さようなら、猫 の商品レビュー
ネコに関する短編9つ。 ネコがいるとすっ飛んで帰るとか、落ち込んでいると慰めてくれるようにそばに来てくれるんんて聞くけど、案外そうなのかも。 わが家も今年に入り野良猫が庭をウロウロ。縁台で昼寝をしている姿を見るだけでも癒されるもの。
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表紙の猫の後ろ姿が・・・気になって 手に取った本です。ただ、それぞれの 短編に登場する猫達は、強い意思表 示も無いまま少し身勝手な人間達に 絡まっているだけって感じの印象かな。 表紙から連想して猫目線の描写がある と想い込んでいただけに…少々物足りなさ有り。
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猫にまつわる短編集。 猫がクッションとなっているせいか、井上さんのいつもの短編集よりソフトな感じがする。でもさすがに井上作品、裏切らない。日常から逸脱しそうでしないそのぎりぎりのラインにいる危うい人々を巧みに描いている。 巧いな~、どの作品も甲乙つけがたい。 自分が猫好きなせいか...
猫にまつわる短編集。 猫がクッションとなっているせいか、井上さんのいつもの短編集よりソフトな感じがする。でもさすがに井上作品、裏切らない。日常から逸脱しそうでしないそのぎりぎりのラインにいる危うい人々を巧みに描いている。 巧いな~、どの作品も甲乙つけがたい。 自分が猫好きなせいか、高評価。うん、うん、分かるなどと思いながら読んでしまった。 「赤ん坊と猫」と「ラッキーじゃなかった猫」が特に良かった。 考えてみたら井上作品の登場人物ってみんなだれも猫っぽい。つかみどころがなくて自由気ままで。突然びっくりするような行動をとったり。孤独を愛するのか、ぬくもりを求めるのか。それも気分次第か。
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乾いている人、求めている人、愛している人、憎んでいる人、何も考えたくない人。彼らの日々にそっと加えられる一匹の猫。猫も、愛も、幸せも、閉じ込められない。短編の名手が紡ぐ魅惑の九編を収録。 (「BOOK」データベースより) 猫がらみの短編です。可愛いだけじゃなくって、読んでいて辛...
乾いている人、求めている人、愛している人、憎んでいる人、何も考えたくない人。彼らの日々にそっと加えられる一匹の猫。猫も、愛も、幸せも、閉じ込められない。短編の名手が紡ぐ魅惑の九編を収録。 (「BOOK」データベースより) 猫がらみの短編です。可愛いだけじゃなくって、読んでいて辛かったり苦しかったりもしました。ヒトではなくても同じように感情移入しちゃうから大変(^_^;) おもしろかったです。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
タイトルに惹かれて読みましたが、井上荒野さん結構面白いです。 淡々と書いているようなんだけど、ぎょっとします。何気ないたった一行の文章や、一言の会話に。 彼女の小説は、ぎょっとさせられたくて読んでいるようなところもあります。 みんな猫と関わるけれども、飼ってはないんですよね。その淡い感じがいい。猫は直接どうのこうのというのではなく、狂言回しと言いますか、これが犬ならこんな話の展開にはならないんだろうなという話が結構あります。猫好きじゃなくても、猫嫌いでも読めます。
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著者が猫好きだと知っているから、この残酷な描き方に作家の性を感じた。 猫が出てくる短編集だが、描きたいのはあくまで人間。だから猫の扱われようったらひどいもので、この先この猫たちはどうなってしまうのかと思うと胸が痛んだ。 人間の都合で捨てられ、餌を与えられ、拾われ、可愛がられ、また...
著者が猫好きだと知っているから、この残酷な描き方に作家の性を感じた。 猫が出てくる短編集だが、描きたいのはあくまで人間。だから猫の扱われようったらひどいもので、この先この猫たちはどうなってしまうのかと思うと胸が痛んだ。 人間の都合で捨てられ、餌を与えられ、拾われ、可愛がられ、また捨てられる。 猫をこういう目に合わせる人間は多いが、その一人ひとりがどんな人間なのか、リアルに描いている。 彼らは瀕死の捨て猫を見ても何も思わない人より、温かさはあるように思えるが、結局猫にとっては素通りされるよりひどいことになる。 最後の短編は猫が救われるかなと思ったが、これもあやしい。 猫好きとしては「もう、いやー」って叫びたくなるけど、でも、井上荒野は凄いと思わずにはいられない。
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猫にまつわる短編集。 皆なんかちょっとクセのある人たちだけど、荒野さんぽい。 物語の先を考える想像力があると、より楽しめるかも。
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猫にまつわる短編集。気まぐれは猫の気質か、飼い主のせいか。 ちょっと不思議な井上荒野の方でした。
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出ました、ざらりと気持ちの悪い読後感。 著者がどこかで、父親である故・井上光晴さんの作家としての存在が大きすぎて自らが作家として生きていくことに挫折しそうになったものの、今は自分でなければ書けないというものを書いている...という趣旨のことを書いていたのが印象に残っているのだけど...
出ました、ざらりと気持ちの悪い読後感。 著者がどこかで、父親である故・井上光晴さんの作家としての存在が大きすぎて自らが作家として生きていくことに挫折しそうになったものの、今は自分でなければ書けないというものを書いている...という趣旨のことを書いていたのが印象に残っているのだけど、それはまさにこういう世界なのではないかと思う。 猫をモチーフにした9編(オムニバスかと思いきや違った)で、いずれも曰く言いがたい心情に陥る。 私が著者の作品を追う理由が、独特の「読書体験としての"気持ちの悪さ"」を快とするからであることは間違いない。
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猫がもっと絡んでくるのかと思ったけど違う。どの登場人物にもあまり共感できず。あまり猫好きでもない人たちで、若干不快な気分にさせる人たち。そういう不快感を起こすのを狙った短編なのかも?
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