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ロッキード・マーティン 巨大軍需企業の内幕 の商品レビュー

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6件のお客様レビュー

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2024/11/20

アメリカ随一の巨大軍需企業ロッキード・マーチン。その起業から現代に至る歴史と、現代のロビー活動の内幕を伝えるノンフィクションです。ロッキードは当初は航空機メーカーとしてスタートしましたが、現代では航空機以外にもSLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)、核弾頭、ミサイル防空システムなどの...

アメリカ随一の巨大軍需企業ロッキード・マーチン。その起業から現代に至る歴史と、現代のロビー活動の内幕を伝えるノンフィクションです。ロッキードは当初は航空機メーカーとしてスタートしましたが、現代では航空機以外にもSLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)、核弾頭、ミサイル防空システムなどの大物から、クラスター爆弾などの武器まで、多種多様な軍装備品を製造しています 本書冒頭、F-22ラプターの開発を巡る利権誘導の駆け引きが描かれています。超高性能のF-22は、余りに高額(1機3億5000万ドル!)な調達価格のため、予定生産数よりも調達を減らすべきとの政府方針に対し”軍需産業の雇用維持”を名目に生産継続を働きかけるロッキードの幹部たち。F-22の生産に携わる数多くの関連企業が立地する州の上院、下院議員を巻き込んでの利権誘導の様子(これがロビー活動)が描かれます。 しかし、これは氷山の一角で、本書を通じてロッキードは基本的に政府要人への賄賂、政府役人とロッキード幹部職の”回転ドア”人事(日本の天下りは官→民の一方通行ですが、アメリカでは何度も官⇔民の間を往復する人事が横行し、これを本書ではこう呼んでいます)で、自社に有利に武器調達方針を捻じ曲げる経緯が詳細に述べられています。 当然、日本のロッキード事件にも触れていますが、1950~1970年代、ロッキードは政府要人への贈賄を西ドイツ、オランダ、イタリア、オランダ等々で繰り広げており、世界中で引き起こした多くの贈賄事件の中の1件という扱いになっていて、それがアメリカ側から見たロッキード事件の位置づけなのだろうと思います。 C-5Aギャラクシー輸送機(当時史上最大の航空機)を巡る性能詐称(詳細は割愛しますが、これが原因で実質的に輸送機としてほとんど稼働できなかった)や設計ミスの隠蔽(試験飛行中に翼に亀裂が発生するなど)、ミサイル防衛システムのテストでの不正(標的となるミサイルに命中しやすくする細工を施す)、そして予算獲得のためにソ連の軍事力を過大評価して議員に報告するなど、やりたい放題です。本書を読むと、本当にロッキード社の幹部は”母国の安全保障”と”自社の利益”のどちらを優先しているのだろうという気持ちすら湧いてきます。 ”巨大すぎて潰せない”、”軍装備品は他の企業で製造できない”等々の理由から上記の様なビジネスの進め方をしても潰れないロッキードという企業の、ちょっと日本の感覚では捉えきれない規模と、政府との癒着の様子を詳細に描いたノンフィクションです。

Posted byブクログ

2019/09/02

オックスカート、ブラックバード、ラプターといった想像を絶する戦闘機、巨大ミサイル、爆弾を製造する圧倒的リーディング軍事企業の技術力、施設/製造装置の規模、研究者・設計者のレベルとサラリー、就職の流れ等を知りたく本書を購入するも、そういった内容はすべてトップシークレットらしく殆ど記...

オックスカート、ブラックバード、ラプターといった想像を絶する戦闘機、巨大ミサイル、爆弾を製造する圧倒的リーディング軍事企業の技術力、施設/製造装置の規模、研究者・設計者のレベルとサラリー、就職の流れ等を知りたく本書を購入するも、そういった内容はすべてトップシークレットらしく殆ど記載されておらず、主に金回りと政治家/企業/軍隊の癒着を暴露する内容となっている。 それにしても、アメリカの政治家/軍隊幹部/企業幹部の癒着と腐り具合、また税金の浪費具合が自分の想像するレベルを遥かに超えてて、もはや読んでて笑うしかなかった...。またアメリカの格差社会のリアルに深刻な状況もよく見えた。 1つシンプルなのは、戦争・紛争・暴力の一切が消えれば、軍需企業は存在意義がなくなり衰退・消滅すること...。 とにかく、これ以上ミサイル、銃器、爆弾等の兵器が使われないことを祈るばかりです!

Posted byブクログ

2013/04/04

事実を羅列して、あとは読んでる人がどう思うかおまかせにしておけばいいのに、ロッキード・マーティン憎しで書かれて針小棒大に活動結果を歪められてるので、たびたび著者に置いていかれそうになる 軽い社史として、戦闘機の開発に関して、ロッキード事件の備忘録として、ぎりぎり星2つ

Posted byブクログ

2013/01/31

先の大戦で膨張したロッキード・マーティンを、軍事産業を維持することが米国の軍事戦略上重要との建前により、さまざまな局面で優遇し、同社に膨大な税金をつぎ込んできた。 本書は、そういう構造に至った経緯や、この会社の、というか米国の軍、企業、政界の癒着の実態を暴露した。 同社は軍事関連...

先の大戦で膨張したロッキード・マーティンを、軍事産業を維持することが米国の軍事戦略上重要との建前により、さまざまな局面で優遇し、同社に膨大な税金をつぎ込んできた。 本書は、そういう構造に至った経緯や、この会社の、というか米国の軍、企業、政界の癒着の実態を暴露した。 同社は軍事関連に留まらず、連邦、州政府の政策実働部隊として、裏の政府機関となろうとしているかに見える。

Posted byブクログ

2012/12/09

それほど関心があって買ったわけではないが、読み始めたらページをめくる手が止まらなかった。 最初は普通に航空機メーカーとして始まったロッキードという会社が、いつのまにか政治力を使って儲ける会社になっており 本書の後半はその政治力により、自らの商品の欠陥を糊塗したり行いたい事業を売...

それほど関心があって買ったわけではないが、読み始めたらページをめくる手が止まらなかった。 最初は普通に航空機メーカーとして始まったロッキードという会社が、いつのまにか政治力を使って儲ける会社になっており 本書の後半はその政治力により、自らの商品の欠陥を糊塗したり行いたい事業を売り込んだりする事例が次か次へと紹介されている。このロッキード政治力事例集だけでも読みごたえがあった。 個人的には、政治力を持った大企業が存在すると、民主主義においてどのようなことが起こるのかについて考えさせられた。 日本においてよく、身分を保障された官僚が天下りをして税金を無駄遣いしているという批判がなされ、民主主義が進んでいるアメリカでは政権によって官僚が入れ替えられるから良いというようなことが言われることがあるが、アメリカの回転ドア(官民の間を行き来すること)の実情を見せられると、果たしてそんなに単純なのかと思ってしまう。よく言われる民間登用も、政府から出てすぐに企業の副社長に就任するなんていう例を見せられると、果たして本当に良い制度なのか疑問を呈さざるを得ない。

Posted byブクログ

2012/10/22

なにか一風変わったものを、と思って、読んでみた 自分でも意外なくらいにのめり込んで、読めた気がする 軍産複合体という存在が根付いてしまうとどうなるか、というのがよくわかった おそらく、アメリカがこの病巣を取り除くことはできないだろう

Posted byブクログ