オタクの息子に悩んでます の商品レビュー
朝日新聞で岡田斗司夫が人生相談コラムを書いているのをみて随分と驚いた記憶があるが、本書は岡田が人生相談の解答をどうやって導いているのか舞台裏というか思考方法について解説するというちょっと変わった造りのものだ。 朝日新聞で他の有名コラムニスト、例えば作家の車谷長吉、東大教授の上野...
朝日新聞で岡田斗司夫が人生相談コラムを書いているのをみて随分と驚いた記憶があるが、本書は岡田が人生相談の解答をどうやって導いているのか舞台裏というか思考方法について解説するというちょっと変わった造りのものだ。 朝日新聞で他の有名コラムニスト、例えば作家の車谷長吉、東大教授の上野千鶴子などに伍して独自の視点を出していかねば意味が無いというのが岡田の考えかたの基本。車谷長吉は純文学作家だから文章力では叶わないがかなりの確率で実用性の低いアドヴァイスを返してくるであろう、上野千鶴子は毒舌で食っている人なので切り口の鮮やかさでは叶わないがクダラナイ質問に溜飲をさげるのが欠点だろうと分析する。そこで自らの道としては相談を書いてきた読者の裏に同じような悩みを持つ多数の読者をも意識しできるだけ読者に共感をするということを目標に回答を纏めるという。 「悩みとは何か」というのを岡田流に解釈すると色々な問題が絡まりあって身動きが取れない状態をいうとある。普段文章を書くことを仕事にしていない読者の手紙であるから、一通の投書の中には沢山の悩みが書き連ねてあるがその中から何が本当の悩みなのかを読むことが一番だという。例えば、一児のシングルマザーであり、子供の頃親から虐待された経験から自分の子供とも関係が上手く行かず、付き合っていた男性に金を持ち逃げされ、住んでいるマンションからも立ち退きを求められている、と不幸を一身に背負っているかのような女性からの相談に対して、「過去の不幸な体験は今の悩みとは関係ない。本当の問題は”今すぐ住むところを探すことだ”」と解きほぐすのが岡田流なのだ。悩み多き青少年にとってもなるほどと唸るところでもある。 本書はメイキング人生相談と云う面もある一方で、人生相談の回答を導くにあたりどのような思考をたどってきたのか、またその方法論を懇切丁寧に読者に惜しげもなく披露する本でもあるのだ。「レコーディング・ダイエット」で一世を風靡したのちに知識は惜しげもなく開陳する、印税も要らないと宣言しただけのことはある。かつては「オタッキング」としてアニメやガレージセールなどオタクの世界にどっぷりはまっていた感のある岡田斗司夫だがいまやその風貌も含めてかつての面影はどこにも無い。
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本書で紹介されている「思考ツール」は物事を深く多角的に考える際にとても役立つ。 実際に使いこなすには一朝一夕にはいかないんだけど、たとえば「潜行」はスマートノートの右ページで僕もよく使っている。 「なぜ?」を繰り返すことで課題の本質が浮き彫りになってくる。 僕にとって難しいの...
本書で紹介されている「思考ツール」は物事を深く多角的に考える際にとても役立つ。 実際に使いこなすには一朝一夕にはいかないんだけど、たとえば「潜行」はスマートノートの右ページで僕もよく使っている。 「なぜ?」を繰り返すことで課題の本質が浮き彫りになってくる。 僕にとって難しいのは考えのフレームを拡げること。 思考ツール「アナロジー」がその手助けとなるが、適当な喩えが思いつかないことが往々にしてある。 そういう時は「潜行」や「メーター」などで納得できるまで考え抜くことにしている。 岡田さんはどの相談に対しても、「相談者と同じ温度の風呂に入る」ために相談内容を読み込み、本当に聞きたいことはこれか?と何度も自問している。 これは本当に苦しい作業だろう。 その葛藤や苦悩と、それらを乗り越えて会心の回答をひねり出す過程まで詳しく書かれていて、とても面白かった。
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岡田斗司夫の著書は思考法のロジックを実に分かり易くユーモアを交えて語るので、とても参考にしています。 途中まで読んだ感想としては、悩む相談者と岡田斗司夫とのギャップが面白い。 相談者はおそらくは解決策が知りたいのではなく、慰めてもらいたいだけ。 それを看破している岡田斗司夫がロジ...
岡田斗司夫の著書は思考法のロジックを実に分かり易くユーモアを交えて語るので、とても参考にしています。 途中まで読んだ感想としては、悩む相談者と岡田斗司夫とのギャップが面白い。 相談者はおそらくは解決策が知りたいのではなく、慰めてもらいたいだけ。 それを看破している岡田斗司夫がロジカルに回答する。 理屈的には正しいのだが、それはきっと相談者が求めているものではない。 大概の場合、相談して来る人というのは、大筋の結論は潜在的に持っている。ただ、それを後押ししてくれる言葉が欲しいだけだと思います。 ただ、岡田斗司夫はそれを敢えてしない方法をとっている。そこが面白くもあり、意地悪でもある。 まだ、読み途中だがこの私の受け取り方を覆る展開を期待したい。
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「悩みのるつぼ」の回答者の一人の著書。実際に投稿された悩みに対して、どのように考えて、回答しているのか、そのプロセス(?)、考え方が述べられている。
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※このレビューにはネタバレを含みます
岡田斗司夫氏の「オタクの息子に悩んでます」は目から鱗。 朝日新聞土曜別刷りbeの人気連載「悩みのるつぼ」で誰よりも相談者の気持ちに寄り添い、「役立つ回答」を編み出し、読者や相談者から絶大な信頼を得る岡田氏が「回答」に辿り着くまでの思考経路を公開しています。問題解決のための分析、論理的思考、さらに発想法が凄く勉強になります。 まえがきで紹介されている父親が大嫌いな女子高生の相談が昔の自分とよく似ていたのでかなり共感して読んでいたら、その悩みに対する岡田氏の回答が論理的な上、もの凄く愛がある答えでした。僕も高校生の頃、そのアドバイスを聞いていたならな親子関係も悪化せず引きこもらなくてすんでたかもなーと胸が熱くなりました。 10代の女子高生です。 父の休日は食べる、寝る、テレビの繰り返し。他のことは何ひとつやりません。仕事は自営業で、「忙しい」と言う時期もありますが、一日中テレビがついているようで、ちゃんと仕事しているのか不審です。私は物心ついたときから父が嫌いで、母には「お父さんみたいにならないように」と、育てられてきました。幼い頃、2月の公園の噴水で私が遊びたがるからと父が遊ばせ、私は肺炎で入院したことがあります。 父への感謝の気持ちもこれっぽちもありません。老後の面倒を見る気はなく、のたれ死ねばいいのと思っています。お父さんと仲がいい友達がとてもうらやましいです。父を好きになろうと思っても何一つ良いところはないし、子供に無関心ですべて母に任せきり、最近は通知表も父には見せていません。 母は父との結婚は失敗と言っており、私は母には離婚してほしいのだけど、経済的なことを考えると無理です。父がいる休日はイライラし、死んでほしい、殺したいという気持ちが強くなります。虐待でもされれば、訴えられるのにと、楽しいはずの休日はストレスでつらくて泣くようになりました。どうすれば良いのでしょうか。思春期と言う理由で片付けないでほしいです。 岡田氏の回答 「お父さんみたいにならないで」。母はいつも言う。不思議ですね。あなたは女、父にはなれません。なるとすれば母親でしょう。「お母さんのようになっちゃダメよ」こう言うべきです。 なぜ母は「私のような母親になるな」と言えないのか?ここがポイントです。「私のような母親」とはどんな母親でしょう。答えは簡単ですね。 自分に無関心・無頓着な夫と結婚し、離婚も出来ず、思いつく限りの愚痴を幼い頃から言い聞かせ、やがて娘が「父など死ねばいい」と思い込み休日に泣いて過ごすように仕向ける母。それが「私のような母」です。 あなたの父親像は、母の愚痴で出来ている。繰り返される呪いの言葉が楽しい思い出を消してしまったのです。 人間は弱い。誰かの愚痴や文句を言わないと生きていけない。 母の不幸は、家に閉じ込められて、視野が狭いことです。趣味が「父のダメ出し→娘に吐き出し」だけ。こんなの誰の特にもなりません。 ではどうするか? あなたがこのマイナス連鎖を切りましょう。 誘ってあげて、お母さんの興味を外に向けさせる。これが出来れば、状況はかなり改善されるはずです。お母さんと一緒に映画やショッピングや旅行をする。そのために、あなたがバイトをするのもあり。お母さんにもパートに出ることをどんどん勧めましょう。 パートをすればお母さんの世界も広がるし、お金も、出来ることも増えます。本当に最悪な父なら、あなたと母が一緒に働いたら独立も可能でしょう。 難しすぎますか? じゃああなただけでも逃げてください。たった3人の家族で2人が1人の悪口を言い合っている家は地獄ですよ。高校生ならもう働けます。 逃げなさい。さもなければ、母を助けなさい。 彼女の父親嫌いの原因は母親にあったわけですけど、その母親を非難するのではなく、相談者の彼女に「母を助けなさい」っていうのが何かもう、うるうるきてしまいました。 僕は何であのとき自分のことしか考えてなかったんだろうなって。 この回答の通りだろうなと思います。親が歳を取ったのもあるけど、僕も母から父の愚痴をあまり聞かなくなりました。もちろん、僕が家を出たのもあるけど、母を連れて旅行に行ったり一緒に飲みに行ったりしてるから母の視野も家庭だけの狭い世界から随分と広くなったんでしょうね
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この著者の悩み相談を初めて読んだとき、目からウロコというか、「そうとう頭いいなぁ」という思いと同時に「愛があるなあ」と感じました。その悩み相談を題材にした本書をさっそく読むと、まさにその二つがテーマになっていて、読んでかなりスッキリしました。 どんな立場の人にもヒントになる「考え...
この著者の悩み相談を初めて読んだとき、目からウロコというか、「そうとう頭いいなぁ」という思いと同時に「愛があるなあ」と感じました。その悩み相談を題材にした本書をさっそく読むと、まさにその二つがテーマになっていて、読んでかなりスッキリしました。 どんな立場の人にもヒントになる「考え方」指南の本で、つよくオススメします!
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なんで岡田斗司夫さんの本は、思考術系の本が苦手なわたしでも読めるのか。 もちろん本書には論理思考の術がたくさん紹介されており、わたしも読みながら一緒に回答を考えたりして、その思考法を試してみました。楽しいです。 ただ本書が他の思考法系統の本と違うのは、単に技術を伝えるだけでな...
なんで岡田斗司夫さんの本は、思考術系の本が苦手なわたしでも読めるのか。 もちろん本書には論理思考の術がたくさん紹介されており、わたしも読みながら一緒に回答を考えたりして、その思考法を試してみました。楽しいです。 ただ本書が他の思考法系統の本と違うのは、単に技術を伝えるだけでなく、その行間に根本的な人間への愛情みたいなものがあること。いや、実はそれがとても現実的なことなのかも知れないけれども 人間なんて完璧じゃない。ズルもするしできればさぼりたい。そういうだめな部分をしっかり受け入れた上での思考だからこそ、人に響くのではないかと。そう感じました。多くの人に読んでほしい本です。
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人の悩みの解決に向けて、アイディアを積み上げていくのではなく、相談者の文面に深く潜っていく・・・相談の内容を整理し、仕分けをし、相談者自身気がついていない本質を見つけ出す。 ノート術にもある「考える力」が深まると、こうやって他人の悩みにも深く潜って、その人を助けることができるん...
人の悩みの解決に向けて、アイディアを積み上げていくのではなく、相談者の文面に深く潜っていく・・・相談の内容を整理し、仕分けをし、相談者自身気がついていない本質を見つけ出す。 ノート術にもある「考える力」が深まると、こうやって他人の悩みにも深く潜って、その人を助けることができるんだなと。 すごくおもしろかったです。愛のある本。
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※このレビューにはネタバレを含みます
朝日新聞に連載中の人生相談「悩みのるつぼ」。本書はその新書版、かと思いきや、「人生相談」をテーマにした深い深い思考実験(実験といってはいけないけれど)。なぜ、人は悩むのか。相談するときの心理はどうなのか。回答者は何を目指すべきなのか。岡田斗司夫氏の思考法の論理もすごいが、その根底にある人間に対する愛情にも深く共感する。いい本を読んだ。
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