三国志(第十一巻) の商品レビュー
孫権の老衰によって呉が混乱するところから始まる。 孫権は幾人もの忠臣の諫言を退けるばかりでなく処刑まで課し、さらに息子二人を跡継ぎとして争わせたため自ら国力を分断、 呉を衰亡の途に導いてしまう。 孫権の死の寸前まで続いた苛烈な権力闘争に勝利した諸葛恪(諸葛亮の甥)も、そののち自ら...
孫権の老衰によって呉が混乱するところから始まる。 孫権は幾人もの忠臣の諫言を退けるばかりでなく処刑まで課し、さらに息子二人を跡継ぎとして争わせたため自ら国力を分断、 呉を衰亡の途に導いてしまう。 孫権の死の寸前まで続いた苛烈な権力闘争に勝利した諸葛恪(諸葛亮の甥)も、そののち自ら墓穴を掘り、粛清の目に――。 魏では司馬懿が権力を恣にする曹爽の目を欺くために詐病、政治から距離を取っていた。 そして機が熟した時に司馬懿がとった行動は――。 劉備、孔明、曹操なき後も続く政治と権力をめぐる戦い――。 <amazon商品詳細より> 三国志の英雄たちがすべて世を去った。 呉は孫権が国力を著しく損なったうえで亡くなり、 本巻では呉の崩壊を描いている。 魏では司馬懿が大きな力を握り、司馬一族が繁栄する予兆が様々なところから見えてくる。
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呉の孫権の老醜ぶり、後継を巡って陸遜を憤死させる!孫亮への後継後も諸葛恪の専制と暗殺など呉の運命は暗い。魏も曹叡が若くして死ぬと、後継の養子曹芳は年若く、工程を蔑ろにする曹爽と司馬懿の対立から、曹爽追放、そして司馬師の専制と暗殺計画など、いずれも暗雲が立ち込め、国力を弱めていく。...
呉の孫権の老醜ぶり、後継を巡って陸遜を憤死させる!孫亮への後継後も諸葛恪の専制と暗殺など呉の運命は暗い。魏も曹叡が若くして死ぬと、後継の養子曹芳は年若く、工程を蔑ろにする曹爽と司馬懿の対立から、曹爽追放、そして司馬師の専制と暗殺計画など、いずれも暗雲が立ち込め、国力を弱めていく。司馬懿が耄碌を装い、曹爽を騙し、出兵させる場面は迫力に富むし、どれも陰謀が興味深く厭かせないが、人間の醜さを痛感する思いである。しかし、著者は兄弟仲をどれも良く描いているのは救いである。曹爽と曹羲、司馬師と司馬昭・・・。この大著の中で袁紹・袁術兄弟以外はいずれも協力し合う姿が印象に残った。
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孫権、司馬仲達が静かに没する。魏、呉、蜀、どこの国も混濁。逸材が瞬く間に姿を消していく。登場人物はほとんど三国志を輝かせた人傑の子や孫ばかり。抜きんでる者がおら延々とドタバタ劇を繰り返している。当たり前の人間模様を虚飾なく描くとこうなってしまうのとすれば、あまりに侘しい。
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呉では陰険な跡継争いの後、孫権がなくなり孫亮が帝位に着き諸葛恪が実権を握るが、司馬懿の死に乗じて蜀の姜維と示し合わせて行なった魏との戦で大敗してしまう。 その後、諸葛恪の専横を憂いた孫峻によって討たれてしまう。 一方、司馬懿の後を継いで魏の実権を握った司馬師は、司馬氏の専横を案じ暗躍する者たちを着々と排除していく。 魏と呉を見比べると、呉は後継争いで人材が払底した感じがあるが、魏の人材の層は厚い感じがします。 才能はあってもそれ故に他を省みる事なく破滅した諸葛恪、丁奉に対する敗北から成長した司馬師を見ても、権力と才能と人使いのバランスの難しさを感じさせる巻でした。
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耄碌する孫権。そしてひたすら司馬氏のターン。三ムソ6好きにはたまらないかも。今回は蜀の出番がかなり少なかったので、ファンは耐えるのが必要。
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図書館で借りて一気読み。 楊震や梁冀等、三国時代の少し前を描写していた1巻〜2巻に登場する人物を比較対象としてここ11巻で出す等、大河小説としてのスケールの大きさを感じられる。題材は司馬懿のクーデターや諸葛恪の暗殺と暗い題材がメインだが、描写に粘り気・陰性が感じられないのは宮城谷...
図書館で借りて一気読み。 楊震や梁冀等、三国時代の少し前を描写していた1巻〜2巻に登場する人物を比較対象としてここ11巻で出す等、大河小説としてのスケールの大きさを感じられる。題材は司馬懿のクーデターや諸葛恪の暗殺と暗い題材がメインだが、描写に粘り気・陰性が感じられないのは宮城谷先生の筆致ならでは。
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宮城谷三国志11巻。 有名な三国志主人公が今回で全て退陣する。次の世代がメインの主人公。しかし、魏は司馬懿の子の司馬師が全権を握り、呉では諸葛瑾の子諸葛恪が大将軍となり、実権を握り呉の政治を縦断する。その後最後にはやはり処断されてしまい、孫静の子の孫峻が実権を握り、また諸葛恪と同...
宮城谷三国志11巻。 有名な三国志主人公が今回で全て退陣する。次の世代がメインの主人公。しかし、魏は司馬懿の子の司馬師が全権を握り、呉では諸葛瑾の子諸葛恪が大将軍となり、実権を握り呉の政治を縦断する。その後最後にはやはり処断されてしまい、孫静の子の孫峻が実権を握り、また諸葛恪と同じ事をする始末。 結局このまま3国は司馬氏が魏で実権を握り3国統一までされる話が12巻で終わりなのかと推測。まあ、吉川三国志のような話ではなく、本当に三国志、三国の正史のような話ではあった。まあ、歴史の好きな人には結構面白い話だとは思う。自分もこういう話も好きです。
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孫権が死ぬが三国は存続~呉の孫権は太子の登が死去した後,和を太子としたが覇も魯王として待遇を同じにしたため,群臣は二派に分かれいく。国力を弱める処置に諫言する者は力を削がれ,有為の者が消えていく。宰相の陸遜も諫止しようとして疎まれ,憤死した。71で不治の病床に就いた孫権に侍中の孫...
孫権が死ぬが三国は存続~呉の孫権は太子の登が死去した後,和を太子としたが覇も魯王として待遇を同じにしたため,群臣は二派に分かれいく。国力を弱める処置に諫言する者は力を削がれ,有為の者が消えていく。宰相の陸遜も諫止しようとして疎まれ,憤死した。71で不治の病床に就いた孫権に侍中の孫峻は亮の甥である諸葛恪を推挙し,孫権は和を廃位し覇を誅し,末子の亮を太子に立て,恪を太傅とするが,先の太子を復位させようとも考えているようだ。蜀では費イが軍事を抑え国力を充実させていたが暗殺され,羌維が表舞台に出ていく。魏の叡の養子・芳を奉じる筈の大将軍・曹爽は,高齢の司馬懿が病を得ていると侮り,一族の栄達を謀っていく。司馬懿は佯病で曹爽が魏帝と一族を連れて宮城から出た機会に宮中を制圧し,罪を重くするなと皇帝の身柄を戻し,曹爽の一族を滅ぼし,息子の司馬師にすべてを継承させた。孫権が亡くなり,呉の大権を握った魏の大権を握った諸葛恪は同じく服喪中である魏の司馬氏の隙を突き合肥の新城を攻めるため20万の大軍で攻め,蜀の羌維に南安郡を攻めさせて牽制を計っていた。司馬師は新城へ援軍を送らず,南安に兵を送って蜀を斥け,兵力を新城に向けると,攻城戦と水中りで兵の半数を失った諸葛恪は引き上げざるを得ないが,戦果を上げずに帰れないと私兵の様に用いようとする。侍中の孫峻は呉帝をないがしろにする態度が腹に据えかねず,帝と共謀して誅殺する。魏に於いても司馬氏を除こうとする陰謀が発生するが,いち早く知った司馬師は大掃除を開始する~一年分の著作。一年前に読んだ内容を思い出すのに時間が掛かって,なかなかその世界に入っていけないのだ。緻密であるが故に面白いのだが,細かすぎるのも困る。登場人物の父や祖父の話や各国内の権力闘争などは世界史の授業では扱わず,一瞬の間だけで,この十一巻の内容は飛ばす。知っていて損はないけどね
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呉の自滅っぷりがひどい巻。 君主がとち狂うケースは往々にしてあるけど、人材が底をつくのが魏に比べて早すぎる。 責任の大半は孫権にあるんだろうけど、功臣の子弟か、一族ばかりを擢用しているような印象。 そのために処罰の単位が氏族になるので、内紛の影響が大きくなる。 二世・三世がそれ...
呉の自滅っぷりがひどい巻。 君主がとち狂うケースは往々にしてあるけど、人材が底をつくのが魏に比べて早すぎる。 責任の大半は孫権にあるんだろうけど、功臣の子弟か、一族ばかりを擢用しているような印象。 そのために処罰の単位が氏族になるので、内紛の影響が大きくなる。 二世・三世がそれだけで悪ではないけど。 その点、魏は曹操の遺徳か、司馬懿の眼力か、継続的に才能のある人材を登用しているなあ、と思う。 要するに、国力増大の礎は人材に多くを依存するのだなあ、と改めて思った次第。 まあ、結果的に西晋でも呉のような事態が起きるのだけど。
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宮城谷版三国志十一巻目。 本巻にて三国志演義の主要登場人物が全員退場します。 宮城谷さんの描きたいものは三国通史列伝であると思われます。 ですので、本巻ではないですが演義では重きを置かれページを割かれるような赤壁の戦いなどもあっさり終わったりしたのだと思います。 先巻までは魅力的だった司馬懿が本巻ではかなりあくが出てますし、孫権は老醜としか言いようのない状態で晩年を汚します。 三国の滅亡に向けて百花繚乱というより、入れ代わり立ち代わる権力者の迷走、暴走が止まらなくなってきているようです。 呉の滅亡前描かれるとすると、あと2,3巻というところかもしれません。
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