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天才を考察する の商品レビュー

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17件のお客様レビュー

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2022/07/03

生まれ持った遺伝子がその人の人生全てを決定するのではなく、環境が大きく関わっているとの主張。成功していない人間を努力不足と断じるのは残酷。

Posted byブクログ

2022/01/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

経験によって自分の本当の潜在能力を突き止めた人はほとんどいない。始めたばかりのことがうまくいかない場合に、それを生まれつきの限界と勘違いする。遺伝子の影響は常に進行する動的プロセス。クローンでも同じ潜在能力を示すわkではなく、能力は遺伝子に埋もれている。 並外れた決意があれば、素晴らしい成功をめざす資格はある。 遺伝子の特徴を発現させるのは環境との相互作用である。 見た目はメンデルの法則に近い。それでも唯一の原因ではない。 IQは本人の能力を計るというより全体として見るもの。IQは、同じ年齢でも年を追うごとに上昇する。 知能は固定化したものではない。 一卵性双生児でも環境が違えば違う。 生来の能力よりも、努力を称賛するべき。 スポーツ地理学=場所によってスポーツの能力が高い。 外見が違っても民族としての遺伝子の違いはごくわずか。遺伝子はたんにシステムに影響するだけ。 ジャマイカは遺伝子の交差点 ケニアのランナーは、高度6000mの場所で週に230キロ走る。 生まれつきの才能、という概念は神話。自分に対する言い訳。他のことをしたという選択を表すもの。 音楽教育のスズキメソッド。 競争に向かう態度=HAMとLAM。競争を好むか否か。 男女できまっているわけでもない。 エピジェネティクス=人生における小さなことが大きな影響を持つ。遺伝子のスイッチを入れる。

Posted byブクログ

2020/09/27

著者はこの本を5000時間かけて書き、何十回も書き直したらしい。分厚い本のなんと後ろ半分は参考文献と解説、注釈である。 遺伝子の影響自体、あらかじめ決まっているものでない。どんな子供でも素晴らしい成功をめざす資格をもっている。 親は生まれと育ちが分けて考えられないことを受け入れ...

著者はこの本を5000時間かけて書き、何十回も書き直したらしい。分厚い本のなんと後ろ半分は参考文献と解説、注釈である。 遺伝子の影響自体、あらかじめ決まっているものでない。どんな子供でも素晴らしい成功をめざす資格をもっている。 親は生まれと育ちが分けて考えられないことを受け入れなければならない。才能が芽吹くのを待っていない。能力は訓練と指導によって身につく。 環境による働きかけで、子孫の記憶力も高めるかもしれない うまくいかない場合に、それを生まれつきの限界だと勘違いする人が多い 賢く生まれたわけじゃない。他者よりよく勉強し、自己修養に励んだのである プラスの環境因子 出生直後から話しかける 読み聞かせ 励まし>叱責 大きな期待 失敗を受け入れる(限界のせいにしない) 成長志向を促す(伸ばすことが可能と) 動機、自己批判、自分の遺伝子のせいにしない、満足を先に延ばす、ヒーローを持つ 過度に頻繁に報酬をもらって育った人は、途中でやめてしまったり粘り強さをもたない。 そのときどきの満足ばかり考えない。 自制の手本をみせる。 子供に訓練させる(欲求不満や欠乏にどう対処するか学ばせる) 記憶:関連のない情報の断片を古い記憶と結びつけることで短期記憶の負担を軽くする 集中的訓練:現時点のレベルを超える試みを繰り返す。失敗もする。脳が変わる。 現時点の能力にけっして満足しない態度、つねに自己批判し、病的なほどの不安にさいなまれながら、情熱をもって能力の先へ行こうとする 1万時間の“集中的訓練”によって熟達者になる。 アマチュアがやるのはリラックスして楽しむため、自己実現のための娯楽的活動 サヴァン症候群:損傷をうけた左脳を右脳が補おうとする。能力を示すサヴァンの場合、強迫的な集中および反復の特性と、周囲からの激励・支援が見られる。 小さい頃は神童、大人になるとそれほど:称賛されながら成長して居心地のいい領域から外へ出るのを嫌うようになる。新しい挑戦、つまずき、失敗を恐れる、 生まれつきのところでなく、努力を褒めるべき 動的発達 遺伝子だけじゃない。 ひたむきに、一心不乱に、けたはずれの努力を続けた

Posted byブクログ

2018/11/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

こういう難しい本は日本語になっているやつをよんでもいいかもな、というくらい、分厚いハードカバーだけど、思いの外さらっと読めた

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2017/11/15

異常なまでに没頭できることでないと、卓越した能力は発揮できない。そこそこできること、は他で培った能力で対応できること(その時点から没頭できればそれはプラスになる)。 遺伝か訓練か環境か、どれかを固定した方が理解しやすくなるけど、全部動的なものだと捉えて当たるべし、ということかな。...

異常なまでに没頭できることでないと、卓越した能力は発揮できない。そこそこできること、は他で培った能力で対応できること(その時点から没頭できればそれはプラスになる)。 遺伝か訓練か環境か、どれかを固定した方が理解しやすくなるけど、全部動的なものだと捉えて当たるべし、ということかな。

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2024/10/18

人は生まれによって決まるのでも、育ちによってでも、生まれ+育ちによって決まるのでもない。生まれ×育ち、つまり遺伝子と環境が相互作用し合っていくことによって決まる。非常に動的なんだ、という話。ますます親の役割(どんな環境を与えるか)の重要性が高まりますなー・・・(軽くプレッシャー)

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2016/02/25

「才能は生まれか育ちか」にひとつの結論を与えてくれる本だ。「G (Gene)×E (Environment)」、つまり遺伝子と環境の双方が大事と語られている。本書は、特に環境に比重を置く。備わった才能が発現するかは状況と努力の賜である点を強調する。かといって遺伝子の議論も疎かにし...

「才能は生まれか育ちか」にひとつの結論を与えてくれる本だ。「G (Gene)×E (Environment)」、つまり遺伝子と環境の双方が大事と語られている。本書は、特に環境に比重を置く。備わった才能が発現するかは状況と努力の賜である点を強調する。かといって遺伝子の議論も疎かにしないのは、遺伝子本来の性質も重要であるからであろう。ゆえに「G×E」となる。一卵性双生児やジャマイカ人の持つ遺伝子の事例は、遺伝子だけでは才能は語れないことを示す興味深い事例である。

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2014/11/14

後半ちょろつと獲得形質の遺伝の概念に比較的近い内容を扱っていた。獲得形質が遺伝しないっていうのは若干古かったのかな。エピゲノムというそうで。 才能は遺伝に依存するって考えは間違ってるって話。 大学図書館141.18SH14

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2014/03/23

天才は、生まれか育ちかという昔からの議論を考察した本。 著者の主張は、天才は遺伝X環境に依る。つまり天才的な才能というのは遺伝子だけで決まるのではなく、環境が関与することによる。天才打者と呼ばれたテッド・ウィリアムスや音楽家モーツァルト、ベートーヴェン等の様々な事例を挙げて「才能...

天才は、生まれか育ちかという昔からの議論を考察した本。 著者の主張は、天才は遺伝X環境に依る。つまり天才的な才能というのは遺伝子だけで決まるのではなく、環境が関与することによる。天才打者と呼ばれたテッド・ウィリアムスや音楽家モーツァルト、ベートーヴェン等の様々な事例を挙げて「才能は遺伝子で決まる」という通説に反論している。彼らが天才と呼ばれた背景には、技術を身につけるための環境や幼少の頃からの継続的な訓練があったからであり、もともと遺伝的な才能があったわけではない。才能を身に付けるためには、動機を見つけ、自分を律し、長期的な訓練を継続し、限界を見極めたらそれを無視する、自分のヒーローを持ち、良い指導者に従うことが重要と説いている。この本は400ページほどの内容だが、本文と注釈がほぼ同じ分量で占められている。著者の主張の裏付けとして用意した注釈だが、私は研究者ではないので読む気になれなかった。おそらくこの本の成り立ちが、「才能は遺伝である」と信じて疑わない人達を読者として想定しているからかもしれない。 読んでみて、著者の主張は大変よく判る。才能が無いと思っている一般人ほど、才能は遺伝子だけで決まらないという説を信じたくなるものだ。私もその一人である。

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2013/11/11

天才の考察、遺伝子の誤解を解くという話。 メンデルの法則は確固たる事実のように伝わっているが、前提として環境が変わらないという課程に基づいている。 遺伝は遺伝子+環境ではなく、遺伝子×環境。 生物学的な形質は遺伝の法則が発言しやすいが、環境の影響も少なくない。 遺伝子を有している...

天才の考察、遺伝子の誤解を解くという話。 メンデルの法則は確固たる事実のように伝わっているが、前提として環境が変わらないという課程に基づいている。 遺伝は遺伝子+環境ではなく、遺伝子×環境。 生物学的な形質は遺伝の法則が発言しやすいが、環境の影響も少なくない。 遺伝子を有していると遺伝する確率が上がる、というと特定の結果をもたらす可能性を持たせるように伝わってしまう。 遺伝とは適者生存の結果ではなく、獲得形質の遺伝。 脳には可塑性があるため、訓練によってその形状も変えることができる。 一方で誰でも努力すれば何にでもなれると言っている訳ではないとか。 当たり前では?と思うような内容が連呼される部分もあるが、きっと学者とかその辺りでは微妙な言い回しなどが問題になっているのだろうか。 相互作用論者という立場らしい、異論も色々残っているのだろう。 しかし遺伝子の影響に関して過大評価していたと思わされる部分もあり、刺激的だった。

Posted byブクログ