夢を与える の商品レビュー
高校生というまだ未熟な年齢で人の前に立つ仕事を経験する、夕子のリアルな感情や行動を感じ、つらくなる。 年齢は大人でも、だれしも未熟で、完璧な人間なんていないと改めて感じる。
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面白かった! 心情の書き方がリアルで、夕子に感情移入しまくりました。 でも、両親の喧嘩とかを目の当たりにして感情的にならなかったり、思った以上にグレなくて素直に育ったりしてて、夕子はいい子だなと思った。私ならこんな環境で育ったらグレます。夕子は逆にこういうのを経て心が大人になっていっていて、ほんとにいい子だと思い好感が持てました。 最初パッとみ文字数が多い本だなと思って億劫になったけど読み始めたら止まらなかったです。 多摩が最高すぎました。青春!恋愛!恋愛マンガみたい!なって本嫉妬して好まないですが(汗笑)ひさびさにそういうのに触れて、これがたまらなくちょうどいい量だったのか、キュンキュンしました。久々に。 裏表紙のあらすじ見た限りダンサーとの恋の話がメインかと思ったけど、もっと広く、夕子の人生が描かれていて、出来事とその影響と夕子の変わりゆく人生観が味わえた。 ダンサー君との恋愛は痛切すぎたけど、考えさせられました、これは男女の永遠のテーマだと思います。 このようにとにかく考えさせられるテーマがたくさんあって、けれど不思議と疲れず飽きなかったです。
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あれ?一度読んだことあるような、と思ってたら ドラマを観たことがあるんだ。綿矢りさ好きで沢山読んでるけどどれがどれだかわからなくなってきた。 私は夕子は一度死んだから、またしっかり花を咲かせると思う。
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小さい頃からCMの契約をしていて、芸能界でブレイクをするが、芸能界の裏の厳しさや、父親の浮気、恋愛をしたい年頃なのにできないなど、子役の苦悩を知ってしまったような感じです。 芦田愛菜ちゃんを思い描いてしまいました。 スキャンダル一つで芸能界は干されてしまったり大変な世界だなと感じました。
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入学式の笑顔と葬式の泣き顔が鮮やかなコントラストを生み出したのだ 私の今やっていることが焼き畑農業なら 眠る事以外の休憩が嫌いで身体か口がが常に連動していて 実にナチュラルに宗教に勧誘された 和哉が自分の嫌いな人間に向ける憎悪には凄まじいものがあり 突つかなければ徐々に消えてゆく...
入学式の笑顔と葬式の泣き顔が鮮やかなコントラストを生み出したのだ 私の今やっていることが焼き畑農業なら 眠る事以外の休憩が嫌いで身体か口がが常に連動していて 実にナチュラルに宗教に勧誘された 和哉が自分の嫌いな人間に向ける憎悪には凄まじいものがあり 突つかなければ徐々に消えてゆく性欲とは大違いだ モーニングアフターピルの副作用は産まない悪阻だった その恥の無さは殆ど犬の交尾と変わりなかった 未来へ続く保険を一つも用意しなかったのは間違っていた 縋り付く事は緩慢な死だ 伽藍堂の瞳 犬童一心 ラストの記者との対決はウエスタンだ 常に有刺鉄線の向こうにある美しいものから眼を離せずにいたのだ
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アイドルオタクとして、タイトルだけでもたくさん思いを巡らせてしまう作品。この主人公はモデルとして「夢を与える」存在。でもそもそも「夢を与える」って何なんだろう。実感のないまま走り続けた彼女がそれを理解した時には、もうーー 「夢を与える」存在に夢を見るものとして、本当のことは一生...
アイドルオタクとして、タイトルだけでもたくさん思いを巡らせてしまう作品。この主人公はモデルとして「夢を与える」存在。でもそもそも「夢を与える」って何なんだろう。実感のないまま走り続けた彼女がそれを理解した時には、もうーー 「夢を与える」存在に夢を見るものとして、本当のことは一生分からない世界だな、と改めて現実を突きつけられた気持ちになりました。絶望を感じながらもページを捲る手は止められない。 綿矢りささんの作品を読むのは何回目かですが、「現実に打ちひしがれながらも戦う女性」の描写が毎回俊逸だなと。特に冒頭部分。もっと色んな作品を読みたいと改めて思わされました。
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芸能界自体は遠い世界だから身近には感じられなかったけど、自分の人生を作られた世界や型に当てはめて自分を殺して生きていくのはできないと思った。 心も体もいろんなバランスの中で成長していくもので、そんなに簡単なものじゃない。
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とにかく主人公がいい子すぎて、後半読み進めるのがつらかった。子供の人生は親の人生のやり直しじゃない。
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勝手にふるえてろ から どハマりした綿矢りさ。今作もべらぼうに好きな作品でした。スターチーズの広告ありそうでなかった商品と成長させる手法。これはこれで代理店の人が考えて作ったんだろうに、夢というものは、残酷で、夢への扉のこのCMが夕子から夢を奪っていくことになる。 夢を与える。こ...
勝手にふるえてろ から どハマりした綿矢りさ。今作もべらぼうに好きな作品でした。スターチーズの広告ありそうでなかった商品と成長させる手法。これはこれで代理店の人が考えて作ったんだろうに、夢というものは、残酷で、夢への扉のこのCMが夕子から夢を奪っていくことになる。 夢を与える。この言葉だけで聞いた印象は、力強く授かるエネルギーを感じたが、芸能人が不特定多数に向けて発信すると 一気に冷めてしまう。 言葉というものは、背景も相まって力を増すものだと思った。 それは、作品を通して言葉を咀嚼する楽しみにも繋がっている。 綿矢りさは、タイトルに置く言葉を、作品を通じて、咀嚼させてくれる。
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彼女の芸能人としてのキャリアは失墜したけれど、彼女の強い歩みはここから始まるんだろう。重たい雲がかかっていても、鈍い幸せが彼女に訪れますように。
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