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天のシーソー の商品レビュー

4.1

18件のお客様レビュー

  1. 5つ

    6

  2. 4つ

    5

  3. 3つ

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2021/07/30

小学生の姉妹ミオとヒナコ。悪意や嫉妬、時に見せる信頼関係や優しさがリアル。ふたりとも生意気で一筋縄ではいかない子どもだが芯は純粋でまっすぐで正直。いい子だなと思う。小学生の時期ならではのグレーなヒリヒリした経験には身に覚えがある。どの話にも幼い私がいる。ミオとヒナコが私のこともわ...

小学生の姉妹ミオとヒナコ。悪意や嫉妬、時に見せる信頼関係や優しさがリアル。ふたりとも生意気で一筋縄ではいかない子どもだが芯は純粋でまっすぐで正直。いい子だなと思う。小学生の時期ならではのグレーなヒリヒリした経験には身に覚えがある。どの話にも幼い私がいる。ミオとヒナコが私のこともわかってくれた気持ちになった。読んでよかった。

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2021/07/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ミオとヒナコの姉妹の仲の悪さ(というか、ケンカの仕方)がリアルでした。なんてことのない日常の、ちょっとした罪悪感みたいなものが丁寧に描かれています。 マチンバ、正直に謝りに行ったことが素晴らしい。チョコレートは二人だけのもの。 針せんぼん、嘘をついてしまった、あの二人にはもう会えない、罰を受けないと…みたいな気持ちが分かる。きっとこれからも関係は続いていくけれど、もう100%純粋な信頼じゃないよね、という感じ。 ラッキーデイ、電話番号を言ってしまったことが気になって、本筋が何も入ってこなくなった。やめてくれ! 明日への改札、タイトルがちょっとやりすぎだけど、ヒナコの「言わなかったけど笑ったなら同じ」という罪の意識はいい。その所属から離れると、もうあの時の空気感ではいられないんだよな。みんなが「せーの」でいなくなるならまた違うんだけど。

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2021/05/29

下手をすると道徳の教科書読んでるみたいな気分になるけど、最後をウヤムヤにして考えさせられる道徳本よりは、あー良かった世の中そんなに悪くないな、って思わせる結末を持ってきているので、良くも悪くも安心して読める。 子どもに読ませたい本ランキング上位なイメージだけど、娘に渡しても読まん...

下手をすると道徳の教科書読んでるみたいな気分になるけど、最後をウヤムヤにして考えさせられる道徳本よりは、あー良かった世の中そんなに悪くないな、って思わせる結末を持ってきているので、良くも悪くも安心して読める。 子どもに読ませたい本ランキング上位なイメージだけど、娘に渡しても読まんなぁ。まぁそんなもんか。 と言うわけで名簿業者が最悪だから死刑だな、あの人たち。子どもを騙すなんて酷い話ですよ。

Posted byブクログ

2021/01/31

ヒットしないので理論社の単行本の感想。 所収されている話が文庫本より、少ないかもしれない。 表題の「天のシーソー」を含めた6話の連作短編集。 主人公は、小5ミオ。家族は、生意気で金魚のフンで小さい頃はよくひきつけをおこした妹と、見栄張りで、ちょくちょく小言も言うママと、物語には...

ヒットしないので理論社の単行本の感想。 所収されている話が文庫本より、少ないかもしれない。 表題の「天のシーソー」を含めた6話の連作短編集。 主人公は、小5ミオ。家族は、生意気で金魚のフンで小さい頃はよくひきつけをおこした妹と、見栄張りで、ちょくちょく小言も言うママと、物語にはあんまり登場しないお父さんの4人。 「ひとしずくの海」は、母親と言い合いになって家を飛び出したヒ ミオが、近所のサチねえちゃん中3に会って、めかくし道で帰って来る話。 「マチンバ」は、友達とローラーブレードを転がしながら、ピンポンダッシュを、動物も子どもも嫌いなマチンバにする話。 「針せんぼん」ゼリー作りに凝っていたミオは、家の前で遊んでいた5歳の純一と3歳の翔の兄弟を家に入れて食べてもらい、それをきっかけに、二人は家に遊びに来るようになる。 ある日、ミオは二人との約束を忘れてしまう。 「天のシーソー」2月前に転校してきた佐野は、運動が得意で明るい。何となくミオに優しい。 エリに誘われてミオは佐野を尾行して、佐野の家を突き止めることに。 「ラッキーデイ」朝から学校でミオはついていない。雨にしおしおと濡れながら家に帰ってからもついていない。そこに、電話がかかってきて、クラスメイトの住所と電話番号を教えてくれと言う。最初は断ったミオだったが、脅されて教えてしまう。 「毛ガニ」食料として貰った生きた毛ガニ。妹のヒナコは飼いたいと言う。具合が悪くなったヒナコと毛ガニを重なって見えるミオはー。 私は、なかでも、天のシーソーとラッキーデイが良かった。2つとも、私も大人になった今でも同じような事が思い当たるからかな。天のは、自戒も込めて胸が痛くなるし。それと、ラッキーデイは クールでいく(そんな表現だった確か?)って軸をぶらさないで行動するから、世界が反転するんだと思うと、勇気な湧いてくる。

Posted byブクログ

2018/02/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

小学生の姉妹・ミオとヒナコ。 この二人の容赦のない口喧嘩の内容は、うちの娘達(姉妹)のものとそっくりで笑ってしまう。 常に意地を張り「ああ言えばこういう」ことばかり。おやつなんて遠慮のない早い者勝ち。 私は一人っ子なので、幼い頃から兄弟姉妹のいる友達は勿論、うちの姉妹にも羨ましがられている。 確かに一人っ子だと家の中で好き勝手できそうに思えるでしょう。 でもね、私は兄弟姉妹がいる人が羨ましい。 だっていざという時、姉の後ろをついて来てくれる妹。 妹が高熱を出した夜、心配して付き添ってくれる姉。 雨降りの中一つの傘の中に入って、狭いと文句を言いながらも妹をそっと引き寄せてくれる姉。 日常の、当たり前で何でもないことのように思えるその一つ一つが、一人っ子の私にはとてつもなく羨ましい。 「姉妹」でいられることの幸せを、いつかうちの姉妹にも気づいてほしい。 安東みきえさんが描く、ちょっぴり寂しくて頼りなくて、緊張感の漂う子供達の狭くてちっぽけな世界はとても懐かしく切なくなる。 そして表紙:酒井駒子さん、解説:梨木香歩さんと、なんとも贅沢な文庫本だった。

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2014/04/25

小学生のミオとヒナコの姉妹の物語。 一番最後の「明日への改札」は、ミオが高校生、ヒナコが中学生に成長した後のお話。

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2013/06/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

小学生ミオと妹のヒナコの日常を切り取ります。 お母さんに上手に取り入るヒナコをミオはよく思いません。いつもけんかが絶えないのですが、でも、いざという時にたよりになるのはお姉ちゃん。そんな姉妹のやりとりは、根底に信頼があるのだな、と思います。 「マチンバ」にいたずらをする、ミオと仲間たちですが、ミオの中にある、人に対する常識の一線があって、”ここまでやってはイケナイ”という基準が、そうだよね!って安心できるものでした。それは、たぶんとても大切なことで、そのラインが、この小説に一貫しているのです。 私が好きなのは「ラッキーデイ」 何をやってもダメな日、ある。でも、そういう時にこそ気づくことが多いよね。 最後に中学生になったヒナコが主人公で書かれた「明日への改札」は文庫のために加筆されたものです。

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2013/05/07

書店で、酒井駒子さんの表紙絵に惹かれて、手に取りました。 内容も、よかったです。 擦り傷を作ったときのような、ひりひりとした痛み。でも、それだけじゃない。作品のなかにも出てくる言葉だけれど、『キズをおおってなおしてくれるものがちゃんとあらわれるんだから。だから、カサブタ、はがしち...

書店で、酒井駒子さんの表紙絵に惹かれて、手に取りました。 内容も、よかったです。 擦り傷を作ったときのような、ひりひりとした痛み。でも、それだけじゃない。作品のなかにも出てくる言葉だけれど、『キズをおおってなおしてくれるものがちゃんとあらわれるんだから。だから、カサブタ、はがしちゃダメ』。 愛おしい一冊が、増えました。

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2013/01/07

できたら佐野を 上げたままにしてやりたかった。 (ひとしずくの海/マチンバ/針せんぼん/天のシーソー/ラッキーデイ/毛ガニ/明日への改札)

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2012/12/28

ミオとヒナコを見ていたら、モモちゃんとアカネちゃんを思い出した。 私には妹はいないけれど、姉妹ってお互いに一番愛しい友達で、そして同時に一番憎らしいライバルなのかも知れないと思った。 幼いながらも凛と瑞々しいミオとヒナコの感性がどこか懐かしく、ちょっぴり切ないです。

Posted byブクログ