正岡子規 の商品レビュー
「正岡子規」ドナルド・キーン著・角地幸男訳、新潮社、2012.08.30 213p ¥1,890 C0095 (2024.08.12読了)(2024.07.31拝借) 【目次】 第一章 士族の子 ―「弱味噌の泣味噌」だった幼少時代 第二章 哲学、詩歌、ベースボール ―実は「英語...
「正岡子規」ドナルド・キーン著・角地幸男訳、新潮社、2012.08.30 213p ¥1,890 C0095 (2024.08.12読了)(2024.07.31拝借) 【目次】 第一章 士族の子 ―「弱味噌の泣味噌」だった幼少時代 第二章 哲学、詩歌、ベースボール ―実は「英語が苦手」ではなかった学生時代 第三章 子規の歌 ―初めての喀血、「畏友」夏目漱石との交遊 第四章 小説『銀世界』と『月の都』の作者 ―僕ハ小説家トナルヲ欲セズ詩人トナランコトヲ欲ス 第五章 従軍記者子規、唐土へ渡る ―恩人・陸羯南と新聞「日本」 第六章 「写生」の発見 ―画家中村不折との出会い、蕪村の俳句 第七章 俳句の革新 ―伊予松山で雑誌「ほとゝぎす」発刊 第八章 新体詩と漢詩 ―胸を打つ「父の墓」「老嫗某の墓に詣づ」、そして「正岡行」 第九章 短歌の改革者子規 ―『歌よみに与ふる書』十篇、橘曙覧の歌の発見 第十章 随筆『筆まかせ』から『松蘿玉液』『墨汁一滴』へ ―ひたすら「生きて、書き続ける」という奇跡 第十一章 随筆『病牀六尺』と日記『仰臥漫録』 ―死に向かっての「表」と「裏」の世界 第十二章 辞世の句 ―友人・弟子の証言、子規の功績 註 参考文献 さくいん ☆関連図書(既読) 「仰臥漫録」正岡子規著、岩波文庫、1927.07.10 「松蘿玉液」正岡子規著、岩波文庫、1984.02.16 「坂の上の雲(一)」司馬遼太郎著、文春文庫、1978.01.25 「正岡子規 言葉と生きる」坪内稔典著、岩波新書、2010.12.17 「子規の音」森まゆみ著、新潮社、2017.04.25 「反劇的人間」安部公房・キーン著、中公新書、1973.05.25 「日本の面影(NHK人間大学)」ドナルド・キーン著、日本放送出版協会、1992.04.01 「世界のなかの日本」司馬遼太郎・ドナルド・キーン著、中央公論社、1992.04.20 「明治天皇を語る」ドナルド・キーン著、新潮新書、2003.04.10 「日本を、信じる」瀬戸内寂聴・ドナルド・キーン著、中央公論新社、2012.03.11 (アマゾンより) ドナルド・キーン生誕100年、正岡子規没後120年の今年読みたい「決定的評伝」 西洋文明との出会いという衝撃により伝統文化が危機に瀕した明治日本。そんななか雑誌ホトトギスを舞台に、「写生」という新たな手法を創出、俳句と短歌に革命をもたらした子規。国民的文芸の域にまで高らしめ、俳句は今や世界で愛される存在となった。幼時の火事体験からベースボールへの熱狂、漱石との交友、蕪村の再発見、そして晩年の過酷な闘病生活までを綿密に追った日本人必読の決定的評伝。
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偏りの無い視点から子規が書かれていて人物がよくわかる本。 俳句は感情で作る、頭を使いすぎないの教えはなるほど。
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恥ずかしながらドナルド・キーン翁の著作はこれが初読です。通っていた大学にも、アメリカ人でありながら日本文学の講義をされる教授が居り、懐かしくなってみたり。 正岡子規に関する書籍をこの処ずっと読み続けているのですが、このボリュームにしてこの濃厚さよ!子規評伝を書かれる方は、矢張り...
恥ずかしながらドナルド・キーン翁の著作はこれが初読です。通っていた大学にも、アメリカ人でありながら日本文学の講義をされる教授が居り、懐かしくなってみたり。 正岡子規に関する書籍をこの処ずっと読み続けているのですが、このボリュームにしてこの濃厚さよ!子規評伝を書かれる方は、矢張り「ノボさん」大好き!と云う姿勢が大前提なので、好印象にしか取り上げない事が多いのですが、キーン翁によるこの評伝には若尾瀾水の子規批判について言及している点や、子規とは若干時代がずれる物の、若き歌人として石川啄木の感性を引き合いに出している点などに於いて一線を画した一冊となっていました。濃厚濃厚。 また、子規が日本文学に齎した功績を挙げる点から、日本の俳句・短歌・新体詩について言及している点もこの本の魅力。歌を詠みたい!詩を書きたい!と云う方には是非手に取っていただきたいと思いました。 ↓以下ミーハー感想 若尾瀾水については後に五百木瓢亭がナイスフォローしている所がグーです。流石だ瓢亭イイ奴だ瓢亭…そして伊藤佐千夫が子規さんのプラトニックラブは長塚節だったとか書いている所も御馳走様ですって感じです…おおう…。子規さんの周辺は弟子やら友人やら含めてみんな魅力的過ぎる!
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正岡子規は、近代俳句の創始者で、司馬遼太郎「坂の上の雲」の主人公の一人として描かれた俳人。 「坂の上の雲」を読むまで、正岡子規のことはほとんど知らなかった。 学生時代に俳句の授業で「柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺」という句を習ったことがあるが、その句が以前の俳句と何が違っているか...
正岡子規は、近代俳句の創始者で、司馬遼太郎「坂の上の雲」の主人公の一人として描かれた俳人。 「坂の上の雲」を読むまで、正岡子規のことはほとんど知らなかった。 学生時代に俳句の授業で「柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺」という句を習ったことがあるが、その句が以前の俳句と何が違っているかなど考えたこともなかった。子規の句には作者の主観の入らない素朴な印象がある。彼は従来の俳句とは違う写実的な俳句を作り、新聞に公表することで一般庶民の娯楽としての俳句を普及させた。 病気と闘いながら創作に励んだ子規は、常に自分の残りの人生を意識しながら新たな領域を開拓した。俳句に限らず、短歌や新体詩の世界でも従来の常識に対して様々な試みを行っている。 彼の人生を知ると、その句の意味するところがよく判る。自分の境遇を無念に思いながらも、自分の足跡を残したいという想いで生まれた句も多い。 この本では、彼の生い立ちから死に至るまでの人生と、俳句の世界を改革した功績、代表的な著作などを中心に正岡子規とはどのような人物だったのかを考察している。 子規の随筆(文語文)を多数紹介しており、それに現代文の翻訳もついて大変読みやすい。著者と翻訳者によるこのような配慮は、受験のためだけに俳句を勉強する人達にも、明治の日本文学と子規の人生を広く知ってもらいたいという著者の願いがあるように感じた。
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たえず挑戦しつづけた子規の生涯を精緻にたどる本格的評伝、ついに完成! 西洋文明の衝撃により、日本の伝統文化が危機に瀕するさなか、「ホトトギス」を創刊、「写生」という新たな手法により、俳句と短歌に革命をもたらし、国民的文芸にまで高めた子規。幼いときの火事体験から、ベースボールへの熱狂、漱石との交友、蕪村の再発見、そして晩年の過酷な闘病生活まで、正岡子規評伝の決定版
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俳句は、誰もが学校で学んで句を詠んだことがあるし、また新聞紙上での紹介欄や専門雑誌もあり、現代でもポピュラーな詩として一定の地位を確保している。俳句が今日も衰えずにあるのは、明治期に俳句界に革命を興したと賞される主人公のおかげである、というのが定説である。本書は、子規の人生や思考...
俳句は、誰もが学校で学んで句を詠んだことがあるし、また新聞紙上での紹介欄や専門雑誌もあり、現代でもポピュラーな詩として一定の地位を確保している。俳句が今日も衰えずにあるのは、明治期に俳句界に革命を興したと賞される主人公のおかげである、というのが定説である。本書は、子規の人生や思考をたどりながら、子規が俳句や詩と取り組んだ様を紹介している。特徴的なのは、旧仮名遣いの原文を引用したら、現代語訳をつけて読みやすくしていることだろう。角地幸男訳ってキーン氏は英語で書いたの?ってよくわからないが、それはともかく、子規の人や業績をきちんと知りたい人には、ボリュームもよくお勧めできる本である。
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