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青い脂 の商品レビュー

3.9

22件のお客様レビュー

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2013/06/01

2068年、雪に埋もれた東シベリアの遺伝子研究所。トルストイ4号、ドストエフスキー2号、ナボコフ7号など、7体の文学クローンが作品を執筆したのち体内に蓄積される不思議な物質「青脂」。母なるロシアの大地と交合する謎の教団がタイムマシンでこの物質を送りこんだのは、スターリンとヒトラー...

2068年、雪に埋もれた東シベリアの遺伝子研究所。トルストイ4号、ドストエフスキー2号、ナボコフ7号など、7体の文学クローンが作品を執筆したのち体内に蓄積される不思議な物質「青脂」。母なるロシアの大地と交合する謎の教団がタイムマシンでこの物質を送りこんだのは、スターリンとヒトラーがヨーロッパを二分する1954年のモスクワだった。スターリン、フルシチョフ、ベリヤ、アフマートワ、マンデリシュターム、ブロツキー、ヒトラー、ヘス、ゲーリング、リーフェンシュタール…。20世紀の巨頭たちが「青脂」をめぐって繰りひろげる大争奪戦。マルチセックス、拷問、ドラッグ、正体不明な造語が詰めこまれた奇想天外な物語は、やがてオーバーザルツベルクのヒトラーの牙城で究極の大団円を迎えることとなる

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2013/05/15

な、なんとか読んだぞ。いや「読んだ」と言うのは気が引ける。活字を追った、っていうべきか。噂に違わぬ難物で、でもなんだか楽しかったなあ。 出だしの日記(?手紙?)からもう目を白黒。いやこれは無理にわかろうとするまい、いちいち「意味」を考えるまいと言い聞かせつつ、みなぎるテンション...

な、なんとか読んだぞ。いや「読んだ」と言うのは気が引ける。活字を追った、っていうべきか。噂に違わぬ難物で、でもなんだか楽しかったなあ。 出だしの日記(?手紙?)からもう目を白黒。いやこれは無理にわかろうとするまい、いちいち「意味」を考えるまいと言い聞かせつつ、みなぎるテンションに押されて読み進める。ロシア文学に堪能だったら面白いだろうになあと何度も思ったが、それでも何となくその過激なおちょくりぶりは伝わってくる。 筋が追いやすいところも時々あって、そうすると不思議なことに、いつあの意味不明な言葉の奔流に飲み込まれるのかと、心待ちにしていたりする。なんだか癖になる感じ。 スターリンとフルシチョフの××××とかもう、どひゃーとのけぞるエログロ満載だけど、「猥褻」っていう言葉はちょっと違う気がする。これ読んで「キャー」とか思ったりする?(あ、する人もいるのか) ともあれ、私が何より感動したのはこれを邦訳した方々の情熱に対してだ。まあよくぞこんな言語的混沌に満ちた作品を訳してくださったものだと思う。あとがきによると、そのきっかけとなったのは、北海道大学の学生さんの卒論と彼の試訳だったという。「酔狂にも」と翻訳者の望月さんが書いているが、いやまったくその普通でない感覚が頼もしく思えたりする。

Posted byブクログ

2013/03/31

ロシア文学を全く知らないままに読んだので、正直うわべだけをなぞった程度の理解です。エログロ、でもなぜか読み進めてしまう。なのに結局青い脂が何なのか分かりませんでした。

Posted byブクログ

2013/03/10

これはダメだ。ギブアップ。読めません。出直してきます。 文字に違いはないけれど、文字情報としてマッタク認識出来ません。 ( ;∀;) こんなもの訳した人って超ドドドドドドドMだとおもいます。 アヴァンギャルドにも程がある。 スミマセン、もう少し時間をください。

Posted byブクログ

2013/01/10

ああ、ひどい。なんだこれは。汚い。卑猥。なんでこんな本に惹き込まれているのだろう読まされているのだろう。ああ、ひどい。最高。 ものすごく大雑把にかなりざっくり言うと悪質で上質なエログロ文学。

Posted byブクログ

2013/01/06

げふげふげふ。お腹いっぱいだけどもう2、3回読めて楽しめて、でも青い脂って結局何??とハテナだらけで爆笑しつつ、それでもソローキン。ソローキンのロマンが好きですと大きな声で言ってはいけないらしい。

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2012/12/19

近未来のロシアの某僻地では謎の実験が行われていた。なんでもトルストイ、チェーホフ、ドストエフスキーなど文豪のクローンが創作の際に生成する青い脂を抽出するのだという。この青い脂を巡って地下に潜むカルト教団(ホントに地下にいる)、パラレルワールドのソ連、ナチスが絡み物語は何が何だかよ...

近未来のロシアの某僻地では謎の実験が行われていた。なんでもトルストイ、チェーホフ、ドストエフスキーなど文豪のクローンが創作の際に生成する青い脂を抽出するのだという。この青い脂を巡って地下に潜むカルト教団(ホントに地下にいる)、パラレルワールドのソ連、ナチスが絡み物語は何が何だかよくわからない超展開に。 旧ソ連や第三帝国で圧倒的に大きくて、厳粛で、真面目な物語を持っていた政治家たちのイメージを書き換えるお手前は痛快。 本書の翻訳という難業を成し遂げた方々は聖人君子に違いない。聖人君子はこの本を読まないと思うけど。

Posted byブクログ

2012/11/16

造語を含む破天荒で悪趣味な描写、数々の著名人の言動のパロディ、文体模写、それら全てが玉石混交としている世界。これをSFと呼んでいいのかわからないけれど、ぐいぐい読めた。こういう小説、もっと日本で売れてくれたらいいのになー。読みにくいのは最初だけで、そのあとは引きこまれてゆくのでピ...

造語を含む破天荒で悪趣味な描写、数々の著名人の言動のパロディ、文体模写、それら全てが玉石混交としている世界。これをSFと呼んでいいのかわからないけれど、ぐいぐい読めた。こういう小説、もっと日本で売れてくれたらいいのになー。読みにくいのは最初だけで、そのあとは引きこまれてゆくのでピンチョンとかスラップスティックとか好きな人にはオススメ。 (私は早稲田文学で読んでしまったので実は単行本は買ってないのですが・・)

Posted byブクログ

2012/11/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

物語は最初と最後で一つに繋がるが、中は大きく3つに分かれ『青脂』を製造するクローン作家編、それを奪って過去へと飛ぶ秘密結社あるいは宗教編、そして1954年のソ連とドイツ(スターリンとヒットラー)である。この、荒唐無稽な物語は唐突に幕を閉じて振り出しに戻るが、その中身は文学のごった煮で、良くも悪くもその博識にびっくりするが、これはひとえに訳者の努力のおかげだと思う。

Posted byブクログ

2012/10/22

 2068年の遺伝子研究所で、トルストイなどの作家クローンから抽出された「青脂」。謎の教団が青脂を強奪、タイムマシンで過去へと送りつけるが、そこはスターリンとヒトラーが欧州を支配するパラレルワールドであった。青脂を受け取ったスターリンは、、、。  旧ソ連に実在した人名が跋扈するハ...

 2068年の遺伝子研究所で、トルストイなどの作家クローンから抽出された「青脂」。謎の教団が青脂を強奪、タイムマシンで過去へと送りつけるが、そこはスターリンとヒトラーが欧州を支配するパラレルワールドであった。青脂を受け取ったスターリンは、、、。  旧ソ連に実在した人名が跋扈するハチャメチャな作品。とにかく悪趣味。生理的嫌悪を催させる暴力シーンや拷問の果ての食人など、ただ連続される下劣な場面に唖然。圧巻はスターリンがフルシュチョフが激しく愛し合うホモ・シーンだが。  これを旧ソ連やあるいはロシア文学への批判と読むべきか、ただのエログロ小説と読むべきか。後者に1票を投じよう。

Posted byブクログ