夢を与える の商品レビュー
綿谷りささんの著作が最近気になり久しぶりに文庫本で読書。主人公の夕子ちゃんのキャラクターが気になってページが進んだ。
Posted by
ラスト、悲しい気もするし、これからやっと、普通の片親の親子として生きていくのかな。と思った。 夕ちゃんはしっかりしていて、頭がいいけど、汚い大人たちによって、生きにくく、汚されいるんだな。母親の執着から生まれたゆうちゃん。彼女が求めたものは、普通の日常、両親の愛。大衆の目線で...
ラスト、悲しい気もするし、これからやっと、普通の片親の親子として生きていくのかな。と思った。 夕ちゃんはしっかりしていて、頭がいいけど、汚い大人たちによって、生きにくく、汚されいるんだな。母親の執着から生まれたゆうちゃん。彼女が求めたものは、普通の日常、両親の愛。大衆の目線ではなく、本当の自分を愛してくれる、ずっとここにいていいと言ってくれる居場所。止めても無駄。みんなが与えてくれなかったものを与えてくれる。世間の目なんて関係ない。だって、ゆうちゃんはそんなものいらないから。 異常な関係の、母と父。ゆうちゃんと男。それが壊れたラスト、その後、ゆうちゃんは子役ではなく子供として、お母さんと普通の幸せな人生を歩んで欲しい。
Posted by
子役の大変さ、家族の気持ち。もちろんすべての子役の方がこうではない。でも、こういうこともあるのかもしれないと思いながら読んでしまいました。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
宮沢りえさんを思い浮かべて、(私は世代ではないので、YouTubeでCMを観たのですが)造形の美しさに魅了され、CMを何本も観漁り、婚約会見から婚約破棄会見まで観てしまいました… 人気絶頂期にヌード写真集を出したり、激痩せして表舞台から消えたり、wiki読むだけでも壮絶な経歴… 近年のインタビュー動画で、「母親」という言葉について思いつくことを聞かれて、「私の母を指すなら、一番敬愛する人」と回答していてグッと胸に来ました。 そのインタビューの中で、30代前まで辛いことたくさんあったけど経験してよかった、経験していなければ今の自分はなかった、というようなことを仰っていて、またグッと来ました(;_;) 本の感想じゃなくて宮沢りえさんの話になっちゃってますが(^^; 本の中では主人公の再起までは描かれていないのですが、このあと、スキャンダルも糧にして乗り越えて行くのだと私は解釈しました。
Posted by
綿谷りさ先生の特徴でもあるむき出しの無垢さが傷付いて萎れていく様は辛くも切なくてとても好き。 言葉選びにある優しさが生々しくて普通に生きてる人の不幸を実感させられる。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
感想 芸能界は大変だなぁ。子供の頃にすべてを手に入れてしまうと色々勘違いしてしまう?のかもしれない。ただ、一度きりの人生でジェットコースターのように体験できないことややりたいことをやっているのは貴重なのかもしれない。 夢を与える。与えるという言葉が傲慢なのかもしれないと言ったゆうちゃんの感覚が正しかったのかもしれない。 あらすじ 幹子は、付き合っていたフランス人ハーフのトーマから別れを切り出され、回避すべく、色々努力し、夕子が生まれる。 夕子は、幹子の熱心な活動で雑誌モデルをしていたが、ある日チーズのCMに半永久的に出演することになり、成長と共に有名になる。 高校までは順調に仕事をこなしてきたゆうちゃんだったが、TVで見たダンサーに入れ込み、深夜遊びをする中で、情事を撮った映像がインターネットに流れてしまい、一気にその地位を失うことに。残されたのは何だったのか。
Posted by
「蹴りたい背中」「勝手にふるえてろ」に続き3冊目読了。 子役タレント親子の成長と挫折と転落の物語。 著者お得意の若い女性のストレートでコミカルな心情表現は抑えられ、純真で無垢な主人公の心情が綴られていく。読者はチーズのCMで夕子を見守る視聴者よりも濃い濃度で夕子の成長を見守ってい...
「蹴りたい背中」「勝手にふるえてろ」に続き3冊目読了。 子役タレント親子の成長と挫折と転落の物語。 著者お得意の若い女性のストレートでコミカルな心情表現は抑えられ、純真で無垢な主人公の心情が綴られていく。読者はチーズのCMで夕子を見守る視聴者よりも濃い濃度で夕子の成長を見守っていくだけに転落していく様はなかなかにつらい。大好きな両親の不仲、高校生活や仕事での挫折、殺人的な忙しさの中でも一歩ずつ成長していくが、恋人を作ったことからみるみる転がり落ちていく。 そもそもどっぷりつかるべきでなかった芸能界、結婚するべきではなかった両親。築き上げてきたはずのものがどんどん崩れ落ちていく恐怖と現実。穏やかな普通の人生がいかに幸せなことか。 17歳で作家デビューし芥川賞受賞後の22歳の3作目。夕子に著者自身を重ね合わせているのだろうか。
Posted by
どうなるんだろと気になり一気読みした。 綿矢さんは、血なまぐさい情景の表現がうまいなぁとつくづく思いました。言葉の限りを尽くしグロを表現する感じ。偉そうですが称賛してます。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
顔と運に恵まれ、順調に芸能界で活躍していた女の子が男によってダメになってしまう。恋愛は人間をおかしくしてしまう、なのにまた恋愛をしてしまう。本能なんだろうと思う。私自身、会いたくて仕方がないとか冷められているのを分かっていても離れたくないという気持ちは共感してしまった。大人になった今は、冷静に恋愛ができるようになった気がするが、まだ高校生の夕子からしたら初めての恋でその上仕事や受験の重圧もあり、恋愛にのめり込んでしまったんだろうなと思った。母のようにはなりたくないと思いつつ、やはり親の影響は大きく受けてしまう。小さい頃から母と親友のようにずっとにいたことによって余計にだと思う。母の勝手にやってきたことを押し付けがましく、あなたのために生きてきたと言ったシーンはすごく嫌な気持ちになった。毒親だと感じるし、そもそもの元凶は母だと思った。父が最後まで手に入らなかったように、他人はどうあがいても、自分のものにはならないし、思い通りには動かせないところが印象的だった。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
1人の女優のデビューからブレイク、そして墜落、いわゆる「干された」になるまでが書かれた物語。 テレビの前にいる私たちは簡単に「干された」と言う言葉を使うが、その裏にはたくさんの涙や苦労、絶望があるのだと分かった。 ゆーちゃんは、良くも悪くも母親にそっくりだった。自分は好きな人の前で母親のような顔をしたくない、母親のようにはなりたくないと言っていたが、結局は親子。ゆーちゃんが正晃に異常にこだわるところは、母親譲りでもあるし、本当に何も知らないまま育ったからこそ得てしまったものなのだと思った。 ゆーちゃんはこれからどうなるのだろうか。最後の取材をした記者が言っていたことはある程度予想できるが、ゆーちゃんは本当にその道に進んでしまいそうでぞくっとした。言い終わり方ではないが、読む手が止まらず面白かった。
Posted by