厭な小説 文庫版 の商品レビュー
とにかく厭な事が起こりまくる全7篇からなる小説。初めのうちは「ふうん、こんなものか」っと軽い気持ちで読み進めるのだが、この後どんな厭な展開が待っているのだろう、次の話はどんな厭な事が起こるのだろうと思っていると、ふと、身の回りに普段なら気にならない様な小さい厭な事が目につく様にな...
とにかく厭な事が起こりまくる全7篇からなる小説。初めのうちは「ふうん、こんなものか」っと軽い気持ちで読み進めるのだが、この後どんな厭な展開が待っているのだろう、次の話はどんな厭な事が起こるのだろうと思っていると、ふと、身の回りに普段なら気にならない様な小さい厭な事が目につく様になる。 電車で隣に座った奴の貧乏ゆすりが気になる、前を歩いている奴のコロンの臭いがきつい、声のでかい奴が話している内容が下らない、等々。 厭な事に敏感になってしまう。 ここまで計算して書いているのかなぁ?京極マジックだ。 実に厭な小説である。 因みに僕はこの本をたまたま見つけた近所の古本屋で買ったのだが、最後の話でドキッとした。 実に厭な小説だ。
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「厭だ。」で始まり、「厭だ。」で終わる、厭なことをテーマに綴られた短編集。 読み始め主人公に感情移入してしまうと、厭なことから早く抜け出したいあまりどんどんページをめくってしまう。途中、次の短編まで残りのページ数を数え「まだこんなに厭なことが続くのかよ……」と絶望しながら読み進めると、厭なことはどんどんエスカレートし、最後まで救いがないまま物語は果ててゆく。 ああ……なんて厭な読書体験だろう。げんなりする。 全くお勧めしない。読書を始める1冊目の人になんて特にお勧めしない。 ただ怖いもの見たさ、いや、厭なもの見たさがある人は肝試し感覚でぜひ挑戦してほしい。 主人公は身に降りかかる厭なことの原因を何とか解明しようとする。または、法則性を見つけるために四苦八苦する。それが人間の自然な反応なのだろう。しかし答えはないし、逃れられないほど不条理に襲ってくる厭なことは制御不可能。そして読み終わった頃には、厭なこともこんなに色々と種類があるのだと感じられる。全てパターンが違う「厭」なのだ。三章くらいまで読み進めると、次はどんな厭を体験させてくれるだろうと、不思議と興味が湧いてくる。 その「厭さ」も絶妙なラインを突いてくる。最悪ではなくただただ不快で、生理的に受け付けない。 例えば天気についての記述があるが、暑すぎるでもなく、寒すぎるでもなく、大雨でもない。 「まるで霧吹きで吹かれたかのように全身均一に濡れた。濡れたというより湿った。(中略)汗とも雨ともつかぬ湿気でワイシャツが肌に貼りつき、もの凄く不快だった」と書かれている。梅雨の時期の、あれだ。厭だ。 最後まで読んだ自分を褒めたい。 ———紹介(公式より)——— 「厭だ。厭だ。厭だ――」 同期深谷の呪詛のような繰り言。パワハラ部長亀井に対する愚痴を聞かされ、うんざりして帰宅した“私"を出迎えたのは、見知らぬ子供だった。 巨大な顔。山羊のような瞳。左右に離れた眼。 見るからに不気味な子供がなぜ? しかし、妻は自分たち以外に家には誰もいないと言う。幻覚か? だが、それが悪夢の日々の始まりだった。 一読、後悔必至の怪作!
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世にも奇妙な物語の原作があって個人的にアガった(「厭な扉」)。 最後の空白で、自分の頭の中にある厭な展開が次々映し出されていくのがとても厭だった。
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大好きな本です。厭なやつしかいないし厭なことしか起きないし厭な気持ちにしかなりませんよ。おすすめです。
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初めて京極夏彦さんの作品を読みました。短編集ということもあり、身構えていたよりも全然読みやすくて良かったです。人が興奮した時の思考の描き方が個人的に好きでした。
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「厭だ。厭だ。厭だ――」同期深谷の呪詛のような繰り言。パワハラ部長亀井に対する愚痴を聞かされ、うんざりして帰宅した“私"を出迎えたのは、見知らぬ子供だった。巨大な顔。山羊のような瞳。左右に離れた眼。見るからに不気味な子供がなぜ? しかし、妻は自分たち以外に家には誰もいな...
「厭だ。厭だ。厭だ――」同期深谷の呪詛のような繰り言。パワハラ部長亀井に対する愚痴を聞かされ、うんざりして帰宅した“私"を出迎えたのは、見知らぬ子供だった。巨大な顔。山羊のような瞳。左右に離れた眼。見るからに不気味な子供がなぜ? しかし、妻は自分たち以外に家には誰もいないと言う。幻覚か? だが、それが悪夢の日々の始まりだった。
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決してつまらないわけではない、なのに読むのがすごく苦痛で仕方なかった。 読んでいて、イライラしたり、ストレスに感じたり、気分が悪くなったり、これほど表題通りの作品は珍しいと思った。本当に厭な小説だった。 できれば二度と読みたくないし、手元に置いておくのも運気が下がりそうで厭な作品...
決してつまらないわけではない、なのに読むのがすごく苦痛で仕方なかった。 読んでいて、イライラしたり、ストレスに感じたり、気分が悪くなったり、これほど表題通りの作品は珍しいと思った。本当に厭な小説だった。 できれば二度と読みたくないし、手元に置いておくのも運気が下がりそうで厭な作品だった。
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本当に厭な小説だった! それぞれの話のテーマは、人が嫌悪感を抱くような話(!?)で次は、何がくるか?と期待しながら読みました。
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7つの厭な話がじつは1つにつながっている。多少の驚きはあるが、つながっている必然性はどこにもない。どれも薄っぺらな内容で落ちもなにもない、しいて言えば、最後の『厭な小説』でそれなりの体裁を整えた。全体的に気が抜けたコーラのような小説である。
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本当に厭な感じ。何とも言えない不条理さで余計に厭度が増している。何度も出てくる上司が本当に厭だけど、「厭な彼女」の彼女も相当厭。
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