推定無罪(新装版)(下) の商品レビュー
有罪であると証明されない限り被告人は無罪であるという「推定無罪」は、今回判事が何度も何度も念を押して陪審員たちに語りかけることですが、裁判自体も日本とは少し違う印象を受けます。迫真の裁判シーンの描写は素晴らしく、細部はほとんど覚えていなかったこともあり、再読でも息を止めるようにし...
有罪であると証明されない限り被告人は無罪であるという「推定無罪」は、今回判事が何度も何度も念を押して陪審員たちに語りかけることですが、裁判自体も日本とは少し違う印象を受けます。迫真の裁判シーンの描写は素晴らしく、細部はほとんど覚えていなかったこともあり、再読でも息を止めるようにして一気にラストまで読み切りました。法廷ものとして抜群なのはもちろんですが、ミステリとしても裁判が終わった後のストーリーに圧倒されます。映像のように覚えていたシーンも物語の中ではとても深みのあるものでした。堪能しました。
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女性検察官・キャロリンを殺害した容疑で起訴された元主席検察官のサビッチは,敏腕弁護士スターンと共に裁判に挑む. 多くの状況証拠がサビッチを犯人と指さす中,スターンは見事な論法で検察側の主張を退けるが,サビッチ自身は何か不自然な裁判の流れを感じた. ラスト,明らかになる事実が重くの...
女性検察官・キャロリンを殺害した容疑で起訴された元主席検察官のサビッチは,敏腕弁護士スターンと共に裁判に挑む. 多くの状況証拠がサビッチを犯人と指さす中,スターンは見事な論法で検察側の主張を退けるが,サビッチ自身は何か不自然な裁判の流れを感じた. ラスト,明らかになる事実が重くのしかかる.
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いよいよ裁判が開始。結構、ドキドキしながら読めるものの、事件自体はちょっと退屈。ラストはそうなりますか〜、といったところ。まぁ、名作の名には恥じないか。ちょっと古臭い感じがするのは、仕方ないのかなぁ。
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下巻です。 主人公・サビッチさんは、エリートの検事補なのに、殺人罪に問われます。 それも、同僚の美女検事補を殺した、という…。 関係はあったんですが、殺しては無い。 冤罪です。 成程、法廷場面は圧巻に面白いと思いました。 検察と弁護側のやりとり、その心理や裏付け。 作家さん...
下巻です。 主人公・サビッチさんは、エリートの検事補なのに、殺人罪に問われます。 それも、同僚の美女検事補を殺した、という…。 関係はあったんですが、殺しては無い。 冤罪です。 成程、法廷場面は圧巻に面白いと思いました。 検察と弁護側のやりとり、その心理や裏付け。 作家さんは現役の法律家なので、無論詳しい訳です。 けれども、書いてあることがどこまでリアルなのかは判りません。けど、リアルっぽく楽しめます。 そして、家庭人でもある主人公が、有罪になった場合の恐怖を強く植え付けつつ。 裁判は一進一退、と言いながら、 以降ネタバレですが 被告=主人公=つまり弁護側 が勝訴します。 その逆転劇的な法廷でのやりとりは、 事前に「負けた場合の陰惨さ」を心情描写で売っている分だけ、痛快な気分。 そして、その娯楽性だけではなくて、やはりこの小説は、現代アメリカ文学らしく、 「現代アメリカの貧しい側面、退廃した部分が、如何に酷いか。腐敗しているか」 ということを執拗にぐりぐり書いてきますね。 エルロイさんの小説じゃないですけど、めくって行けばいくほど、 「結局みんな悪い奴」みたいな、アウトレイジなダークな世界観。 そういう意味ではアメリカ文学ってレイモンド・チャンドラーなんですねえ。汚れた街を行くフィリップ・マーロウ。 それがワンパターンで詰まらん、という意見もあるかもですが、 僕としては「推定無罪」楽しめました。 そして、終盤戦、まあ、誰が真犯人か、判るあたり。 意外にスラッと。でも、これ、知らずに読んでたら衝撃なんだろうなあ、と思いました。 (映画で話の段取りは知っていたので…) そして、ラストに向けて、 神無き国の、エリートであれ犯罪者であれ、ダークな世界観に放り出される中の、皮肉とひとつまみの希望、みたいな後味ですね。 サスペンス物語は、言ってみればサスペンドするための物語の事が多いので、終着駅の風景って実は目的ではなかったりしますね。 まあ、その割には悪くない終わり方だったかな、と。好みですけど…。 この作者さんの他の本まで読んでいくかどうかは判りませんが、この本は面白かったですね。 翻訳的にも整理されていて、混乱は無かったと思います。 惜しむらくは、映画を先に見てなかったらもっと楽しかったのかな、ということです。
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いわゆるリーガルサスペンスが量産されるきっかけとなった作品。 一人称の主人公登場シーンでは、のちに自らが裁かれることとなる人物はすでに殺害されており、次第に明らかとなっていく動機や証拠の類いを、読者は物語の進行とともに検証する。 ここら辺りの描写が非常に巧みで、主人公含めて誰でも...
いわゆるリーガルサスペンスが量産されるきっかけとなった作品。 一人称の主人公登場シーンでは、のちに自らが裁かれることとなる人物はすでに殺害されており、次第に明らかとなっていく動機や証拠の類いを、読者は物語の進行とともに検証する。 ここら辺りの描写が非常に巧みで、主人公含めて誰でも殺人者となり得るという状況がじっくりと作り出されていくさまは、見事と言うほかない。 真犯人の意外性は高いものではないが、人間の愛憎がどんな動機にも勝るのだという証左なのだろう。
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一応推理小説なのだが、謎解きの要素は少なくて法廷での駆け引きがほとんど。従って、ちょっとまどろっこしいところもある。 最後まで通して読むと、このエピソード必要なのと思うようなシーンも多い。例えば被害者の息子の話とか、判事の汚職の話とか、結局あまりストーリーと関係なかったということ...
一応推理小説なのだが、謎解きの要素は少なくて法廷での駆け引きがほとんど。従って、ちょっとまどろっこしいところもある。 最後まで通して読むと、このエピソード必要なのと思うようなシーンも多い。例えば被害者の息子の話とか、判事の汚職の話とか、結局あまりストーリーと関係なかったということがわかる。
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(上巻より続く) 後半、有能な弁護士が活躍する様子が面白いが、 いかんせん、 被告人視線で書かれているので、 弁護士の調査過程が見えなくてつまらない。 主人公は無罪になってよかったものの、 どうもすっきりしないラスト。
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法廷、どんでん返しの構造がこの20年以上、海外ドラマなどでどんどん緻密に、過激になってきているため、衝撃度はかなり薄い。7.25
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
前半よりは後半の方が圧倒的に面白かったです。 やはり法廷モノが好きなので、弁護側と検察側の駆け引き、それから判事との駆け引きも面白かったです。 ただ、結局この話全員何かしらの罪、または闇を持ってるんですね。 不倫した主人公を筆頭に、殺された被害者、野心家のニコ、その部下のモルト、スーパー嫌な奴ドクタークマガイ、12年も誠実に仕えたのに手のひらを返したレイモンド、公明正大な判決を出すと思っていたラレン判事も、証拠を隠したリップも、判事に身を守る機会を与えた弁護士サンディも、そしてもちろん犯人も・・・。 勧善懲悪とか絶対悪の闇に穢れない完璧な人を求めているわけじゃないけれど、こんなにもみんな何かを隠していると思うと何か寂しくなりますね。 それが人間って事なのか。 それでもこの判決で正義がなされた(結果として誰かの保身の為であったとしても)だけマシということでしょうか・・・。
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面白かった。 だいぶ前に映画を観ていたので真犯人は分かってたんだけど。 早いとこ続編の「無罪」を読まないと。
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