現代語で読む たけくらべ の商品レビュー
儚い恋愛物語。 誰が視点なのか時折分からなくなりますが、 巻末の解説が分かりやすくて参考になりました。
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樋口一葉の代表作「たけくらべ」と「にごりえ」を収録。 非常に読みやすい文体だった。 ただ、描写がわかりやすい現代の作品とは異なり、読み手が解釈して補完しないとキャラクターの心情等がわかりにくい部分が多く時代は感じた。そういうところが面白さなのだとは思うけど、それでも心情の機微みた...
樋口一葉の代表作「たけくらべ」と「にごりえ」を収録。 非常に読みやすい文体だった。 ただ、描写がわかりやすい現代の作品とは異なり、読み手が解釈して補完しないとキャラクターの心情等がわかりにくい部分が多く時代は感じた。そういうところが面白さなのだとは思うけど、それでも心情の機微みたいなものが直接は描写されずに語りやお話が進んでいくので、当時に生まれていたら自分はさぞ生きにくいだろうという気持ちにもなった。 ただ、キャラクターが感じたり思ったりしていることはなんとなく思い当たる節もあり、時代が変わっても人間が感じることはあまり変わらないんだなとも思った。
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表題の「たけくらべ」と「にごりえ」の2作品が収録されている。 「たけくらべ」は子供たちの成長と淡い恋を描いた作品。花魁の妹と僧侶の息子という組み合わせにもう切ない予感がするし、それぞれの不器用さがいじらしい。格子門越しの場面は名シーンだと思う。 「にごりえ」は女を売りにする酌婦と...
表題の「たけくらべ」と「にごりえ」の2作品が収録されている。 「たけくらべ」は子供たちの成長と淡い恋を描いた作品。花魁の妹と僧侶の息子という組み合わせにもう切ない予感がするし、それぞれの不器用さがいじらしい。格子門越しの場面は名シーンだと思う。 「にごりえ」は女を売りにする酌婦と、そんな酌婦に入れ込んで財産を失った夫とその妻を描いている。これは酌婦と妻のどちらにも共感できて切なかった。 どちらもラストが印象深く、読後に余韻が残る。巻末の訳者による解説もとても良かった。
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すげーよ、樋口一葉すげーよ。 女性の社会進出だったり、遊郭を通した女性観だったり、はたまた子どもの青春だったり、とにかくテーマはたけくらべ、にごりえ共に大体同じ方向に向かっている。今でいうフェミニスト。なんだけど、フェミニストでは全くない。この人は自分というものを極力排除しきって...
すげーよ、樋口一葉すげーよ。 女性の社会進出だったり、遊郭を通した女性観だったり、はたまた子どもの青春だったり、とにかくテーマはたけくらべ、にごりえ共に大体同じ方向に向かっている。今でいうフェミニスト。なんだけど、フェミニストでは全くない。この人は自分というものを極力排除しきって小説を書いているような印象を受けた。主観が見えにくい。淡々と語られる物語と、季節感豊かな描写、脈略が皮一枚でつながっているような絶妙なバランスの場面展開など。うわー美しい。鮮やかというかなんというか。枕草子に似通った魅力を持っていると感じた。
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