100のモノが語る世界の歴史(3) の商品レビュー
時代が進むにつれバラエティーにも富んできた。なにか勉強になるってものでもないが、純粋に雑学的に楽しむだけでよい。 ・8世紀にイスラムに煽られた東ローマ帝国で偶像破壊の動きがあったなんて知らなかった。それに耐えてイコンとかが残ったのが「正教勝利」。 ・オスマン朝のトゥグラ(モノ...
時代が進むにつれバラエティーにも富んできた。なにか勉強になるってものでもないが、純粋に雑学的に楽しむだけでよい。 ・8世紀にイスラムに煽られた東ローマ帝国で偶像破壊の動きがあったなんて知らなかった。それに耐えてイコンとかが残ったのが「正教勝利」。 ・オスマン朝のトゥグラ(モノグラムのデザインされた署名)はきれいだなあ。中国の書道とはまた違う文化。 ・デューラーはインドから送られてきたサイを描いていた。他人のスケッチを写したものだが面白い。 ・最初の世界通貨であるスペイン銀貨のピース・オブ・エイト。南米で大量に鋳造され、ヨーロッパでもアジアでも流通した。ただしスペインはインフレになった。 ・宋代のヒスイの璧に、これは椀の受け皿に違いないと解釈してガンガンに自作の詩を書き込んでしまう乾隆帝。書を鑑賞した後にハンコ押すのと同じ感覚か。 ・クロノメーター。ジャイロで宙吊りになっているために揺れる船上でも狂わない時計。これを使って経度を測量した。緯度は南中した太陽の高さで測れるが、経度は南中時の時刻(この場合グリニッジ標準時)で測った。
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いよいよ最終巻。大英博物館所蔵で西暦1200年~2010年までの35点が記載されている。 旧約聖書の流れにある宗教では、性がタブー視されているのに対し、本書で提示されているシヴァとパールヴァティー彫像に代表されるヒンドゥー教では性的な快楽も謳歌している点などは興味深い。 また...
いよいよ最終巻。大英博物館所蔵で西暦1200年~2010年までの35点が記載されている。 旧約聖書の流れにある宗教では、性がタブー視されているのに対し、本書で提示されているシヴァとパールヴァティー彫像に代表されるヒンドゥー教では性的な快楽も謳歌している点などは興味深い。 また日本からは、「柿右衛門の象(1660~1700年)」と「北斎の『神奈川沖浪裏』(1830~1833年)」が出品。 中国の磁器から影響をうけた日本の焼き物と鎖国からいよいよ開国へむけた動きに影響をうけた版画が大英博物館にコレクションされていると思うと、日本人のアイデンティティーを褒められたような、または見透かされたような、くすぐったさを感じる。 21世紀になってからのコレクションであげられていたモザンビークの「武器でつくられた王座」は確かに大英博物館で見覚えがある。地下のアフリカ展示にあったと思うが、この王座や銃でつくられた樹なんかが展示されていた。 そして2010年を代表する一品が「ソーラーランプと充電器」。なかなかセンスの鋭い選択だと思う。 簡単に訪れることができない博物館だが、いつの日か再訪してじっくりと見学したいものだ。
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シリーズ第三弾。 1200年から現代までの人類史を代表するモノたちが取り上げられています。 宗教の拡大と腐敗、経済の活性化、グローバル化、植民地化、アメリカ大陸進出、世界大戦、アフリカ大陸の分断と独立、戦後から現代まで続く激動の時代です。人類史はどこを切り取っても激動の時代と呼ば...
シリーズ第三弾。 1200年から現代までの人類史を代表するモノたちが取り上げられています。 宗教の拡大と腐敗、経済の活性化、グローバル化、植民地化、アメリカ大陸進出、世界大戦、アフリカ大陸の分断と独立、戦後から現代まで続く激動の時代です。人類史はどこを切り取っても激動の時代と呼ばれるシーンがあったでしょうが、大陸規模、地球規模という意味ではこの時期がそれにふさわしいかと思います。現代まで禍根を残す人種やアイデンティティに関わる問題もこの時期に多く生じています。 内容はこれまでと同様、モノにまつわるエピソードを紹介。宗教の違いを超えた寛容さを示すモノもあれば、戦争を示すモノ、歴史の転換期にまつわるモノなどをみていると、本当に歴史というものは断続的ではなく連続的に紡がれていくのだと分かります。歴史的な発明と言われるものも、過去からの技術や思想を引き継いでいなければ発明されなかったかもしれない。 シリーズはこれで完結します。最後の100点目は現代にふさわしいモノが選ばれなければならない、ということですが、いろいろな葛藤があったようです。この企画展を見に行った時に、あなたが選ぶ101点目は何?というアンケートをしていました。私が選んだのは電子書籍です。
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世界史を語る100のモノの掉尾を飾るのは、ソーラーランプと充電器。現代に生きている自分達からすれば、これって博物館に飾るものなの?って感じですが、これまで見てきたものの中にも、当時の人々からしたらそう思われるようなものもあったかもしれないですね。レアリティの高さの大事だけど、その...
世界史を語る100のモノの掉尾を飾るのは、ソーラーランプと充電器。現代に生きている自分達からすれば、これって博物館に飾るものなの?って感じですが、これまで見てきたものの中にも、当時の人々からしたらそう思われるようなものもあったかもしれないですね。レアリティの高さの大事だけど、その当時の文化・文明を知ることができる、その一助になるということが大事で、そのための収集だったりするのでね。よくネタになるけど、どっかの落書き萌え絵が何世紀もたったころ、すごく高尚な評価を受けていたりするかもしれないし。 ま、記録メディアは発達している現在では、そんなことないか。そうなるなら、文明崩壊後の世界か。 そうなると、考古学というよりSFですな。 「星界の紋章」の短編集にそんなネタの話があったような。
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第14部 神々に出会う 第15部 近代世界の黎明 第16部 最初の世界経済 第17部 寛容と不寛容 第18部 探検、開拓、啓蒙 第19部 大量生産と大衆運動 第20部 現代がつくりだす物の世界
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