだ。中途半端な、意思の弱い人が多い普通...
今まで、常識として捉えていた野球のセオリーが見事に崩れ去った。身体で覚えるものをどうしても理論先行になりがちな頭でっかちな人たちが、極めて真面目に取り組む野球。そう彼らは、今日これだけやると決めたら、必ずやる自分を律することができる人たちなのだ。中途半端な、意思の弱い人が多い普通のチームでは、練習量が多くても負けてしまうのも無理はない。生徒ひとりひとりの頭でっかちな野球への取り組みを語るインタビューが秀逸です。
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自分と境遇が似ている生徒の野球に対する考え方はプロの選手の考えや言葉よりも刺さるものがあった。 頭の良い人は要領とかいかに楽できるかを考えがちなイメージがあったが、泥臭く不器用に考えながら試行錯誤してる姿を知れて親近感が湧いた。
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野球の偉人が高所から野球を語るのではなく、自らを野球の凡人と認識した頭の良いたちが冷静に野球を語っているところに、この本の独自性とおもしろさがある。先生や野球部員へのインタビューが超進学校らしくて独特で、さすが開成と思う。 苦手と下手の違い(苦手は主観的、下手は客観的)、甘い珠を...
野球の偉人が高所から野球を語るのではなく、自らを野球の凡人と認識した頭の良いたちが冷静に野球を語っているところに、この本の独自性とおもしろさがある。先生や野球部員へのインタビューが超進学校らしくて独特で、さすが開成と思う。 苦手と下手の違い(苦手は主観的、下手は客観的)、甘い珠を投げろ(ストライクを投げろ)、守備練習に力をいれない(難しい球が飛んでくる確率は低い)、ドサクサを全面になど。 通常の勝負事セオリーは、互いの力が拮抗していることが前提であって、そうでない場合の戦略の考え方に魅かれた。
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本書もテレビ化されたドラマも知らなかった。たまたま新聞のコラムで触れられていて関心を持ったので読んでみた。 たいへん面白い本で、開成野球の戦略に「ナルホドね〜」と感心することしきりであった。例えば、 「すごく練習して上手くなってもエラーすることはあります。逆に、下手でも地道に...
本書もテレビ化されたドラマも知らなかった。たまたま新聞のコラムで触れられていて関心を持ったので読んでみた。 たいへん面白い本で、開成野球の戦略に「ナルホドね〜」と感心することしきりであった。例えば、 「すごく練習して上手くなってもエラーすることはあります。逆に、下手でも地道に処理できることもある。1試合で各ポジションの選手が処理する打球は大体3~8個。そのうち猛烈な守備練習の成果が生かされるような難しい打球は1つあるかないかです。我々はそのために少ない練習時間を割くわけにはいかないんです」 10点取られたら相手の油断につけこみ、ドサクサに紛れて25点取り返すギャンブル野球。でもそこにはちゃんとした理屈があるところが面白い。 本書の内容を著者は「弱者の兵法」と言っているが、開成野球部の戦略は企業戦略を考える上でもおおいに参考になる。ビジネススクールのケーススタディにしてはどうだろうか?
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チャレンジする事を迷っている人におすすめの本です。 また高校時代の自分をもう一度発見する本でもありました。
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<目次> 1回 エラーの伝統 2回 理屈で守る 3回 みんな何かを待っている 4回 結果としての甲子園 5回 仮説と検証のフィードバック 6回 必要十分なプライド 7回 ドサクサコミュニケーション 8回 「は」ではなく「が」が勝負 9回 ややもすると甲子園 <...
<目次> 1回 エラーの伝統 2回 理屈で守る 3回 みんな何かを待っている 4回 結果としての甲子園 5回 仮説と検証のフィードバック 6回 必要十分なプライド 7回 ドサクサコミュニケーション 8回 「は」ではなく「が」が勝負 9回 ややもすると甲子園 <内容> 「なんとも」だが、理論的で理屈に合っている。超エリート甲子園常連校ではなく、「開成」高校のような学校は、「甲子園を目指す」と言ったときに、守りを固めるとか確実に当てる、とかでは勝てない。なぜなら、そこはエリート校も伝統校も同じことを考えるからだ。運動能力もどうか、という学校は、逆転の発想が必要。例えば、打てる順で打順を組む。下位打線にも大物打ちを潜ませる。守りで計算せず、打撃(大振りを繰り返す)方で計算する、などなど。監督の発想は面白いが、理に適っている。 選手もさすが「開成」。それなりのことを言う。が、野球の理論ではない。それが面白い。また、精神的には弱いんだな、ということも分かった。
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開成野球部が前より強くなった(けどやっぱり大して強くない)理由 強豪高校とは違う方針(打撃に重点を置く)を採用した そういうのでも、ある程度は通用するということらしい
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小説ではなくノンフィクション。 ドラマでは福士蒼汰さん演じる赤岩くんが言った「苦手と下手は違う」は今でも私の心のバイブルだ。
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超進学校として有名な開成高校。 そこの硬式野球部を取り上げたルポ。 ただし、練習量は絶対的に少なく、ガツガツした熱意も足りない(ように見える)彼ら。甲子園は「行けたら嬉しい」と述べる。 そんな彼らは、あっと驚く戦略で、ときどき勝ってしまったりもする… よくいえば「論理...
超進学校として有名な開成高校。 そこの硬式野球部を取り上げたルポ。 ただし、練習量は絶対的に少なく、ガツガツした熱意も足りない(ように見える)彼ら。甲子園は「行けたら嬉しい」と述べる。 そんな彼らは、あっと驚く戦略で、ときどき勝ってしまったりもする… よくいえば「論理的」、ヘタすると、「そんな理屈こねてないではよ練習しよ!」と言ってしまいたくなる彼らの真摯な「理屈」が読めてクスッとします。 野球理論だけにとどまらず、将来の事や、「苦手」と「下手」の違いについてまじめに述べるなど、フツーの高校生がしないような世間話が間に挟まって面白いです。 彼(2年生の林君)によると、文系科目は暗記の積み重ねが必要なので守備に似ているという。一方、理系科目は公式などのコツさえつかめば一気に伸びるので打撃に似ており、それゆえ彼は理系科目が得意らしい。
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ノンフィクション作家による、開成高校野球部の取材記録。小説新潮に連載されたものをまとめた本。頭はいいが練習量が少なく、必要十分な練習しかしていないが、名監督の下のびのびと試合をして、そこそこ勝っているところが面白い。取材量が豊富で、選手や監督に焦点を当てた味のある内容となっている...
ノンフィクション作家による、開成高校野球部の取材記録。小説新潮に連載されたものをまとめた本。頭はいいが練習量が少なく、必要十分な練習しかしていないが、名監督の下のびのびと試合をして、そこそこ勝っているところが面白い。取材量が豊富で、選手や監督に焦点を当てた味のある内容となっている。ぜひ、東京六大学野球東大版も作ってほしいものだ。 「そもそも彼らはキャッチボールでもエラーするので、遠くで眺めている私も危なくて気が抜けない」p12 「すごく練習して上手くなってもエラーすることはあります。逆に、下手でも地道に処理できることもある。1試合で各ポジションの選手が処理する打球は大体3~8個。そのうち猛烈な守備練習の成果が生かされるような難しい打球は1つあるかないかです。我々はそのために少ない練習時間を割くわけにはいかない」p20 「(追いかけなければ取れないような)そういうゴロは、ウチでは例外と考えます。捕らなくてもいいんです」p34 「(ピッチャーへの監督指示)一生懸命投げようとするな! コントロールしようとするな! 厳しい所に投げようとするな! 抑えようなんて思うな! 甘い球を投げろ!」p50 「お前達は打席で何してるんだ? 打席でヒットを打とうとしている? それじゃダメなんだよ! 何がなんでもヒットじゃなくて、何がなんでも振るぞ! だろう」p51 「上手くなって勝とうとするのではなく、下手は下手で勝つのだ」p52 「確率でいえば守備のほうは9割9分ですが、バッティングは3割ですからね」p68 「このチームは本当に必要な練習しかしない。例えば、ダブルプレイは必要以上だから取らなくてもよい」p142 「そもそも野球は味方同士のコミュニケーションを図ることが目的ではなく、敵のコミュニケーションを読み取り、破壊する競技なのだ」p167 「開成の場合、大切なのは打たれないことより、確実にストライクを入れてゲームを壊さないこと。つまりマナーが重要」p175 「思い切り振って球を遠くに飛ばす。それが一番楽しいはずなんです。生徒たちはグラウンドで本能的に大胆にやっていいのに、それを押し殺しているのを見ると、僕は本能的に我慢できない。たとえミスしてもワーッと元気よくやっていれば、怒れませんよ。のびやかに自由に暴れまくってほしい。野球は、「俺が俺が」でいいんです」p190
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