毒の目覚め(下) の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
サスペンスですね。思わせぶりな描写があるが(特に不良グループ!)真相には特に絡まない、「何だったんだあれ?」と言いたくなる。ま、それでも上下2冊を読ませたんだから褒めなきゃ損でしょう。
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イギリスの作家S・J・ボルトンの長篇ミステリ作品『毒の目覚め〈上〉〈下〉(原題:Awakening)』を読みました。 イギリスの作家の作品が続いています。 -----story------------- 〈上〉 蛇の毒で死んだ老人。 世界で最も危険な蛇の出現。 数々の事件は何者...
イギリスの作家S・J・ボルトンの長篇ミステリ作品『毒の目覚め〈上〉〈下〉(原題:Awakening)』を読みました。 イギリスの作家の作品が続いています。 -----story------------- 〈上〉 蛇の毒で死んだ老人。 世界で最も危険な蛇の出現。 数々の事件は何者かの策略なのか? 謎に挑む女性獣医の姿を圧巻の筆致で描き、MWA賞受賞に輝いた壮麗なゴシック・ミステリ! 〈下〉 老人たちはなぜ蛇の毒で殺されるのか。 村人が決して語らない50年前の教会の火事にまつわる「記憶」とは。 『三つの秘文字』の著者が放つ謎と言い知れぬ恐怖に彩られた傑作。 解説=穂井田直美 ----------------------- 2009年(平成21年)に発表されたS・J・ボルトンの長篇第2作にあたる作品です。 その夏、英国の小さな村では蛇が異常発生していた… 獣医のクララはある老人の死に疑問を感じる、、、 死因は蛇の毒だが、1匹に咬まれたにしては毒の濃度が高すぎるのだ… さらに近所の家で、世界で最も危険と言われる毒蛇を発見する。 数々の事件は、何者かの策略なのか? クララは言い知れぬ恐怖と謎に挑むことに……。 蛇をめぐる事件が村の静寂を破り、住人を脅かしていく。獣医であるクララは原因を調べはじめるが、たまたま知り合った老女、ヴァイオレット殺害の最有力容疑者として逮捕されてしまう… 全財産をクララに譲ると書かれた遺言状が残されていたのだ、、、 釈放された後、自分を窮地に陥れた犯人を懸命に追い続けるクララが辿り着いた驚愕の真相とは… 英国ミステリの旗手が贈る新たな傑作……。 英国の田舎の村で、蛇がらみの不可解な事件が頻発… そして、50年前に村を襲った厄災を知る老人たちが不審な死を遂げる、、、 怪しげなコテージや廃墟と化した教会などを舞台に描かれたクラシックな雰囲気を纏った英国ミステリでした… 幼少時に顔に負った傷のために内省的な性格となり、人付き合いが苦手なヒロイン・クララがとことん身体を張って、自らのトラウマと闘いながら変わっていくのも好印象でしたね。 終盤はパズルのピースがはまるように謎が解けていく展開が愉しめました、、、 特にクライマックスのクララと犯人との緊張感溢れる対決は一気読みでした… 50年前の事件に巻き込まれた、そして引き起こした人物が生きていたとはねー
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イギリスの郊外を舞台にした(ゴシック)ミステリー小説。S・J・ボルトン著。 印象を一言で表すとしたら、「宗教と蛇にまつわるミステリー小説」という感じです。 主人公クララは人間嫌いの獣医で、他人と深く関わろうとしない人物ですが、とある出来事をきっかけに、蛇にまつわる事件に巻き込...
イギリスの郊外を舞台にした(ゴシック)ミステリー小説。S・J・ボルトン著。 印象を一言で表すとしたら、「宗教と蛇にまつわるミステリー小説」という感じです。 主人公クララは人間嫌いの獣医で、他人と深く関わろうとしない人物ですが、とある出来事をきっかけに、蛇にまつわる事件に巻き込まれてゆきます。 住民たちが殆ど顔見知りの小さな村で起こる不可解な出来事からも目が離せませんが、何より豊富に展開される蛇の知識と描写、そしてクララの人間性が物語に程よくスパイスとして散りばめられています。 ミステリーは純粋にミステリーとして楽しみたい私のような人間にとっては、クララの人間嫌いというのも悪くないと感じました(余計なロマンス描写がそれほど多くないため)。 クララは気むずかしい人間として他人の目には映るかもしれませんが、その実、読者にだけ明かされる彼女の独白によって、彼女が単に気むずかしい人物なのではなく、繊細で優しい心を持った人間なのだということが分かります。 しかしどんなにクララが潔白であって(それを読者がどんなに理解していて)も、やはり他人と殆ど関わりがないという状態は身の潔白を証明する手段に欠けており、現実的にはやはり厳しい選択を迫られることになるのだな、とこの本を読んでいて感じました。 (知り合いも友達も多い方がそういう意味では良いということですね) 特に、私がこの話の中で最も好きなシーンは、ヴァイオレットが眠ったふりをしたあとで、アリスの背中に語り掛けるところです。認知症と思しき老婆がふと物事の本質を語る、というシーンはとても印象的で、その後の展開を思うとやはりあの瞬間というのは貴重なひとときだったのだなと思わせられます。 この話とはすこし外れて余談ですが、私は『ハリー・ポッター』が好きで愛読しています。蛇を寮のシンボルとするスリザリンが何故、闇の魔術師を多く輩出しているのか、そのあたりについて、この本を読んで(このお話の中で述べられていることと)“共通項”とは言わないですが、インスパイアされた部分があるのではないか? と感じました。(イギリスの人々の蛇に対する認識は、宗教的、精神的意合いが強いのかな? ということです) 蛇の生態について専門家との協議がなされたうえで描写されている(あとがきに記載あり)ということもあって、よりリアルな世界観を愉しむことができましたし、もっと蛇にまつわる文化的側面、民俗学的な見解などについて調べてみたいとも思いました。
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上巻とは打って変わり、次々と展開を見せる。一気読み。なんせ、クララの行動力が凄いから、頁の先の展開が怖い。スプラッター場面もあり。時はビクトリア朝だからキリスト教教会の描写がおどろおどろしい~周辺の屋敷と庭、水路やハシバミの木立、司祭は雰囲気十分。犯行に及んだ動機は如何にもな近代...
上巻とは打って変わり、次々と展開を見せる。一気読み。なんせ、クララの行動力が凄いから、頁の先の展開が怖い。スプラッター場面もあり。時はビクトリア朝だからキリスト教教会の描写がおどろおどろしい~周辺の屋敷と庭、水路やハシバミの木立、司祭は雰囲気十分。犯行に及んだ動機は如何にもな近代的内容で今の時代からすると何かなぁだけど。複数回「ハンサムな背の高い男」が出てくるのはストーリーとして大事なモチーフの様だ(美女もいるし)その美貌に気持ちが揺れて・・となっていくとハーレクインサスペンス的と言えなくもない。
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蛇が興味深い生き物に思える話。 私の乏しい知識では全ての蛇が同じ映像にしかならず、迫力に欠けた。その生態についてはなかなか興味深く、とりわけ面白く思えたのは、宗教や文化を問わず蛇が特別な生き物として古代から人と関わってきたことだ。あの姿形から、人間にとって蛇は畏怖の対象であり、神...
蛇が興味深い生き物に思える話。 私の乏しい知識では全ての蛇が同じ映像にしかならず、迫力に欠けた。その生態についてはなかなか興味深く、とりわけ面白く思えたのは、宗教や文化を問わず蛇が特別な生き物として古代から人と関わってきたことだ。あの姿形から、人間にとって蛇は畏怖の対象であり、神の遣いにも悪の象徴にもなったということだろう。 蛇要素を除くと、閉鎖的な田舎町で余所者のヒロインが事件に巻き込まれるというありがちな展開。もちろん、この蛇要素が加わる事によってスリリングで不気味な雰囲気を醸し出しているのだが、いまひとつ物足りなくレビューも書きにくい…。真相と終盤の描かれ方が中途半端なせいだろうか?蛇設定は面白いのにそれを活かしきれていないような気がする。
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蛇がたくさんで出くるので、うぇーって気持ちでいたのですが。読み進めていくうちに愛着?のようなものが湧いて来るのが不思議な感覚でした。美しい蛇を見たいものです。動物園とかで! ヒロインに感情移入すごく出来た気がする。ストーリーが深くて引き込まれて、充実した読書時間を過ごせました。恋...
蛇がたくさんで出くるので、うぇーって気持ちでいたのですが。読み進めていくうちに愛着?のようなものが湧いて来るのが不思議な感覚でした。美しい蛇を見たいものです。動物園とかで! ヒロインに感情移入すごく出来た気がする。ストーリーが深くて引き込まれて、充実した読書時間を過ごせました。恋愛的なものもあってドキドキもしましたが最後これで終わりなのって少し物足りない・・・・。この作者さんの本、もう一冊出てるから読もう!
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人里離れた自然が残る村で、野生動物病院の獣医をしてる女性が主人公。顔に酷い傷があるため人と接するのが苦手で、ひっそりと生活していたのに、村で毒蛇にかまれて死亡する事件が次々とおこり、その調査や真相をさぐることになる話。主人公が村の人たちと関わっていく様子が、がんばってるなぁと感じ...
人里離れた自然が残る村で、野生動物病院の獣医をしてる女性が主人公。顔に酷い傷があるため人と接するのが苦手で、ひっそりと生活していたのに、村で毒蛇にかまれて死亡する事件が次々とおこり、その調査や真相をさぐることになる話。主人公が村の人たちと関わっていく様子が、がんばってるなぁと感じさせる。一緒に調査する警察次長との恋愛に発展するのかなぁと期待させる。ストーリーの内容は、凝った難しいトリックなどはなくわかりやすくて読みやすい。蛇がたくさん出てきて気持ち悪い。三大毒蛇のひとつが登場し、ひと噛みで60人以上殺せると知って勉強になった。
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なかなか面白かった。 ただ、上巻の方がミステリアスで雰囲気がある。 下巻では主人公が普通の女性になってしまって物足りない。 フィクションだから、ある程度は仕方ないのだけれど、「なんでそんなことするの」と思わず突っ込みを入れたくなるような、無茶な行動も増える。
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最初に惹かれたのがその設定。 英国の田舎の小さな美しい村、そこに住むどうやら訳アリの女獣医師、なぜか異常に出現し始めた蛇、過去を知る老人たちの連続死…。 ホラーのようで、でもサスペンスという触れ込みで、全体的にどう収束するのか気になって上下巻とも一度に購入してしまった。 キリス...
最初に惹かれたのがその設定。 英国の田舎の小さな美しい村、そこに住むどうやら訳アリの女獣医師、なぜか異常に出現し始めた蛇、過去を知る老人たちの連続死…。 ホラーのようで、でもサスペンスという触れ込みで、全体的にどう収束するのか気になって上下巻とも一度に購入してしまった。 キリスト教の話が絡んでくるので、馴染みの無い身からするとちょっと疲れる内容のシーンもあるのだけれど、蛇と殺人の謎が解けないので気になってどんどん読み進められる。更に、ヒロインのクララの「訳アリ」が何なのかなかなか提示されないので、それも気になって先を読みたい心がうずく。 エンターテイメントとしては悪くない出来。映画化しても楽しいかも。ただ、やや日本語訳がスマートでない印象。何度か読み返して前後の意図を汲んで「あ、そういうことか」と繋がる場面がいくつもあった。
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この物語でしかクララを知らないので、それだけだと「顔の傷の所為で自己否定的で他人の目を出来るだけ避けて生きて来たけれど、急に現れた素敵な男性2人から好意を寄せられるラッキーなヒロイン」という印象をどうしても受けてしまい、自分の想像力の足りなさにちょっとガッカリ……。 ただ、...
この物語でしかクララを知らないので、それだけだと「顔の傷の所為で自己否定的で他人の目を出来るだけ避けて生きて来たけれど、急に現れた素敵な男性2人から好意を寄せられるラッキーなヒロイン」という印象をどうしても受けてしまい、自分の想像力の足りなさにちょっとガッカリ……。 ただ、クララの人生がこの先、いい方に向かいそうな事、ヴァネッサとの関係も良くなって行きそうな事、事件の解決よりも、そこが読んでて嬉しかった。 クララが自分の傷の問題から抜け出せられたら、ヴァネッサの恐怖症も良くなって行くんじゃないか、そう思った。 なので、私にとってのこの物語のクライマックスは、クララが自分の傷について他人に初めて語り、ヴァネッサの負った傷についても気が付くシーン。
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