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オーディンの鴉 の商品レビュー

3.8

9件のお客様レビュー

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2022/06/12

「私は恐ろしい」。不可解な遺書を残し、閣僚入り間近の国会議員・矢島誠一は、東京地検による家宅捜索を前に謎の自殺を遂げた。真相を追う特捜部の湯浅と安見は、ネット上に溢れる矢島を誹謗する写真や動画、そして、決して他人が知り得るはずのない、詳細な行動の記録を目にする。匿名の人間たちによ...

「私は恐ろしい」。不可解な遺書を残し、閣僚入り間近の国会議員・矢島誠一は、東京地検による家宅捜索を前に謎の自殺を遂げた。真相を追う特捜部の湯浅と安見は、ネット上に溢れる矢島を誹謗する写真や動画、そして、決して他人が知り得るはずのない、詳細な行動の記録を目にする。匿名の人間たちによる底知れぬ悪意に戦慄を覚える二人だが、ついに彼らにも差出人不明の封筒が届きはじめる……。

Posted byブクログ

2019/01/01

知ってる人は楽しめるし、知らない人はためになる。これは推薦図書として紹介する。ただ、登場人物たちがお堅いので、ちょっと難しい。

Posted byブクログ

2018/12/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

これは面白かった!! いや〜、コワコワです! 湯浅も頑張った! でも、ハジメがいてくれて、ホントによかった!! 個人情報さらされるとか……知らない人に、そーゆーの知られてたらとか……考えたくも無い〜〜!!!

Posted byブクログ

2018/08/03

読後、背筋が震えた。 もちろん、寒さのせいでは無く、よく出来た本書のストーリーのリアルさに、である。 『オーディンの鴉』とは、北欧神話の神の名で、両肩にフギン(思想)と、ムニン(記憶)という二羽の鴉を従え、世界中のあらゆる情報を集めて来る事ができるという。 本書は、東京地検特...

読後、背筋が震えた。 もちろん、寒さのせいでは無く、よく出来た本書のストーリーのリアルさに、である。 『オーディンの鴉』とは、北欧神話の神の名で、両肩にフギン(思想)と、ムニン(記憶)という二羽の鴉を従え、世界中のあらゆる情報を集めて来る事ができるという。 本書は、東京地検特捜部の検事が、家族や仲間を守るため、巨大な敵と闘う物語である。 敵は、まったく姿を見せず、しかし、あらゆる情報を操作する事が出来る、巨大な力を持った人物(または組織)である。湯浅検事は、果たして、巨大な敵に勝てるのか? 現代は、情報化社会と良く言われるが、本書のように、あらゆる情報が集められ、それが恣意的にある目的で使われたら...非常に恐ろしい事態に、驚愕します。 決して小説とは思えないリアルさは、福田さんの筆力でしょうか。最後に、検察内部の裏切者が登場しますが、残念ながら、外れでした。 ・オーディンの鴉 https://www.youtube.com/watch?v=NRPs58pyiOQ

Posted byブクログ

2018/04/18

ネットの閲覧履歴、クレジットカードの利用情報、交通系などICカードの使用、そんな個人情報すべてが他人の手に握られ、晒されるとしたら。 この作品は、そんな恐ろしい、だがこの情報社会ですでに起こっている個人情報の開示という現実を、2009年の時点でフィクションとして描き出したもの。...

ネットの閲覧履歴、クレジットカードの利用情報、交通系などICカードの使用、そんな個人情報すべてが他人の手に握られ、晒されるとしたら。 この作品は、そんな恐ろしい、だがこの情報社会ですでに起こっている個人情報の開示という現実を、2009年の時点でフィクションとして描き出したもの。 汚職容疑で、地検特捜部の家宅捜索を受ける寸前だった 議員の矢島が自殺した。 遺書には「私は恐ろしい。これ以上耐えられない」と記されており、地検に追い込まれた末の自殺と思われたが、しばらくして、矢島の個人情報が次々とネットに晒され、拡散されていることが判明する。 誰が情報を集め、開示しているのか。 矢島の取り調べを行うはずだった特捜検事の湯浅と安見が、ネット上の情報を調べ始める。 だが、捜査が進むうち、「オーディンの鴉」と名乗る何者かから脅迫めいた郵便物が湯浅と安見の元に届く。 そして、安見の撲殺死体が発見された。 さらに魔の手は湯浅の身にも…。 この作家さん自身が工学部出身だということで、物語の恐ろしさはリアリティを帯びて迫ってくる。 個人情報晒し、そして誹謗・中傷。 多くの人がネットを利用する現在、 自分には関係のないこと、などと言っていられない社会になった。 普通の顔を見せない人の悪意が、現実の世界に巣食っているのが一番恐ろしいのかもしれない。

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2017/11/09

ネット社会、情報社会の怖さを余すところなく描いた作品だった。 主人公は東京地検特捜部の湯浅。閣僚間近の国会議員・矢島が謎の自殺を遂げた事件を調べているうちに、インターネットに次々と矢島の個人情報が流れていることに気がついた。 自宅の住所や電話番号をはじめ、過去の学歴や日常生活の...

ネット社会、情報社会の怖さを余すところなく描いた作品だった。 主人公は東京地検特捜部の湯浅。閣僚間近の国会議員・矢島が謎の自殺を遂げた事件を調べているうちに、インターネットに次々と矢島の個人情報が流れていることに気がついた。 自宅の住所や電話番号をはじめ、過去の学歴や日常生活のテリトリーに至るまで詳細にカキコミサイトや個人ブログにアップされている。隠し撮りされたと思われる写真も掲載され、それについてのネットユーザーからのコメントもものすごい数になっていた。 ほとんどが悪意のあるコメントで、読んでいる湯浅も気持ちが悪くなるほどだった。これだけの個人情報を掴むにはとてつもない大きな組織とネットについての知識がないと駄目だろうと思い始めた頃、湯浅自身にも、闘病中の愛娘を写した写真が封書で届けられる。その後、湯浅の片腕・安見が殺された。いったい誰が何のために。 湯浅は見えない敵との孤独な戦いに恐怖を感じる・・・・。 深いIT関連の知識がないと解けない事件だと思う。 とても便利で普段頼り切っているネット関連の機器たち。 携帯電話やICカード、キャッシュカード、そして防犯カメラ。 自分の個人情報満載のこれらの機器が、 そろって敵となってしまうなんて考えただけでも恐ろしい。 しかもこれらの情報は、 削除しても次々とコピーをつくられるからやっかいだ。 一度ネットに流出すると、永遠にネットの海のなかを彷徨うという。 そしてそれにもまして怖いのは、 流れ出た情報にのっかる悪意のユーザーたち。 ただ個人情報が流出するばかりでなく、 それに乗じて、野次馬的なヒマ人ユーザーが 好き勝手に中傷するコメントを書き連ねていくのだ。 まるで見えない誰かにいつも見張られているような世界…。 考えれば考えるほど、この事実は恐ろしい。 最近はもっと個人情報をあからさまにしているFacebookなどもあるが、 実際に、ストーカー事件につながった例も多い。 ネットの活用、確かに便利なものだが、 利用者は情報社会の恐ろしさをよく理解して使わねばいけないだろう。 タイトルの「オーディンの鴉」も面白い。 オーディンは北欧神話の中の最高神。フギンとムニンという二羽の鴉を肩に止めて、その鴉を使って世界中の情報を集めている、といわれている。 情報化社会の恐怖を描いたこの作品にピッタリのタイトルだと思う。

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2013/11/25

現代は情報社会である。プライベート、ビジネスに関わらず、ネットワークに関わることなく生活していくことは有り得ない。利便性を追求した結果、私たちは監視されることを与えてしまった。 その恐怖が、とても身近なTwitterやYouTubeという言葉が出ることによってリアルさを増す。 決...

現代は情報社会である。プライベート、ビジネスに関わらず、ネットワークに関わることなく生活していくことは有り得ない。利便性を追求した結果、私たちは監視されることを与えてしまった。 その恐怖が、とても身近なTwitterやYouTubeという言葉が出ることによってリアルさを増す。 決して、自分の名前を検索してはいけない。

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2013/08/22

ありがちなストーリーだけど、YouTubeだったりニコニコ動画、Twitterといった身近なサービス名が出てくるあたりに親近感を覚え、すらすらと読み進めることができた。しかし、遂に黒幕の尻尾を掴んだぞ!っといった展開にも関わらず、”えっ、そんな奴いたっけ?”っと微妙な感じで読み返...

ありがちなストーリーだけど、YouTubeだったりニコニコ動画、Twitterといった身近なサービス名が出てくるあたりに親近感を覚え、すらすらと読み進めることができた。しかし、遂に黒幕の尻尾を掴んだぞ!っといった展開にも関わらず、”えっ、そんな奴いたっけ?”っと微妙な感じで読み返してみたけど、納得いかず残念だった。。。せめて、もう少し身近な人物が黒幕だったら・・・。読み進めながら、スマイリーキクチの事件を思い出してしまった・・・。

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2013/01/10

IT社会のリアリティを追求したサスペンス作品!天才ハッカーや天才プログラマー等の非現実的な類は一切なく、ごくごく身近なTwitterや2ch、SNS、YouTubeだったりニコ動といったツール類を使っての展開なだけにちょっと寒気が… インターネットの発達と共に生活も便利になったり...

IT社会のリアリティを追求したサスペンス作品!天才ハッカーや天才プログラマー等の非現実的な類は一切なく、ごくごく身近なTwitterや2ch、SNS、YouTubeだったりニコ動といったツール類を使っての展開なだけにちょっと寒気が… インターネットの発達と共に生活も便利になったり、色々と可能性が拡がる半面、このような事態ってかなり現実的なのだろうから。。。 …ただ、日進月歩で技術が進む昨今では「旬な時期」ならではの展開ではあるので、10年後とかに読み返すとかなり違う味わいになるのかも。 そんな「現在」の社会に対する警告も含まれているのだろうが、それらの要素がうまくストーリーと絡まりあっていて無理なく読ませてくれる! また、主人公である湯浅の設定も絶妙だったかと。。。検事という職業ではあるものの、比較的庶民的であり親近感のあるキャラクターなだけに、中盤以降に追い詰められていく描写にはついつい同調してしまった。 そして、現代に於いて、この情報管理から身を隠すって難しんだなぁ、、、と関心してしまった。 …とまぁ、その辺については非常に面白かったのに、本作内での黒幕(?)が若干役不足だったんじゃないだろうか。 組織の全容が掴めないままってのも含めて、設定自体は確かにリアリティはあるんだろうけど、小説としてはスッキリ感が足りなかったんじゃないかと。。。

Posted byブクログ