スフィンクスか、ロボットか の商品レビュー
哲学のような、SFのような、童話のような、不思議な物語。 自分が疲れていたことに気がつくような。硬く凝ってしまった気持ちがほどけていくような。 子どもたちは、ゆっくりと大人になるといいね! 「スフィンクスか、ロボットか」 お父さんも娘、そのまわりの人たち。 地球の中心に...
哲学のような、SFのような、童話のような、不思議な物語。 自分が疲れていたことに気がつくような。硬く凝ってしまった気持ちがほどけていくような。 子どもたちは、ゆっくりと大人になるといいね! 「スフィンクスか、ロボットか」 お父さんも娘、そのまわりの人たち。 地球の中心には無限があって、私たちは引力でなくて遠心力のおかげで地面にたっている。 ←なんて、愉快なんだろう! 「正しく」ある必要なんて無い気がしてきた。 スレヴィの目は切ない。 「太陽の子どもたち」 1週間お花を届けるバイトをする女の子。 香りは花の魂。 美しさをつなげていくために美は欠かせない。でも、美しさの中には一滴の毒。 ソテツの見る夢 色は花を通して地上に現れる。 体はだれもがいつか出ていく箱。 春こそ、一番の手品師。 「明かりのもとで」 ルスは色んなことを考える。 墓地で人が亡くなる理由を、ベッラの占いについて、神さまの文字と病気のこと。 小人や妖精が見える小さなパウリのこと。 呼吸は、時の風。 ランプの灯りは部屋に魔法をかける。 人はどこに行くのかしら。
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短編3つ。日常に交じるファンタジー。 子どもの想像力って凄い。 こんな世界が自分にも見えていた時期があった。 もう共感出来なくなった自分に気づいて哀しくなる。 こういうところが、大人が読む児童書の辛いところだ。 最後の『明かりのもとで』が好き。
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先日読んだケリーリンクが、つま先立ちして塀の上から隣んち覗いてるような息苦しさ、しんどさがあったとしたら、これはダイニングテーブルで一歳位の女の子とままごと遊びしてるような穏やかでほほえましい雰囲気。表紙の感じも可愛らしいが、児童書から哲学書まで手がける人らしい。別に子供に限らず...
先日読んだケリーリンクが、つま先立ちして塀の上から隣んち覗いてるような息苦しさ、しんどさがあったとしたら、これはダイニングテーブルで一歳位の女の子とままごと遊びしてるような穏やかでほほえましい雰囲気。表紙の感じも可愛らしいが、児童書から哲学書まで手がける人らしい。別に子供に限らず「これはこうじゃないとおかしいでしょっ!」と決めつけるよりも「こういうのもありだわな」と頭ゆるゆるで生きていきたい。しかし腹の脂肪はなるべくゆるゆるしないで生きていきたい。
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フィンランドの作家が書いた子ども向けの物語が3つ。どれも掌編連作の形を取り、ごく短くまとめられたエピソードが連なることで、まとまった一つの世界を作り出している。世界は多面体だということを文体で表現しているかのような、独特の味わいがある。 『スフィンクスかロボットか』 私達が現実...
フィンランドの作家が書いた子ども向けの物語が3つ。どれも掌編連作の形を取り、ごく短くまとめられたエピソードが連なることで、まとまった一つの世界を作り出している。世界は多面体だということを文体で表現しているかのような、独特の味わいがある。 『スフィンクスかロボットか』 私達が現実と呼ぶ世界とは少しだけズレた世界の日常が、リディアという少女の目を通して語られる。彼女の目を通すと、鏡は二つの世界をつなぐ窓であり、世界は外に向けて開かれているのではなく、無限の中心に向かって閉じられている。そして時間はあらゆる物の中に蓄積され、それを唯一無二のものにしている。 『太陽の子どもたち』 小学生の女の子、スミレが一週間だけ花屋のお使いを頼まれて、世の中や社会というものに直接触れる。スミレの行き先は刑務所だったり病院だったり、市長の誕生日祝いのパーティ会場、さらにはオペラハウスで歌姫の姿を拝むことになったり。世俗にまみれたお使い先とは対照的に、花屋の女主人は、幼いスミレに植物に関するうんちくを披露する。それは時に哲学的であったり、お伽話のようであったりしながら、世界の神秘にそっと触れる。 『明かりのもとで』 1950年代、ヘルシンキ郊外のリーオラーという小さな村が舞台。8歳の少女、ルスを中心に、個性豊かな村のメンバーのエピソードが綴られる。普通の人には見えないものが見える小さなパウリ、小児麻痺で足が不自由になってしまった親友のライヤ、売れない詩人、年老いた伯爵夫人とさらに年上の女中、占い師、成仏できない弁護士の幽霊、そして村はずれのランプ屋。ルスはランプ屋の孫の大きなパウリが好きで、よくランプ屋の屋根裏に集まってはゲームをして遊ぶ。前職はラテン語の教師だったというランプ屋の主人が時々上がってきて、ルスたち相手に難しい話をしては孫に追い払われて下りてゆく。 いくつもの不思議や事件や世の不条理が描かれている中、象徴的なのは、めったにお客は来ないけれどいつも明るいランプ屋。その光は村の人々の暮らしを明るく照らすだけでなく、啓蒙の光をも兼ねている。
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図書館の新刊の棚にあって、 とても可愛らしいイラストに、 思わず手に取ってしまった。 なんとなく、勘だけれど、 とても好きになれそうな予感がする。 おはなしに片思いしているような気分。
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